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三重県知事、外国籍職員採用の是非を尋ねた「県民1万人アンケート」は「差別でない」と表明、結果の公表へ(8/7)

差別解消調整委員会、「不当な差別」と答申
 一見勝之知事の指示で職員採用に国籍要件の復活を検討している三重県は、2026年1月から2月にかけて、外国籍職員採用の是非を尋ねる「県民1万人アンケート」(対象は18歳以上の日本国籍者)を実施しました。それに対して、県在住の在日コリアンが4月、「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」に基づき、①これ以上、外国籍住民に対する差別や偏見を助長しないよう、アンケートの設問を非公開にする、②アンケートの回答結果を公表しないよう県知事による「助言」を求めて申立てをしました。
 申立てを受け、条例で設置された5人の有識者からなる知事の諮問機関「差別解消調整委員会」は3回の審議を経て8月3日、アンケートの設問および補足資料の文面は条例に掲げる国籍を理由とした「不当な差別」に当たるとして、設問文を不特定多数が見ることができないようにし、回答結果を公表しないよう知事に求める答申を出しました。
 また、同委員会は、付言として、地方自治法において「市町村区域内に住所を有する人は、当道府県の住民とする」としていることから、今後の「県民アンケート」は外国籍住民も対象とするよう強く要望しました。

知事、「差別に当たらない」と答申を受け入れず
 しかし、一見知事は8月7日に開いた記者会見で、「不当な差別」には当たらないと委員会の答申を全面否定する見解を発表し、アンケート結果を公開するという「助言」を自らに出しました(条例は、答申を受けた知事は、差別をした当事者に助言などの行政指導をすると定めている)。
 一見知事は、判断に当たって、行政訴訟の経験が豊富な法律事務所に意見を聴取したとし、条例上の「不当な差別」には当たらないとの見解を得たと説明しています。

8月29日に津市で市民による抗議集会開催へ
 知事の判断を受けて、「三重県職員の国籍条項復活の撤回を求めるネットワーク」など県内の2つの市民グループは、8月29日に三重県教育文化会館(津市)で、「三重県の『不当な差別』に対する抗議と裁判支援集会」の開催を予定しています。
 裁判は、「県民1万人アンケート」をめぐり、伊賀市の住民が原告となり、知事に対してアンケート実施のために民間業者に支払った委託費約743万円を返還するよう求めて起こした住民訴訟です。原告は、アンケート調査の対象から外国籍住民を外したのは「差別解消条例」に違反し、そのような違法なアンケートのために県が公金を支出することは違法であると主張しています。
 第1回口頭弁論が9月7日午前11時から津地方裁判所で開かれる予定です。
2026,8,29チラシ.pdf

<出典>
https://www.pref.mie.lg.jp/MOVIE/l1015500001.htm
知事からのメッセージ:差別解消条例に基づく助言について(2026年8月7日)三重県
https://www.pref.mie.lg.jp/CHIJI/000179128_00375.htm
知事定例会見録(2026年8月12日)三重県
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2026/01/3113.html
三重県の職員採用での国籍要件復活の検討に、地元3団体が撤回を求める会見(2026年1月13日)ヒューライツ大阪
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2026/02/190216.html
三重県職員の「国籍要件見直し検討の撤回を求める共同意見書」を県に提出―賛同190団体(2026年2月16日)ヒューライツ大阪
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section4/2025/07/post-202028.html
全国初の包括的差別解消条例の意義と課題
松村元樹(公益財団法人反差別・人権研究所みえ 常務理事兼事務局長)
ヒューライツ大阪「国際人権ひろば」2025年7月号


(2026年08月21日 掲載)