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朝鮮学校の「高校無償化」除外の問題をめぐり、NGO が7月27日に国連人種差別撤廃委員会に再要請

「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク」、「在日本朝鮮人人権協会」、「反差別国際運動日本委員会」(IMADR-JC)の3団体は2012年7月27日、朝鮮学校への「高校無償化」除外の問題に関連して、日本における昨今の暴力・ヘイトスピーチの増大傾向、そして日本政府および地方自治体による財政面における朝鮮学校への圧迫の広がりが、朝鮮学校の廃校という被害をもたらす危険性があると懸念して、国連人種差別撤廃委員会に対して、同委員会が日本政府に勧告することを求めた追加文書を提出しました。
 
この文書は、人種差別撤廃委員会が1993年以来設置している「早期警戒措置・緊急手続き」というシステムに基づき提出されたもの。3団体は12年2月、「日本政府が朝鮮学校に『高校無償化』を適用せず、さらに大阪、東京、埼玉、宮城、千葉の5つの都府県が朝鮮学校への補助金を停止あるいは削減している現状が、人種差別撤廃条約第5条(e)(ⅴ)の『教育権の平等な保障』に違反している」として要請文を提出していました。今回の追加文書の提出は、8月6日から31日までジュネーブで開かれる人種差別撤廃委員会の定期会合のタイミングにあわせたものです。
 
追加文書では、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(高校無償化法)が施行されて2年以上が経過したものの、「各種学校の認可を得た全外国人学校37校の生徒は高校無償化の対象となったが、朝鮮学校10校の生徒のみ排除され続けている」として、「高校無償化法制度は、朝鮮学校の生徒たちに対する『新たな差別法』(「手続き」のガイドラインの指標 (c) に該当)だと指摘しています。
 
また、「朝鮮学校は、所在するすべての27都道府県から数十年間補助金を得ていた」ものの、橋下徹大阪府知事(当時)は2010年3月、朝鮮学校への高校無償化に関連し、「朝鮮学校の無償化・府の助成と拉致問題は切り離して考えられない」などと発言し、2010年度の大阪府のよる補助金削減を決め、それに呼応した4都県が補助金を停止した、と述べています。さらに、橋下氏は2011年11月に大阪市長となった後、大阪市の2011年度の朝鮮学校への補助金を止めたといういきさつを述べています。
 
追加文書は、「地方政府からの朝鮮学校に対する補助金は日本の公立学校や私立学校に対する補助金と比べかなり少ないが、今日まで国庫からの財政的支援が皆無のため、朝鮮学校は、高額な授業料と保護者からの寄付金のほか、この地方政府からの補助金に依拠する運営を余儀なくされている。例えば、大阪府と大阪市の補助金を合計した金額は、大阪の朝鮮学校を運営する学校法人大阪朝鮮学園の年間経常費の18%にあたる。それゆえ、もし地方政府からの補助金カットが続けば、朝鮮学校は財政危機に直面せざるをえない」と懸念を示しています。
 
また、拉致問題を背景としたさまざまな「朝鮮バッシング」が公的機関(制裁措置など)および民間で展開されていることの事例をあげています。なかでも、2007年に結成の「在日特権を許さない市民の会」は朝鮮人コミュニティに対する憎悪に満ちた発言や攻撃を繰り返し、その様子をインターネットの動画サイトに流していることを指摘。しかし、「日本にはヘイトスピーチ・ヘイトクライムを禁ずる法律がないため、これらの人種主義的暴言・暴行や団体は規制されず、野放し状態である」といった状況を指摘しています。
 
今回の文書が8月の人種差別撤廃委員会の会合で取り上げられ審査されれば、日本政府に対する何らかの質問が送られる可能性があります。
 
<参考>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2012/03/ngo227.html
「朝鮮学校の『高校無償化』排除は民族差別」-NGOが国連人種差別撤廃委員会に要請(2月27日)

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