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米国によるベネズエラ軍事介入、独立国際事実調査団が人権侵害リスクの高まりに深い懸念を表明―国際法の完全な遵守と、マドゥロ政権下での人権侵害および人道に対する罪への責任追求の必要性を強調(1/3)

 国連人権理事会が2019年に設置した「ベネズエラ・ボリバル共和国に関する独立国際事実調査団(以下、事実調査団)」は、米国がベネズエラで軍事作戦を実施してニコラス・マドゥロ大統領を拘束したことを受け、ベネズエラにおける人権状況について深刻な懸念を表明するとともに、同政権によって犯された重大な人権侵害および人道に対する罪について、責任追及を確実に行う必要性を強調しました。

 事実調査団議長のマルタ・バリニャスは、「米国による軍事介入と『米国およびその市民に対する麻薬テロ』の容疑によるニコラス・マドゥロ氏の拘束を踏まえ、事実調査団は、ベネズエラの人々に対して行われてきた重大な人権侵害および人道に対する罪に引き続き焦点を当てる必要性を強調する」と述べています。

 事実調査団によって詳細に記録されてきたこれらの人権侵害には、超法規的殺害およびその他の恣意的な生命の剥奪、恣意的拘禁、(主として短期間の)強制失踪、拷問およびその他の残虐な、非人道的または品位を傷つける取扱い、ならびに性暴力などジェンダーに基づく暴力が含まれています。

 事実調査団の専門委員であるアレックス・ネーヴ氏は、「マドゥロ政権による長年にわたる重大な人権侵害は、国際法に違反する米国の軍事介入を正当化するものではない」と指摘した上で、「同様に、米国による攻撃の違法性が、人道に対する罪に相当する長年にわたる弾圧と暴力についてマドゥロ氏を含むベネズエラ当局者が負う明白な責任をいささかも減じるものではない。ベネズエラの人々には、国際法を完全に遵守する解決策が必要であり、またそれに値する」と述べています。

 事実調査団の専門委員であるマリア・エロイサ・キンテーロ氏も、「これらの人権侵害に対する責任はニコラス・マドゥロ氏一人に限定されるものではない」とし、「治安部隊に対して指揮権または権限を行使した者、あるいはこれらの犯罪に何らかの形で関与した他の個人についても、責任を問われなければならない」と述べています。

 米国政府が同国を当面の間「運営する」意向を表明する一方、ベネズエラ当局が非常事態を宣言するなど、情勢の不安定化が高まっているなかで、事実調査団は、今後数日から数週間にかけて、さらなる深刻な人権侵害が生じる危険性について深い懸念を表明しています。

 事実調査団は、急展開をみせる国内の状況と、それが住民の権利、安全および治安に及ぼす影響を注視しており、ベネズエラおよび米国の当局、ならびに国際社会に対し、国際法の完全な尊重を確保するよう求めています。

「ベネズエラの人々の権利は、あまりにも長い間、体系的に侵害されてきた。いかなる例外もなく、人権が最優先されなければならない」

出典:Venezuela: UN Fact-Finding Mission expresses grave concern following US military intervention and calls for accountability for human rights violations and crimes

https://www.ohchr.org/en/press-releases/2026/01/venezuela-un-fact-finding-mission-expresses-grave-concern-following-us


国連人権理事会は、国際人道法に関する4つの条約(ジュネーブ諸条約)およびその第一追加議定書の違反行為として申し立てられた事実を調査し、国際人道法の履行を確保・促進するため、1991年以降、国際事実調査の仕組みを設けてきた。

その一環として、同理事会は20199月、2014年以降に行われたとされる人権侵害を評価するため、ベネズエラ・ボリバル共和国に関する独立国際事実調査団を設置した。

(2026年01月08日 掲載)