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国連人種差別撤廃委員会、日本に関する総括所見を公表-ヘイトスピーチ対策など多数の勧告(8月30日)

 国連人種差別撤廃委員会は8月30日、日本の人種差別撤廃条約の実施状況に関する総括所見(最終見解)をウェブサイトなどに公表しました。8月16日と17日に日本政府代表団が出席した定期審査を受けてまとめられたものです。審査はこれまで2001年、2010年、2014年に行われていました。
 今回の所見は、日本が2016年のヘイトスピーチ解消法部落差別解消推進法、および2017年の技能実習法などの立法措置を評価する一方、多岐にわたる課題に関して懸念と勧告を述べています。
 ヘイトスピーチに関しては、委員会は前回の総括所見において法規制を勧告していました。今回の審査では、「ヘイトスピーチは許されない」という理念法だけでは効力は限定的だという指摘が多くの委員から出されていました。今回の勧告では、法律を改正して、保護対象を現行の外国出身者以外にも広げること、およびヘイトクライムを含む人種差別の禁止に関する包括的な法整備をするよう求めています。また、ヘイトスピーチや暴力の扇動を禁止し、加害者を処罰すること、およびインターネット上でのヘイトスピーチに対しても効果的対策をとるよう勧告しています。さらに、司法部門で差別犯罪の捜査や処罰について研修を行うよう促しています。
「慰安婦」問題に関して、委員会は2015年の日韓合意など日本政府の最近の解決努力を認めつつ、「被害者中心のアプローチを伴っていない」と懸念し、生存する「慰安婦」とその家族への十分な施策を含む問題解決に向けた今後の努力についての詳細情報を求めています。
 部落民(被差別部落出身者)の状況に関して、日本政府は条約締結時から部落差別は適用対象外としていますが、勧告は、部落民に対する差別を「世系」(人種差別の定義を述べた条約第1条の条文にあるdescent。社会的出身に基づく差別で、日本国憲法第14条の「門地」にあたる)に基づく差別と認めるよう促し、次回定期報告書において、部落差別解消推進法を履行するためにとられた措置と影響について情報提供を求めています。
 移住者・移住労働者に関して複数の勧告が出されました。なかでも、外国人技能実習制度に関して、政府の監視による技能実習法の遵守求め、1年以内に委員会への勧告の実施に関する情報提供を要請しています。
 また、在日コリアンをはじめとする外国人が、何世代にもわたり日本在住であっても地方参政権もなく、地方公務員の管理職に就けないという差別的な状態にあることに懸念を表明し、参画を可能にするよう勧告しました。
 朝鮮学校が高校就学支援金制度の対象外となっていることに懸念を表明し、同校の生徒たちが差別されることなく教育機会が保障されるよう要請しています。
 勧告には法的拘束力はないとされていますが、条約の締約国である日本政府が真摯に履行することが求められています。

人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)による総括所見の仮訳 2018CERD日本審査総括所見(仮訳).pdf
*CERDのConcluding observations英文ファイル 
CERD Concluding observations on Japan (advance version).pdf


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