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持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)

概要

 2015年9月に国連持続可能な開発サミット(国連総会)で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。そこに含まれるSDGs(持続可能な開発目標)の17目標・169ターゲットの達成に向けて、世界でも国内でもさまざまな取り組みが進められています。
 17目標・169ターゲットには、貧困、飢餓、保健、教育、ジェンダー、労働、水、生産と消費、エネルギー、気候変動など、世界が直面する課題が含まれていますが、これらはどれも「人が生きること」と関連しており、人権尊重の考え方がベースにあります。「2030アジェンダ」の冒頭にある「誰一人取り残さない」はそれを象徴しています。
 「2030アジェンダ」には世界人権宣言など人権への言及も多く含まれていますが、企業に関しては、「2030アジェンダ」のパラグラフ67にまとまった記述があり、そこでは「ビジネスと人権に関する指導原則」の遵守も求められています。

関連リンク

  • (1) 我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(外務省仮訳)
  • (2) Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development
(1)

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原文にみるキーワード

■「誰一人取り残さない」
「この偉大な共同の旅に乗り出すにあたり、我々は誰も取り残されないことを誓う。人々の尊厳は基本的なものであるとの認識の下に、目標とターゲットがすべての国、すべての人々及び社会のすべての部分で満たされることを望む。そして我々は、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する。」(「2030アジェンダ」パラグラフ4)

■「世界人権宣言」
「我々は、世界人権宣言及びその他の人権に関する国際文書並びに国際法の重要性を確認する。我々は、すべての国が国連憲章に則り、人種、肌の色、性別、言語、宗教、政治若しくは信条、国籍若しくは社会的出自、貧富、出生、障害等の違いに関係なく、すべての人の人権と基本的な自由を尊重、保護及び促進する責任を有することを強調する。」(「2030アジェンダ」パラグラフ19)

■「ビジネスと人権に関する指導原則」
「民間企業の活動、投資、イノベーションは、生産性を高め、包摂的な経済成長と雇用創出を進める重要な要因である。我々は、小企業から協同組合、多国籍企業までを含めた民間セクターの多様性を認識している。我々は、すべての企業に対し、持続可能な開発における課題解決のために創造性とイノベーションを発揮することを求める。我々は、ビジネスと人権に関する指導原則、ILOの労働基準、子どもの権利条約、及び多国間の主要な環境関連協定等の締約国において、これらの国際的な基準、協定や関連する取り組みに従って労働者の権利や環境、保健に関する基準を遵守しながらダイナミックかつ十分に機能する企業セクターを促進する。」(「2030アジェンダ」パラグラフ67)

他の文書での言及

■「SDGコンパス-SDGsの企業行動指針」
「企業の規模、業種、操業地域にかかわらず、すべての企業が関連法を遵守し、国際的に定められた最低基準を維持し、普遍的な権利を尊重する責任を有するという認識の上にSDGコンパスは成り立っている。/国連グローバル・コンパクトの人権原則に組み込まれ、国連ビジネスと人権に関する指導原則で再確認され、精緻化されたように、企業が人権を尊重することは、企業が人権の支持または促進に尽力することとはまったく別のものである。すべての企業に期待されていることの基本は、人権侵害を回避すること、つまり、自らの活動を通じて関与した、あるいは取引関係の結果として関与したいかなる人権への危害にも対処することである。このことの責任は、人権を促進しようとするどのような尽力とも、あるいは持続可能な開発を進めるどのような尽力とも、相殺することはできない。」

■「UNGPs10+ビジネスと人権の次の10年に向けたロードマップ」
「企業がすべきこと:人権デュー・ディリジェンスを企業のSDGsへの取り組みに統合すること。その際に、最も深刻な影響を優先して行動を起こすこと、および、自社が引き起こしかねない影響だけでなく、その取引関係を通じて関与するおそれのある影響にも配慮することを含めること。」(GCNJ仮訳)

「企業が与える影響とパフォーマンスの追跡評価を進捗させること:この課題は、SDGsと企業の人権尊重との間の関係、すなわち、どの企業も人々に対する潜在的および実際的な負の影響に取り組む責任を果たすことにより、SDGs達成に貢献できるという事実が幅広く理解されていないことによっても、さらに困難を極めています。」(GCNJ仮訳)

■「SDGsを企業報告に統合するための実践ガイド」
チェリーピッキング」とは、最も優先順位の高いものではなく、企業にとって最も簡単なものに基づいてSDGsのゴールとターゲットを選択することである。「SDGsウォッシュ」とは、グローバル目標であるSDGsへの積極的な貢献のみを報告し、重大な負のインパクトを無視することを意味する。楽に勝つことと利益を創出することは首尾一貫した戦略の一部ではあろうが、一方で、企業が業務やバリューチェーンと関わりのある優先的なSDGsターゲットの全範囲を特定し、行動することも不可欠である」(IGES訳)


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