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CSRセミナー「マテリアリティはCSRを革新するのか」を開催しました(2月23日/3月6日)

 ヒューライツ大阪は2月23日(東京)と3月6日(大阪)に、CSRセミナー「マテリアリティはCSRを革新するのか~GRI、統合報告、SDGsをめぐって~」を、神戸CSR研究会と共催して開催しました。
 多くのCSRレポートで言及され、レポーティングのみならず、CSRのあり方自体にも深く関わるマテリアリティについて、GRI、統合報告、SDGsを踏まえながら、その本質から深く議論したこのセミナーには、東京会場38名、大阪会場56名の企業関係者などにご参加いただきました。

 國部克彦さん(神戸大学大学院経営学研究科教授)の「マテリアリティとCSRの本質」では、マテリアリティが本質的に持つ問題を回避するために、企業が自由にマテリアリティを決定できないように組織内にフィードバックプロセスとしてのステークホルダーエンゲージメントを確立して公共空間をつくり出すこと、CSRが経済価値に飲み込まれないように経済価値以外も含めた複数価値原理を導入すること、などが必要であるとされました。
 冨田秀実さん(ロイドレジスタージャパン株式会社取締役事業開発部門長)の「GRIスタンダードとマテリアリティの行方」では、非財務情報開示の歴史的経過やGRIスタンダードの概要などが解説されたあと、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)スタンダード、IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワーク、SASB(米国サステナビリティ会計基準審議会)などのマテリアリティ概念が比較検討され、今後のマテリアリティはどうあるべきかが議論されました。
 白石理(ヒューライツ大阪会長)の「国連ビジネスと人権フォーラムでの議論から」では、2016年11月の第5回国連ビジネスと人権フォーラムでのジョン・ラギー教授による基調講演でマテリアリティが言及されたことが紹介され、ビジネスと人権に関する指導原則の実施には、企業にとっての重要性(マテリアリティ)よりも人権尊重責任の重要性(マテリアリティ)が重要であり、そのことはひいては企業自身のためでもあることが語られました。
 会場との質疑応答でも多くのやりとりがなされ、この問題に対する関心の高さが改めて浮き彫りになりました。

【アンケートから】

  • 「大変勉強になりました。」
  • 「学生として参加しましたが、かなり分かりやすかったです。」
  • 「“CSRの本質”について、今まで受けてきたセミナーとは違った内容のお話を聞くことができ、原点にもどって考え直すべきと感じました。」
  • 「GRIスタンダードの求める報告が何であるかを改めて学び、報告の内容を再検討しなければと思っています。」
  • 「大変参考になりました。情報開示にあたり新たに検討事項が出てきました。」
  • 「責任のお話はやや難解でした。しかしながら興味深かったです。」
  • 「改めてマテリアリティの定義の課題が確認できました。」
  • 「マテリアリティに関して、考えるべき論点が整理されていてよかったです。GRIスタンダードの概要やラギー氏の論点もあり、多角的に考えることができました。」
  • 「GRIスタンダード、マテリアリティについて前提になる知識が不十分でしたが、大変分かりやすい内容でした。」
  • 「「人権」と「ビジネス」の両立が欠かせないと感じたセミナーでした。レポーティングにはあまり「人権」の取り組みがなかったので、今後の自社の課題にしたいと思いました。」

東京会場のようす

大阪会場のようす