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7月1日に移住労働者権利条約が発効

 「全ての移住労働者及びその家族の権利保護に関する条約」(移住労働者権利条約)が、2003年7月1日付けで発効した。国際労働機関(ILO)、国際移住機構(IOM)、国連人権高等弁務官事務所、ユネスコでは、各代表者名による歓迎の共同声明を同日付で発表した。また、「国際移住者デー」にちなんで命名されているNGOの世界的なネットワーク「12月18日」など、世界各地のNGOも歓迎を表明している。
 1990年に採択された「移住労働者権利条約」は、法的地位(在留資格)に関わりなく、移住者は労働および経済的側面を超えて役割や責任を持った人間であるということを認めたうえで、市民的、経済的、政治的、社会的、および労働の権利に関わる保護の最低基準を設けている。
 同条約は、準備、斡旋、出国など移住のすべてのプロセスにおける、移住労働者に対する搾取を防止・撤廃することも目的としている。とりわけ、移住労働者の違法あるいは闇の斡旋や人身売買を終焉させるとともに、非正規あるいは未登録の状態で移住労働者を雇用することにブレーキをかけている。この条約はまた、登録および未登録の移住者の送出国と受入国の義務と責任に関して定めている。
 条約発効にあわせてユネスコが作成した情報冊子「移住者の権利に関する国連条約」(2003年7月1日)によると、「現在、世界で35人に1人は国を超えた移住者で、約1億7,500万人が、自国以外の国で生活している。これは世界人口の3%にあたり、ブラジルの人口に匹敵する数である。ほとんどすべての国が、送出し、中継、受入れ、それらのコンビネーションといったかたちで国際的な移住と関わっているのである。国際的移住は、グローバリゼーションと一体となって進行している」と報告している。
 6月末時点で、アゼルバイジャン、ベリーズ、ボリビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カーボ・ベルデ、コロンビア、エクアドル、エジプト、エル・サルバドル、ガーナ、グァテマラ、ギニア、マリ、メキシコ、モロッコ、フィリピン、セネガル、セイシェル、スリランカ、タジキスタン、ウガンダ、ウルグアイの22カ国が批准・加入している。
 以上の国々はいずれも移住者の送出国である。一方、約1億7,500万人のうち約1億人の移住者を受入れているヨーロッパおよび北米諸国は、まだどこも批准していない。アジアにおいても、日本やオーストラリア、湾岸諸国といった受入国も未批准である。
 日本では、「すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク」(RINK)をはじめとする「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」に加盟するNGOなどでは、条約発効を機に日本政府が「移住労働者権利条約」を批准することを求めるキャンペーンを開始している。


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