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日本の社会権規約の実施が国連で審議

 日本の社会権規約の実施について、社会権規約委員会による第3回報告の審議が4月30日にジュネーブの国連人権高等弁務官事務所で行われました。第2回報告の審議は2001年8月に行われています。
 前日の4月29日には、日本のNGOなど16団体が、委員に対してブリーフィングを行い、日本の社会保障、雇用、教育や東日本大震災・福島原発事故後の復興策などについて情報を提供しました。
 30日の審議は、まず日本政府代表団長として上田人権人道担当大使が冒頭説明を行い、各委員から規約の条文にもとづいて質問やコメントが出され、それに対して各省庁から構成される政府代表団が回答する形で進められました。
 委員からは、日本における規約の地位について、複数の委員から質問がありました。日本の裁判所で規約が個人に具体的な権利を付与するものではないと判断したことにふれ、どのように規約の裁判への適用が判断されるのかなどの質問が出されました。
そのほかにも、高齢者や女性の貧困、生活保護、若者の失業、非正規労働者のセーフティ・ネットなど社会保障に関する質問、男女の賃金格差、障害のある人の雇用、自殺や過労死など職場の精神的も含む健康など労働・雇用に関する問題、朝鮮学校からの高校無償化からの排除などの質問や指摘がありました。
 また、日本政府の報告は2009年4月までの状況をカバーしているので、2011年の東日本大震災は含まれていませんでしたが、報告審議に先立って委員会からさらに情報提供を要請する事項について審議された2012年5月の作業部会では、震災や原発事故後の政府の対応に関して質問が出されていました。今回の報告の審議の場でも、第2回報告審議後の総括所見のなかで、原発施設の安全性に関して住民への情報提供と透明性の向上、原発事故対策計画の準備などを勧告していたことが指摘され、日本のエネルギー政策、原発の安全策、住民の健康や安全の確保、復興支援における人権の確保や住民の参加など多くの質問が出されました。
 政府とのやり取りを経て、社会権規約委員会は日本に対する懸念事項や勧告を含む総括所見を本会期が終わる17日までに採択する予定です。(5月15日)

参考:
Committee on Economic, Social and Cultural Rights considers Report of Japan, 4月30日付、OHCHR http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=13277&LangID=E
「社会権規約委員会、日本報告について質問事項リストを作成」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2012年5月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2012/06/post-44.html


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