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日本政府、「育成就労制度」をめぐる「現代的形態の奴隷制に関する特別報告者」らによる共同書簡に対し回答を送付(4/20)

 「技能実習制度」に代わり20274月から始まる「育成就労制度」をめぐり、国連人権理事会に任命された「現代的形態の奴隷制に関する特別報告者」、「人身取引に関する特別報告者」、「移住者の人権に関する特別報告者」、「ビジネスと人権作業部会」の4者は日本政府に対して共同書簡(202617日付)を発出していました(共同書簡についての詳細はこちら)。

 共同書簡では、外国人労働者が送出機関に支払う斡旋手数料や転籍制限などへの懸念を示し、7項目にわたる質問への回答を日本政府に求めていました。これに対し、日本政府は2026420日付で回答を送付しました。

 共同書簡に示された日本政府に対する質問と、それに対する日本政府の回答の要旨は以下の通りです。


日本政府に対する質問(要旨)

日本政府の回答(要旨)

1

書簡が指摘している懸念に関する追加情報やコメント

質問27の回答に含まれる。

2

「育成就労法」施行規則では、労働者が送出機関に支払う全費用は月給の2か月分を超えてはならないとされているが、ILO29号(強制労働条約)および同181号(民間職業仲介事業所条約)などの国際基準に沿うようどのように取り組んでいるのか。また、送出国の実態を踏まえた上で、斡旋手数料に関する基準を段階的に厳しくする意向の有無について。

送出国における送出機関が徴収する手数料等についてILO181号が締約国に対して執行管轄権を超える義務を課しているとは考えていない。

国内措置として、育成就労法は、監理支援機関が育成就労外国人から手数料を徴収することを禁止している。

3

労働者の意向による職場の転籍について、産業分野ごとに1年以上2年以下の範囲内と定められ、転籍元の企業が育成就労を行わせた期間が16ヵ月未満の場合、取次ぎ及び育成に係る費用として法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める金額の5/6を、転籍先の企業が支払うこととされている。

この現行の厳しい適格要件および転籍先に多大な費用負担が課せられているなか、労働者の転籍が実質的に可能だと考える理由の説明。

育成就労制度は、技能実習制度と同様に、暴力やパワハラを含む人権侵害を受けた場合など、やむを得ない事情がある場合には転籍が認められるほか、一定の要件のもとで、本人意向による転籍も認められる。

本人意向による転籍については以下の要件が課される。

  • 一定水準の技能および日本語能力の取得
  • 直近で雇用されていた育成就労実施者のもとで、転籍が制限される期間として1年から2年の間、引き続き育成就労に従事しなければならない。
  • 育成就労外国人は、転籍時に民間職業紹介事業者から職業紹介を受けてはならない。
  • 転籍先の育成就労実施者は、適正な実施者でなければならない。
  • 本人の希望により他の実施者に転籍した育成就労外国人の割合は、当該実施者が雇用する育成就労外国人総数に対して一定の上限内に収まっていなければならない。
  • 転籍先の実施者は、転籍元の実施者に対して所定の金額を支払わなければならない。

これらの要件は、外国人労働者の権利をより適切に保護し、その技能を適切に育成するために設けられている。

4

育成就労3年間、特定技能5年間で、合計8年間も家族同伴ができないことについて、家族の再統合の権利から説明を求めるとともに、将来的に見直すかどうかを示すこと。

家族帯同を認めるか否かについては、本人の家族扶養能力や家族受入れに伴う社会的コスト等を考慮しつつ慎重に検討すべき事項。有識者会議の議論を踏まえ、育成就労外国人および特定技能1号外国人については家族帯同を認めないこととした。

5

季節性のある分野(農業・漁業分野)における労働者派遣型の就労における、安定した労働条件と効果的な監視メカニズムについての説明。

季節性分野における労働者派遣形態による育成就労は、「労働者派遣法」その他の法令に基づき許可を受けた事業者に限って認められる。

通常と同様に、実施者は育成就労計画を作成して認定を受けること、および監理支援機関による監査を受けることが求められる。加えて、実施者となる派遣元事業者および派遣先事業者の数ならびに当該実施者のもとで就労可能な育成就労外国人について、適切な上限を設定している。

6

労働者の受入企業に対して指導・監督・支援を行う監理支援機関の独立性・中立性を担保するための措置について。

個人情報の管理および入国後講習の実施に関する業務を除き、監理支援機関の職員は、密接な関係を有する実施者に対する監理支援業務に従事することは認められていない。

監理支援機関の中立性および独立性を確保するため、監理支援機関には外部監査人の選任が義務付けられている。
7

司法や救済へのアクセス、たとえば国および地方レベル、受入機関(企業)内、民間セクターにおける救済について、現在実施している措置、および追加計画についての説明。

技能実習制度のもとでは、外国人技能実習機構(OTIT)が8言語による母語相談窓口を設置しているほか、電話やメールに加えてウェブ会議などの活用により、幅広い相談に対応する体制を整備している。

さらに実施者には生活指導員の配置が義務付けられており、監理団体には実習生の母語で相談対応できる体制の整備が義務付けられている。

特定技能制度のもとでは、受入機関または登録支援機関は、特定技能外国人(1号)に対して、労働関係法令違反があった場合の対応に関する相談を含む支援を提供する義務を負っている。


出典:

RESPONSE OF THE GOVERNMENT OF JAPAN TO THE JOINT COMMUNICATION FROM THE SPECIAL PROCEDURES OF 7 January 2026(202617日付特別手続からの共同書感に対する日本政府による回答)

https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadFile?gId=39675 (英語)

日本政府回答の仮訳(ヒューライツ大阪)PDF

(2026年05月26日 掲載)