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タイ・スタデイツアーに参加して

滋賀県 山本勇造

  何気なく手に取ったパンレットを見ると、申し込み期限が近づいていて「年齢・経験・専門等問いません」「タイについて関心のある方歓迎」との文句に心引かれてすぐに申し込みメールを送りました。
  こうした軽いきっかけから、その一ページが始まりました。
  タイに関しての予備知識は、全く無く、せいぜい新聞記事で見た「クーデター」の言葉ぐらいでまったくの無知な私が参加することになったのです。
  ツアーの事前打ち合わせで参加者との初顔合わせとなりました。ヒューライツの前川さん、三重の界外さんと私の三人という家庭的雰囲気でスタートすることになりました。
  今回のタイ・スタデイツアーは、バンコク・カンチャナブリ・スコタイ・メーソットの地を訪れました。その目的は、ミャンマー難民問題、都市スラム問題、少数民族問題について学ぶことにありました。
  いずれも初めての土地であり、その問題についても初耳なことばかりで、いかに日頃無関心でいたのか、また、他人事としてこうした諸問題に対して意識を向けてこなかった自分がいたことを痛感させられました。
  今回のツアーで特に印象にあるものについて感想を述べさせていただく前にまず、敬意を表したいことがあります。
  それは、今回現地でお世話・案内をいただいた日本のNGOのSVA(シャンテイ国際ボランテイア会)、タイのNGO(プラテイープ財団)で働く日本人職員さんの存在です。
  それぞれ皆さんの志・熱意・があってなるべくして今の仕事をされていると思いますが、また、今回短い時間の中、お出会いさせていただいて感じたことは、まず、熱意持って取り組んでおられること。最近、こうしたことを感じることが少ない中、逆に新鮮だったのかも知れませんが、本当にそれぞれ輝き素敵な方々でした。こうした魅力ある方が、このタイの地で活躍されていることに心から拍手を送りたいと思います。
  では、今回ツアーで印象に特に残っていることを二・三挙げたいと思います。
  まず、カンチャナブリの「生き直しの学校」です。虐待・家庭崩壊等で傷ついた少女たちが共同生活しています。ここに来るまでは、ひとつの先入感がありました。暗い、きつい、心身の傷を持った子ども達だろうと。
  到着すると同時に、みんながこぞって出迎えてくれ、はじめにダンスを数曲、笑顔で踊ってくれました。明るい顔、輝く瞳がたくさん感じられたことは、先の先入観を打ち砕いてくれました。また、子どものダンスを見ていてつい、体が動き出してしまい、一緒に踊ろうと誘いの手招きを受け、結局三人ともみんなの仲に入り踊ってしまいました。癒されたのは、私たちだったと思います。

  次に、メーソットのミャンマー難民キャンプは、国境沿いの山岳にある「ウンピアムマイキャンプ」を訪れました。難民としての歴史背景・情勢は、また別の機会にとして、現実にこの不便な山間に居住し、国連から最低限の物資を配給受けている約二万人の方々が様々なNGOから支援を受けている中、見学させていただいたのは図書館でした。
  ここは絵本との関わりを通して、教育支援を住民の参画の下に取り組まれていて、当日は、絵本の読み聞かせに参加しました。教育も決して十分ではない中、絵本の読み聞かせが始まったら、何と子ども達は、まさに食い入るように話に聞き入っていました。その姿は、もう日本では見られない風景であるように思えました。厳しいキャンプ生活の中にあって、子どもたちの夢は、自己欲望では無く、親・兄弟・民族のことを決して忘れることなく、すごいなーと感心させられてしまいました。

  最後に、「バンコク・クロントイスラム」は、国策のゆがみから生じた経済的弱者の町です。タイのNGOドウアン・プラチープ財団を訪問しました。地区内を歩いて案内をいただいた。狭い路地を挟んでバラック風建物が乱立している。排水が悪い、まさに粗悪な環境下に置かれています。しかし、すれ違う方々は、なぜか明るく感じられて、私は写真撮影の被写体を人々の顔を中心にシャッターを押していました。経済・環境等低位な状況におかれているけれど「心は錦」なんだと感じた次第です。国民性とも言われるのかもしれませんが、穏やかさ・優しさを感じたのは、どうしてでしょう?
  厳しい生活だからこそ、いかに生きるべきなのか、何が大事なのか、その笑顔の中に答えがあるのでふぁ無いでしょうか。
  そして、この地・この人のことを語らずには終われません。財団設立者のプラチープ・ウンソンタム・秦さん。教育を核にこれまですごい情熱で地区の生活向上に取り組まれていています。このスラムに生まれたからこそ、何が必要か、また、その実現に向けて今も元気に活躍されています。最終日には夕食をご一緒することができました。
  小柄で笑顔の可愛い彼女からは、過去の貧困とのすごい戦いがあったことを想像すらできません。真の穏やかな人柄は、こうした過去のつらかった時代の積み上げを越えて来たからこそ生まれてくるものなのでしょう。
  まさに「小さな巨人」これからの活躍を記念しながら別れのハグをしてバンコクを後にしました。
  今回は、思い付きで参加させていただきましたが、現地の方と直に接する中で、生きる上で大切なこと・人として関わることの大切さ・社会に目を向けること・全てがつながっていることをダイレクトに見聞をさせていただく機会を与えていただいたことに末尾ながらお礼申し上げます。