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セミナー「国際社会からみた日本の人権の未来~私たちの権利が知らないうちに失われないために」開催しました(1月12日)

 ヒューライツ大阪は1月12日、英国のエセックス大学人権センターフェローの藤田早苗さんを講師に招いて、セミナー「国際社会からみた日本の人権の未来~私たちの権利が知らないうちに失われないために」を開催しました。
2017年5月、表現の自由に関する国連特別報告者のデビッド・ケイ氏による日本への公式訪問の最終報告書が公表され、メディアの独立性や特定秘密保護法をめぐる問題などに関して懸念および勧告が世界に発信されました。また、同月、プライバシーの権利に関する国連特別報告者のジョセフ・カナタチ氏が、「共謀罪」の趣旨が盛り込まれた改定組織的犯罪処罰法案に関して、プライバシーや表現の自由が侵害される危険性を指摘する書簡を安倍首相に送りました。ところが、それらの警鐘に対して、日本政府は耳を傾けることなく、「特別報告者の見解は個人の資格で述べられるもので、人権理事会としての見解ではない」と2017年5月に閣議決定するなどして強く反発したのです。
この間、藤田さんは、ケイ氏による日本調査の実現に尽力するとともに、カナタチ氏に共謀罪に関する情報提供を行ってきました。
藤田さんは今回のセミナーで、世界人権宣言や自由権規約に規定されたプライバシーの権利、および表現の自由に関する国際人権基準に照らしたとき、特定秘密保護法や共謀罪がそれらの権利を侵害するおそれがあると指摘するとともに、特別報告者と日本政府とのやりとりをめぐる一連のいきさつを報告しました。
藤田さんは、特別報告者は国連人権理事会から任命され、国際人権基準に基づいて勧告を出していることから、基盤のない個人的な意見を述べているのではなく、国の人権に関する実施義務の指針となるものであると強調しました。藤田さんは、今後も国連の専門家とのネットワークを広げ、日本に国際人権基準が根付くよう国際世論を高めていくための活動を続けていくと述べました。
参加者は23名でした。
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【講 師】  藤田早苗(エセックス大学人権センターフェロー)
【日 時】  2018年 1月12日(金) 午後6時30分~8時30分
【場 所】  ヒューライツ大阪 セミナー室
 
※参照:ヒューライツ大阪ニュースレター『国際人権ひろば』 No.135(2017年9月発行号)
藤田早苗 「批判もする友人」としての国連特別報告者と日本政府