「答えてよ、自民党! 『人権侵犯 認定受けてない』それはないでしょ 杉田さん」。IMADR(反差別国際運動)と「マイノリティ女性フォーラム」の呼びかけで、次の参院選で杉田水脈前衆議院議員の公認を決定した自民党に対し、4月28日に東京・大阪・札幌で抗議のスタンディングがおこなわれました。
「マイノリティ女性フォーラム」は、在日コリアン・アイヌ民族・被差別部落出身者・琉球女性など当事者団体とIMADRで構成しているネットワーク組織で、これまでマイノリティ女性に対する複合差別の解決に向けて、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)でのロビー活動にも取り組んできました。
2016年のCEDAWの日本審査直後に、杉田水脈氏は審査会場にいた在日コリアン女性やアイヌ女性の写真を撮り、「日本国の恥晒し」というタイトルのブログで「民族衣装のコスプレおばさんまで登場...」といった内容を発信し、数年間掲載され続けました。2023年に当事者たちが居住地の法務局に一連の発言などに対する人権救済を申立て、同年秋、大阪法務局と札幌法務局は人権侵犯の認定をしました。ただし、法務局は「人権侵犯に基づく措置は猶予」したということです。
2025年3月9日、杉田水脈氏が「人権侵犯の認定はうけていない」と記者団に言ったというニュースが報道されましたが、その一方、自民党はその杉田水脈氏の公認を発表しています。
IMADRと「マイノリティ女性フォーラム」は、3月31日付で自民党の総裁と幹事長に宛てて杉田水脈氏の発言が事実かどうかを明らかにするよう質問状を送付しましたが、現在のところ(5月1日)回答は来ていません。こうした状況を危惧した被害当事者を含めた市民の人たちが、今回の抗議のスタンディングをおこないました。
現在の国の人権救済機関として、法務省内の法務局の人権侵犯申立制度があります。公的機関が人権侵犯を認定したという事実は重いです。
スタンディングに参加した人たちは、「なかったことにしないで!人権侵犯」「No Hate」などと書かれたプラカードを持ち、自民党に質問状への誠意ある回答や公認の見直しを求める声をあげました。
東京の自民党本部前にて
自民党大阪府連前にて
JR札幌駅前にて
出典:
「人権侵犯、認定うけていない」杉田水脈前衆議院議員の発言について自民党に問う(IMADRのサイト)
https://imadr.net/inquiryhatespeech2025/
【報告】CEDAW 報告集会『くりかえされた「複合差別」と「マイノリティ女性」への懸念と勧告』(IMADRのサイト)https://imadr.net/recaponpost-cedawevent/
神奈川新聞 東京 https://www.kanaloco.jp/limited/node/1167926(有料記事)
毎日新聞 大阪 https://mainichi.jp/articles/20250428/k00/00m/010/138000c
共同通信 札幌
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e6affd235bea84925791d923c6d9d200e9bcb96
(2025年05月02日 掲載)