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ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

第4回じんけんカタリバ「国際社会からみた日本を知る」を開催しました(6月19日)

 ヒューライツ大阪は619日、一時帰国中の英国のエセックス大学人権センターの藤田早苗さんを講師に招いて、第4回じんけんカタリバ「国際社会からみた日本を知る―メディア・ジェンダー・貧困」を開催しました。藤田さんがヒューライツ大阪で同様のテーマで報告したのは20181月のセミナー以来のことです。参加者は30人でした。 

藤田さんは、ヒューライツ大阪が編集した『人権ってなんだろう?』(解放出版社、201812月)を紹介しながら、人権とは何かについて説明し、人権理事会をはじめとする国連における人権保障メカニズムに関して具体的な人権課題をあげながら解説しました。

藤田さんは、20175月に表現の自由に関する国連特別報告者のデビッド・ケイ氏の日本への公式訪問の実現に尽力するとともに、日本での調査に協力しました。また、同月にプライバシーの権利に関する国連特別報告者のジョセフ・カナタチ氏が、「共謀罪」の趣旨が盛り込まれた改定組織的犯罪処罰法案に関して、プライバシーや表現の自由が侵害される危険性を指摘した書簡を安倍首相に送るに際して、同氏にさまざまな情報提供をしました。

国連特別報告者の報告や提言に対して、日本政府は抗議を表明したり、「特別報告者の見解は個人の資格で述べられるもので、国連またはその機関である人権理事会としての見解ではないと認識する」といった閣議決定を行うなどしてまったく受け入れようとしなかった、と藤田さんは日本政府の姿勢を疑問視しました。

また、日本政府が201810月から予定していた生活保護費引き下げに対して、「極度の貧困に関する国連特別報告者」をはじめとする4人の特別報告者が見直しを求める共同声明を出したこと、さらに「有害物質および廃棄物の管理と処分に関する特別報告者」らが2018年に特に女性や子どもの福島原発事故後の避難者の帰還について、および除染作業員の安全対策に関して声明を出したにもかかわらず、日本政府は真摯に受け止めていない、と藤田さんは指摘しました。

デビッド・ケイ特別報告者は、国連人権理事会で625日、日本訪問のフォローアップ報告を行う予定です。報告書によると、日本に11項目の勧告が出されているうち「不履行」が9、「情報不足」1、「部分的に履行」が1と評価されています。

「国連特別報告者は、すべての人々にとって友人のような立場にあり、必要な時は批判もしなければならない」というカナタチ特別報告者の言葉を引用し、日本は友人の勧告にしっかり耳を傾けてはどうか、と藤田さんは強調しました。

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