ヒューライツ大阪では、国際人権基準や人権教育に関する資料、重点テーマに関する日本を中心にアジア・太平洋地域の人権情報の資料を収集しています。ヒューライツ大阪に所蔵している図書はどなたでも閲覧可能です。
会員を対象に貸出サービスも行っております。
新着図書よりおすすめを一部紹介します。
〇『ルポ戦争トラウマ : 日本兵たちの心の傷にいま向き合う』 (後藤遼太, 大久保真紀 著 / 朝日新聞出版,2025.6)
―戦後80年、元日本兵の子や孫がようやく語り始めたことがある。戦争トラウマだ。過酷で悲惨な戦場を経験した元兵士の多くが心を壊した。悪夢、酒浸り、家族への暴力......壊れた心が子や孫の心もむしばんでいく負の連鎖。
隠された戦争の実相に迫る。
〇『産む権利/産まない権利 : リプロダクティブ・ライツの現在』(ジェンダー法政策研究所 [ほか] 編 / 花伝社 ,2025.5)
―日本において、「産むこと/産まないこと」をめぐる「性と生殖の自己決定権(リプロダクティブ・ライツ)」は、どう法律・政治過程と関わり合ってきたのか――リプロダクティブ・ライツを否認する条項の存在、避妊ピルや中絶薬の普及の遅れなどが政治的課題として意識され、生殖補助医療への法的対応も迫られている今、あらためて、「個人的なこと」が「政治的なこと」であるという原点に立ち戻る。
〇『権利の名のもとに : イスラエルにおける性的少数者の権利と動物の権利』(保井啓志 著 / 東京大学出版会,2025.3)
―イスラエルで20世紀末から興隆した性的少数者の権利と動物の権利という2つの権利に関わる政治がいかにしてイスラエルのナショナリズムや排外主義に結びついてきたのかを精緻に分析する。
政治から紐解く、中東研究の新たなる視点。【第14回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】
〇『性/生 (SEI) をめぐる闘争 : 台湾と韓国における性的マイノリティの運動と政治』(福永玄弥 著/ 明石書店,2025.2)
―熾烈なバックラッシュの背景に何があるのか。
台韓における性的マイノリティの運動史を辿り、その達成をフェミニズムとの交差とともに歴史化。冷戦という観点から両国の比較を超えた視野を提示する、クィア・スタディーズの到達点。
〇『トランスジェンダー生徒と学校 : 「抱えさせられる」困難と性別移行をめぐる実践』(土肥いつき 著 / 生活書院,2025.2)
―教室の中で性別カテゴリーが構築される過程でトランスジェンダー生徒はどのような困難を抱えさせられるのか、その困難を軽減するためにどのような実践をおこなうのか。行為主体としてのトランスジェンダー生徒の姿を描く......
マイノリティが排除される過程と生徒たちの日常的実践を通して「学校文化」を問う必読の書!
〇『ひとりもとりこぼさない学校へ : 部落、貧困、障害、外国ルーツの若者の語りから』(志水宏吉 編/ 岩波書店,2025.2)
―すべての生徒たちの学びを保障する公教育。しかし、階層間・社会集団間の教育達成の格差が顕在化し、その平等化機能や社会統合機能に疑問符が呈されるようになってきている。
4つのマイノリティのカテゴリーの生徒たちのリアルな声を丁寧に聴き取り、社会的公正を支える新しい教育システムを探る。
〇『中学生が多文化共生について本気で考えてみた』 (山崎寛己 著 / 東洋館出版社,2025.3)
―とある授業での一言をきっかけに、著者と有志の生徒たちが学習会を主催します。その学習会では、海外ルーツ当事者の日々や困難、願いを聞き、自分事として多文化共生の実現について考えました。
学習会を経た学びや自分なりの答えを導くまでの約1年間の軌跡をたどりました。
〇『半分姉弟』(藤見よいこ 著 / リイド社,2025.4)
―「姉ちゃん、俺、改名したけん。」
フランス人の父と日本人の母を持つ〈米山和美マンダンダ〉は、弟から突然の告白を受ける。生まれ育ったはずの日本で「異物」と見なされても、笑って流していたけれど...。
「ハーフ」と呼ばれる人々の日常と溢れる感情を鮮やかに描いた、わかりあえなさと手を繋ぐ群像劇。
〇『あなたの「?」は人権問題かもしれない : 国際スタンダードから考えるSDGs時代の声のあげ方』(ヒューマンライツ・ナウ 編 / 現代人文社,2024.12)
―世の中で「おかしい」と疑問に感じることは、少なくない。でも、その思いを声に出して挙げることは、なかなかできない。どうして声を挙げられないのか。
そのように「おかしい」と思うのは自分だけではないのか、おかしいと声を挙げると「炎上」するのではないかと考えてしまう人もいるだろう。
本書は、「自分の命や体を守る」といった身の回りの事柄から、「平和で自由な社会で暮らす」といった世界情勢まで、32個の疑問について、それを正そうとすることが国際人権基準によっても認められるものであることを明らかにする。
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