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東南アジアの移住労働者支援の市民活動家ら、関西の移住者支援のNGO関係者とヒューライツ大阪で意見交換会-笹川平和財団の招へいプログラム(11/26)

 2017年11月の東南アジア諸国連合(アセアン)首脳会議において、「移住労働者の権利の保護と伸長に関するコンセンサス」が各国首脳によって署名されました。そうしたなか、公益財団法人笹川平和財団は、コンセンサスをめぐり東南アジアの移住労働者の権利擁護のために市民社会として政策提言を行うヒューマン・ライツ・ワーキング・グループ(HRWG)への支援を行っています。同財団はまた、移住労働者の送出国、受入国、および当事者にとってより安全で効果的な移住労働の実現に向け、東南アジアおよび受入国である日本における市民社会の関係者との情報共有や連携強化に寄与することをめざし、さまざまなプログラムを実施しています。
その一環として11月25日から12月2日にかけて、東南アジアから日本への移住労働者の送出しが特に多いベトナム、フィリピン、インドネシアから3人の市民活動家が日本に招かれ、関西と関東の移住者支援、および当事者団体を訪問しています。11月26日、ヒューライツ大阪は3人のゲストおよび3人の財団スタッフの訪問を受け、関西で移住者の支援に取り組むRINK(すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク)やNGO神戸外国人救援ネットワークなどの関係者10数名が集まり活動紹介およびそれぞれの課題に関して情報交換を行いました。
インドネシアをベースにHRWGのプログラムマネージャーを務めるダニエル・アウィガ(Daniel Awiga)さんは、アセアンの移住労働者の権利に関するコンセンサスをめぐる域内各国における課題を調査しまとめた「ベースライン調査」の概要を報告しました。また、中東で家事労働者として働くインドネシア人女性の人権保護に関する課題について懸念を述べました。
ベトナムの「人口・家族・子ども研究所」のシニア・アドバイザーのヴ・ゴック・ビン(Vu Ngoc Binh)さんは、近年、日本は台湾と韓国をしのぐ勢いで、ベトナムの若者の人気の就労先になっている一方、技能実習生の日本での成功話だけでなく、虐待被害や高額斡旋料が課されていることなどの問題がメディアでしばしば報道されるなど注目されていると語りました。
フィリピンのNGO「バティス・アウェア」理事長のセシル・モンテネグロ(Cecille Pauline Sanglap Montenegro)さんは、海外移住とりわけ日本から帰国した女性、および日本人男性とのあいだにもうけた婚外子JFC(ジャパニーズ・フィリピノ・チルドレン)を育てる女性たちのエンパワメントに関わっていることから、日本における同胞の状況に関心を示していました。
今回の招へいを統括した笹川平和財団のアジアの人口動態事業グループ長の岡本富美子さんは、今後もアセアンと日本における移住労働者をめぐる課題に取り組む市民社会の連携を推進するプログラムを企画していきたいと語っています。
 
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                 意見交換会のもよう
<参照>
アセアン、「移住労働者の権利の保護と伸長に関するコンセンサス」を採択(11月)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
「国際移住労働と市民社会の役割」ASEAN Civil Society Conference / ASEAN People’s Forum 2018(於シンガポール)において調査報告とワークショップを開催:笹川平和財団