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報告会「グリーン・エコノミーの罠」&『空に溶ける大地』上映会-「フィリピンの日系バイオ燃料事業が曝け出した問題」を開催しました(3月28日)

 フィリピンのルソン島北部のイサベラ州で、2010年から日本企業2社が台湾とフィリピンの企業との合弁で、サトウキビを原料としたバイオエタノール製造と、サトウキビ残滓からの発電事業を開始していますが、地元で作付していた農民や小作農たちの土地が地元有力者などによって収奪され、水田がサトウキビ畑に農地転換されるなどの問題が起きています。
開発と環境・人権の課題を活動の柱のひとつとする国際環境NGOであるFoE Japanは、この「バイオエタノール事業」が始まった時点から農地の収奪をめぐる問題、そして操業開始後の大気・水・土壌の汚染など周辺環境への負の影響などに関して、地元の農民組織と連携しながらモニターを行っています。
同時に、出資している日本企業に公開質問状を送るとともに対話を求めて、CSR(企業の社会的責任)の実行、とりわけ原料調達におけるサプライチェーンマネジメントの観点、そして権利を侵害されやすいステークホルダーの認知と配慮の観点から事態の把握と改善を要請しています。
そうした事態を受けて、FoE Japanの委託研究員の波多江秀枝さんは現場に幾度も赴き、関係者から聞き取りを行っています。また、ビデオジャーナリストの中井信介さんが現地取材を行いドキュメンタリービデオ『空に溶ける大地』(30分)をこのほど制作しました。
 この機会に、ヒューライツ大阪は、FoE Japanをはじめとする4団体の共催で、3月28日に大阪で上記2名を報告者に招いて報告会と上映会を開催しました。事実関係は複雑に入り組んでいるのですが、パワーポイントとビデオによってビジュアルに解説いただきました。
 質疑では、バイオ燃料事業じたいが本当に環境に優しいのかという意見も出されました。報告会を通じて、海外で展開する日本企業の求められる責任(CSR)に関する課題が提示されました。参加者は25名でした。
 
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 波多江秀枝さん(左)と中井信介さん(右)
日時:2013年3月28日(木) 19:00~21:00
会場:大阪市立総合生涯学習センター 第5研修室
 
プログラム:
<報告>波多江秀枝(FoE Japan)
<上映>『空に溶ける大地』、(30分) 解説 中井信介(ビデオジャーナリスト)
 
共催: FoE Japan
     フィリピンのこどもたちの未来のための運動 (CFFC)
     関西フィリピン人権情報アクションセンター
     ヒューライツ大阪
 
協力: “No! to Landgrab, Japan” NPO 法人バイオマス産業社会ネットワーク
     開発と権利のための行動センター 
助成:(公財)緑の防衛基金
 
<事業の詳細>
   フィリピン・イサベラ州バイオエタノール製造・発電事業(FoE Japan のサイト)