国連人権理事会が任命している「現代的形態の奴隷制に関する特別報告者」「人身取引に関する特別報告者」、「移住者の人権に関する特別報告者」、「ビジネスと人権作業部会」の4者が連名で、2026年1月7日付で、「技能実習制度」に代わり2027年4月から始まる「育成就労制度」に関して、日本政府に書簡を送付しました。
書簡は、労働者が送出機関に支払う斡旋手数料、労働者の転籍、家族同伴の禁止、農漁業など季節性のある派遣型就労、監理支援機関の独立性などをめぐり懸念を列挙したうえで、以下の7項目について、日本政府に見解を求めています。
1. 書簡が指摘している懸念に関する追加情報やコメント。
2. 「育成就労法」施行規則では、労働者が送出機関に支払う全費用は月給の2か月分を超えてはならないとされているが、ILO第29号(強制労働条約)および同181号(民間職業仲介事業所条約)などの国際基準に沿うようどのように取り組んでいるのか。また、送出国の慣行を踏まえ、斡旋手数料に関する基準を段階的に厳しくする意向の有無について。
3.労働者の意向による職場の転籍の場合、労働者の転籍制限期間は、産業分野ごとに1年以上2年以下の範囲内と定められているが、転籍元の企業が育成就労を行わせた期間が1年6ヵ月未満の場合、取次ぎ及び育成に係る費用として法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める金額の5/6を、転籍先の企業が支払うこととされている。
そのように、転籍先に多大な費用負担が課せられているなか、労働者の転籍が実質的に可能だと考える理由の説明。
4.育成就労3年間、特定技能5年間で、合計8年間も家族同伴ができないことについて、家族の再統合の権利から説明を求めるとともに、将来的に見直すかどうかを示すこと。
5. 季節性のある分野(農業・漁業分野)における労働者派遣型の就労における、安定した労働条件と効果的な監視メカニズムについての説明
6. 労働者の受入企業に対して指導・監督・支援を行う監理支援機関の独立性・中立性を担保するための措置について。
7.司法や救済へのアクセス、たとえば国および地方レベル、受入機関(企業)内、民間セクターにおける救済について、現在実施している措置、および追加計画についての説明。
以上の質問に対して日本政府から受け取る返信は、48時間後に国連のウェブサイトに掲載するとともに、人権理事会に提出される通常の報告書に盛り込まれ、公開予定であると書簡は述べています。
<出典>
https://spcommreports.ohchr.org/TMResultsBase/DownLoadPublicCommunicationFile?gId=30626
Mandates of the Special Rapporteur on contemporary forms of slavery, including its causes and consequences; the Working Group on the issue of human rights and transnational corporations and other business enterprises; the Special Rapporteur on the human rights of migrants and the Special Rapporteur on trafficking in persons, especially women and children (7 January 2026)
(2026年01月29日 掲載)