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「ビジネスと人権」に関する行動計画改定版が公表される(12/24)

 外務省総合外交政策局人権人道課は2025年12月24日、ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議において「ビジネスと人権」に関する行動計画を改定したことを公表しました。
 日本政府として、「引き続き改定された行動計画の実施や周知を通じて、「ビジネスと人権」に関する関係府省庁の政策の一貫性を確保するとともに、責任ある企業行動の促進を図り、国際社会を含む社会全体の人権の保護・促進への貢献、日本企業の企業価値と国際競争力の向上、及びSDGs達成への貢献につなげてまいります」(外務省ウェブサイト)としています。

 日本のビジネスと人権に関する国別行動計画(以下「NAP」)をめぐっては、2020年10月に策定された『「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020ー2025)』について、2025年の改定に向けたプロセスが進められてきました。ビジネスと人権に関する行動計画推進円卓会議及びビジネスと人権に関する行動計画推進作業部会での議論を経て、2025年10月には「ビジネスと⼈権」に関する行動計画改定版の原案がパブリックコメントに付されました。パブリックコメントには228件(複数意見提出を個別集計すると514件)の意見提出があったとされています。

 今回改定されたNAPでは、8つの「優先分野」として以下のように項目が整理されています。

  1. 人権デュー・ディリジェンス及びサプライチェーン
  2. 「誰一人取り残さない」ための施策推進(「ジェンダー平等」「外国人労働者」「子ども・若者」「障害者」「高齢者」)
  3. テーマ別人権課題(「AI・テクノロジーと人権」「環境と人権」)
  4. 指導原則の履行推進に向けた能力構築
  5. 企業の情報開示
  6. 公共調達・補助金事業等を含む公契約
  7. 救済へのアクセス
  8. 実施・モニタリング体制の整備

 2020年の最初のNAPでは、ギャップ分析の欠如や施策を評価する指標の未策定など、数多くの問題点や課題が指摘されてきましたが、それらが今後どう展開していくのか、また、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」との整合性はもちろん、国連ビジネスと人権作業部会による「国別行動計画の指針(NAPガイダンス)」(2016年)や訪日調査報告書(2024年)での勧告に十分に応えるものとなっているのかなども検証していく必要があります。
 改定されたNAPは2026年度から実施するとされています。次の改定時期を明記すべきとのパブリックコメントでの多くの指摘にもかかわらず、今回の改定では次期NAPへの改定の時期が明記されませんでした。国が人権保護義務を果たすための「政策戦略」であるはずのNAPがこの先どうなっていくのか、日本の人権政策全体のあり方とも関連して、今後も検証していく必要があります。

<参照>

<参考>


(2026年01月08日 掲載)