1. TOP
  2. 資料館
  3. ニュース・イン・ブリーフ
  4. OECD多国籍企業ガイドラインの改訂

OECD多国籍企業ガイドラインの改訂

 5月25日、OECD50周年記念閣僚理事会の開催にあわせ、OECD加盟国およびOECD多国籍企業ガイドライン(行動指針)に参加する非加盟国代表は、このガイドラインの更新を採択しました。
   OECD多国籍企業ガイドラインは、1976年の「国際投資と多国籍企業に関するOECD宣言」に付随する文書として採択され、最近では2000年に改訂されていました。ガイドラインは、「多国籍企業に対して政府が共同して行う勧告」という位置づけで、企業に対して自主的に遵守するよう促すもので、拘束力はありません。
   2000年改訂版の行動指針では、人権に関して、一般方針の中で、「企業の活動によって影響を受ける人びとの人権を尊重」するよう求め、個別に情報開示、雇用および労使関係、環境、贈賄の防止、消費者利益、科学および技術、競争、課税の章を置いていました。
   2011年の改訂では、新たに人権の章をおき、より具体的な措置を勧告しています。その内容では、改訂作業が行われていた期間に国連の下で進められていたビジネスと人権に関する国連事務総長の特別代表による企業と人権に関する枠組みが参照され、企業にまず人権を尊重することを求め、自らの活動で人権の被害をもたらすことを防ぐだけでなく、取引関係による業務、製品やサービスに関連して起こる人権の侵害を防止し、緩和する方策を考えること、企業の規模、業務の内容や人権の侵害のリスクに応じてデュー・ディリジェンス(相当の注意)を払うよう勧告しています。
   2000年の改訂では、ガイドラインの実施の向上のためにナショナル・コンタクト・ポイント(NCP、各国連絡窓口)を設置し、ガイドラインに関する情報提供や実施に関する問題解決を行う手続を決めました。企業による人権の侵害、環境の被害などガイドライン違反の疑いがある場合、NGOなどがNCPに通報することができます。通報を受けたNCPは調査を行い、関係者と協議をし、その結果、ガイドラインの実施上の問題があったかどうか、解決に向けた合意が得られたかどうかなど、場合によっては勧告も含め報告が公表され、またその報告はOECD投資委員会に提出されます。
 しかし、NCPや投資委員会のガイドラインの解釈には法的拘束力はなく、今度の改訂でNCPを含めた実施の実効性について改善が行われなかったことをアムネスティ・インターナショナルなどは指摘しています。(6月1日)

出所:
OECD, 2011 Update of the OECD Guidelines for Multinational Enterprises, 25 May 2011 http://www.oecd.org/document/33/0,3746,en_2649_34889_44086753_1_1_1_1,00.html
OECD Guidelines for Multinational Enterprises http://www.oecd.org/document/28/0,3746,en_2649_34889_2397532_1_1_1_1,00.html
OECD Watch, Statement on the update of the OECD Guidelines for Multinational Enterprises “Improved content and scope, but procedural shortcomings remain” http://oecdwatch.org/publications-en/Publication_3675
Amnesty International, Public Statement, 23 May 2011, AI Index: IOR 30/001/2011
“The 2010-11 Update of the OECD Guidelines for Multinational Enterprises has come to an end: the OECD must now turn into effective implementation” http://www.amnesty.org/en/library/asset/IOR30/001/2011/en/6bcc9b85-9a89-4511-9712-a965ee267564/ior300012011en.html


To the page top