三重県が外国籍職員採用の是非を尋ねた「県民1万人アンケート」をめぐり、県在住の在日コリアンが2026年4月、「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」に基づき知事の助言を求める申立てを行いました。申立てを受け、同条例に基づいて設置された知事の諮問機関「差別解消調整委員会」は8月3日、アンケートの設問は国籍を理由とした「不当な差別」に当たるとして、設問文を不特定多数が見ることができないようにするとともに、回答結果を公表しないよう知事に求める答申を出しました。
しかし、一見知事は8月7日、「不当な差別」には当たらないとして委員会の答申を全面否定する見解を発表し、アンケート結果を公開するという「助言」を出しました。
県の見解を受けて、「三重県の国籍差別を許さず、地域から共生を作り直す会」と「三重県職員の国籍要件復活の検討の撤回を求めるネットワーク」は8月29日に津市で抗議集会を開催しました。会場に106人、オンラインで25人が参加しました。
申立代理人の金銘愛弁護士は、「知事の『助言』は、差別解消のための条例を踏みにじり、差別を上塗りするようなもの。差別解消調整委員会の意見を無視して自分の意見を押し通そうとしている。申立人の気持ちを踏みにじっている」と批判しました。
金弁護士は申立人のコメントを代読しました。申立人は、「知事は『不当な差別ではない』と言う。私は、この言葉に強い違和感と憤りを覚えます」と述べています。そのうえで、「後世の子どもたちが、同じように傷つき、同じように『自分はこの社会にいていいのか』と悩むことのない未来をつくるために、私はこれからも争い続けます。そして、必ず勝ち取ります」と結んでいます。
集会ではまた、「県民1万人アンケート」の委託先の民間会社に支払った委託費約743万円を一見知事に請求するよう県に求める住民訴訟への支援が呼びかけられました。伊賀市在住の原告の竹本昇さんは、三重県民でないと原告になれないことから自分が原告になったものの、知事の「不当な差別」を許さない皆さんとともに起こした裁判であると述べました。
第1回口頭弁論が9月7日午前11時から津地方裁判所で開かれます。
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section5/2026/08/187.html
三重県知事、外国籍職員採用の是非を尋ねた「県民1万人アンケート」は「差別でない」と表明、結果の公表へ(8/7)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
(2026年09月02日 掲載)