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ワークショップ「『ここからかるた』で考えるグローバル・スタンダードの性教育」を開催しました(9/23)

9月23日に、「『ここからかるた』で考えるグローバル・スタンダードの性教育」と題した対面でのワークショップを(公社)子ども情報研究センターとの共催でHRCビル(大阪市)にておこないました。講師の艮香織さんは、宇都宮大学共通教育学部の教員で、性教育・人権教育が研究テーマです。ユネスコが中心になって作成した「国際セクシュアリティガイダンス」の共同翻訳者の一人でもあります。
そのガイダンスに基づいて制作された5歳から対象の教材「はじめてまなぶ:こころ・からだ・性のだいじ:ここからかるた」(染矢明日香/考案、艮香織/監修、2022年8月)を実際に使って、「国際セクシュアリティガイダンス」のコンセプトである「包括的性教育」に対する理解を深めようと企画したものです。

画像1 カルタ原本
包括的性教育について説明する
講師の艮香織さん

『はじめてまなぶこころ・からだ・
性のだいじ ここからかるた』


ワークショップは、声やジェスチャーで表現して同じ動物を探してグループを作るというアイスブレーキングから始まり、艮さんが読み手になって、同じグループ内で何枚かかるた取りをしました。参加者はかるた取りを楽しみながら、かるたの取り札の裏面にある質問―「家族とは?」「自分のからだを大切にするとは?」「卵子の大きさや働き」などを考えたり、読み札の裏面にある解説を聴いたりすることを通して包括的性教育の概念にふれました。
次に、艮さんから包括的性教育とは何かにかかわる話がありました。また保育や教育の現場での性教育にまつわる経験が紹介され、教える側の子ども観、性の価値観、人権の捉え方が問われているという指摘がありました。性教育は権利に基づくアプローチで進めるものであり、人権教育であることを参加者とあらためて共有するとともに、日本の教育現場で包括的性教育の実践を拡げることの困難さも確認しました。
2時間があっという間に過ぎ、質疑応答の時間が予定より短くなりましたが、寄せられたアンケートからは教員の参加が多いことがわかりました。自身の知識が拡がり、感性が磨かれたこと、学校現場で役立つという肯定的な感想が多数ありました。そのうちのいくつかを紹介すると、「今まで自分が受けてきた性教育は、かるたの「からだ」の部分が9割だったなと...「こころ」の部分はあまり受けてこなかったし、受けたかったと強く思いました」「"性はすべての人が当事者となる人権の課題"という言葉に、ハーッと思いました。...子どもたちの最善の利益につながるよう頑張ろうと思いました」「まず周囲の大人の性教育のアップデートのツールとして、このかるたを職員研修等でシェアしていければと思います」。参加者は関係者を含めて39名でした。