ミャンマーの連邦議会で4月10日に新政権の宣誓式が行われ、2021年のクーデターを主導した軍の前総司令官のミンアウンフライン氏が大統領に就任したことを受けて、メコン・ウォッチやアーユス仏教国際協力ネットワークなど6団体が呼びかけ、26の市民社会組織が賛同した要請書「ミャンマー軍主導の新体制の非承認と同国における武力紛争解決のための具体的な支援を求めます」を、4月27日に日本政府(外務省と内閣府)に提出しました。ヒューライツ大阪も賛同しています。
要請書は、2025年12月から2026年1月にかけてミャンマーで行われた上下院議員の「選挙」は、ミャンマー軍が表面上の民政移管を通じて自らの支配を正当化させるために実施したもので、自由で公正な選挙からはほど遠いものだったと断じています。
2025年12月1日時点で、ミャンマー軍政によって子どもを含む約7,503名が殺害され、22,000名以上が不当に拘束されている状況下で「見せかけの選挙」が行われた、と要請書は指摘しています。
2026年2月~3月の国連人権理事会では、ミャンマー軍政を非難する決議が採択されました。
クーデター直後、アセアン(ASEAN)はミャンマーとのあいだで、「暴力の即時停止」「対話の開始」「特使の派遣」「人道支援の実施」「特使のミャンマー訪問」という5項目の合意を確認したものの、いまだにミャンマー軍政は履行していません。しかし、今回の選挙に際して、カンボジアとベトナムは選挙監視団を派遣し、タイは「新大統領」就任に祝意を表明したと報じられています。一方、2026年のアセアン議長国のフィリピンは、1月に開催されたアセアン非公式外相会談において、現段階でアセアンは選挙を承認していないと明言しています。
要請書は、アセアンの足並みは揃っていないことから、長年にわたりアセアン諸国と良好な関係にある日本に対して、以下の行動をとるよう要請しています。
・選挙結果に基づいて発足したと主張するミャンマーの見せかけの政府を、同国の正当な政府として承認しないと国際社会に表明すること
・ASEAN各国に対し、ミャンマーの見せかけの政府を同国の正当な政府として承認しないよう働きかけること
・ASEANの5つのコンセンサスで求められている暴力の停止を確実にするため、ASEANと協力すること
・ミャンマー軍に対し、ASEANの5つのコンセンサスを迅速かつ効果的に実施するよう強く求めること
・すべての国に対し、国連決議を遵守し、ミャンマーへの武器・弾薬・軍事装備の移転および流用を停止するよう求めること
・ミャンマーと日本の市民社会を通した人道支援を強化すること
加えて、説得力を持ってこれらの行動を国際的にリードするためには、日本政府自身もミャンマー軍のビジネスと関係するODA事業や公的資金を供与する事業を直ちに停止する必要があること、と要請書は結んでいます。
<要請書>
https://www.mekongwatch.org/PDF/rq_20260427.pdf
ミャンマー軍主導の新体制の非承認と 同国における武力紛争解決のための具体的な支援を求めます (2026年4月27日 メコン・ウォッチ)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2025/10/180106.html
メコン・ウォッチなど国内外の約180の市民社会組織が連名で、ミャンマー軍政の総選挙計画をめぐり、民主化を求める人々への支援を日本政府に求める要請書を提出(2025.10.6 ニュース・イン・ブリーフ)
(2026年04月28日 掲載)