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原則16

人権を尊重する責任を定着させるための基礎として、企業は、以下の要件を備える方針の声明を通して、その責任を果たすというコミットメントを明らかにすべきである。

(a) 企業の最上級レベルで承認されている。

(b) 社内及び/または社外から関連する専門的助言を得ている。

(c) 社員、取引先、及び企業の事業、製品またはサービスに直接関わる他の関係者に対して企業が持つ人権についての期待を明記している。

(d) 一般に公開されており、全ての社員、取引先、他の関係者にむけて社内外にわたり知らされている。

(e) 企業全体にこれを定着させるために必要な事業方針及び手続のなかに反映されている。

解説

「声明」という用語は、企業がその責任、コミットメント及び期待を公に表明するために用いる何らかの手段を表現するための総称として使われる。

方針声明が情報を適切に取り入れたものとなるために必要と考えられる専門的助言のレベルは、企業の事業の複雑性の度合いによって異なるであろう。専門的助言は、信頼できるオンラインまたは文書資料から広く認知された専門家との協議まで、様々な情報源から取り出すことができる。

コミットメント声明は公開されるべきである。それは、企業が契約関係にある組織、国家治安部隊を含む事業に直接関係するその他の組織、投資家、重大な人権リスクを伴う事業の場合は影響を受ける可能性のあるステークホルダー、に積極的に伝えられるべきである。

声明及び関連する方針の内部通知や手続は、責任に関する管理系統や制度がどのようなものとなるかや、関連する業務に従事する従業員に必要とされる研修などによっても支援すべきであることを明確にすべきである。

国家が政策の一貫性に向けて努力すべきであるように、企業は、人権を尊重する責任とその広範な企業活動や取引関係を管理する方針及び手続に一貫性を持たせるよう努力する必要がある。これには、例えば、従業員のための金銭的及びその他の業績インセンティブ、調達、及び人権が問題となるような議会ロビー活動などのあり方を決める方針及び手続を含むべきである。

これらのまたその他の適切な手段を通じて、方針声明が企業トップから全ての部門にいたるまで定着するようにすべきである。さもなければ、各部門が人権に対する意識や考慮なしに行動することになりかねない。