全国知事会は11月11日、2025年3月に立ち上げた「外国人の受入と多文化共生社会実現プロジェクトチーム」の第3回会議を開き、「多文化共生社会の実現を目指す全国知事の共同宣言」(案)をまとめました。11月26日に開催する全国知事会で正式に決定し、「共同宣言」を発出する予定です。
「共同宣言」(案)は、1.多文化共生の推進、2.ルールに基づく共生と安心の確保、 3.正確で積極的な情報発信の3つの柱からなり、「国民へのメッセージ」として位置付けられています。
「多文化共生の推進」では、「事実やデータに基づかない情報による排他主義・排外主義を強く否定します」と断言し、差別や人権侵害のない社会実現を目指す姿勢のもと、「すべての方が安心して暮らし、活躍することができる多文化共生社会をつくっていきます」と述べています。
「ルールに基づく共生と安心の確保」では、多文化共生は外国人の無秩序な受入れや、優遇を意味するものではないと説明し、外国人がルールを適切に把握できるよう情報発信や相談対応に努め、「日本人と外国人が安心して暮らすことができる環境を国と共に整えていきます」としています。
「正確で積極的な情報発信」では、外国人は多岐にわたる産業分野を担う人材であることに加えて、「地域の一員として社会を支える、なくてはならない存在」となっている一方で、その実態が十分に伝わらず、「外国人が増えると犯罪が増える、ルールを守らない外国人が多い」などの根拠不明の情報がSNS等で見受けられると指摘しています。
また、犯罪白書を引用し、外国人の刑法犯検挙件数は2005年をピークに、在留外国人が増加するなかにあっても減少傾向にあるというデータを示しています。
そして、全国知事会は国に対して、「外国人が増加することに対する国民の不安を払拭し、正確なデータに基づく積極的な情報発信を行うよう働きかけていきます」と述べています。
<出典>
https://www.nga.gr.jp/committee_pt/project/ukeire/r07/1_14.html
第3回外国人の受入と多文化共生社会実現プロジェクトチーム会議を開催しました
2025年11月11日(全国知事会)
(2025年11月12日 掲載)