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ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

第2回大人の遠足<靴職人と「口職人」が伝える皮革のものづくりの歴史と文化>に行きました。

 2012年11月10日、3回シリーズの「大人の遠足」の第2回を実施しました。大阪環状線の芦原橋駅前に事務所をかまえる「あとりえ西濱」の代表、太田恭治さんの案内で、かつて「西濱」と呼ばれた浪速の町の「人権・太鼓ロード」を歩きながら、皮革産業と結び付いてきた町の歴史、この産業に従事した人たちが差別されてきたことなど人権の視点で学びました。「口職人」というだけあって、太田さんは、軽妙な語り口で、江戸時代からの変遷、戦争中の米軍による空爆、そして同和対策事業で設置された施設が次々閉鎖されていく現状を説明していただきました。

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 浪速玉姫公園にあるからくり時計は、昼は3時に動きます。太田さんの熱い語りに、到着時間がぎりぎりになり、参加者は全員が走って、無事に太鼓のからくり人形を見ることができました。

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フィールドワークの後半は、滋賀の近江八幡で60年近く手縫いで革靴を作ってこられた織田悟さんには、靴作りの行程を実演していただきました。太田さんが、皮革の伝統を絶やさずつないでいこうと「あとりえ西濱」を2009年に立ち上げた時、織田悟さんに声がかかりました。織田さんの手を見れば、厳しい仕事であったことは容易に想像できます。参加者は、熟練した職人技を間近に見るチャンスにもなり、いろんな質問が出ました。「あとりえ西濱」では、手作りの革靴の注文を受けるとともに、後継者を育てることにも力を入れています。訪問したときも、他の地域からきた修行中の若者が織田さんの作業を熱心に見ていました。

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 今回のプログラム終了後の希望者による交流会メニューは、「絶品あぶらかすはりはり鍋」でした。あぶらかすは、牛の小腸からヘッドをとった残りを加工したもので、被差別部落の食文化として知られています。初めて食べた人が大半でしたが、みず菜と厳選されたあぶらかすとのコラボが想像以上のおいしさであると感激していました。急な参加キャンセルのため関係者を含め参加数は、20人足らずでしたが、フィールドワーク、実演、交流会の準備とフル活躍してくださった「あとりえ西濱」のみなさんのおかげで中味の濃いプログラムになりました。

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※次回の大人の遠足第3回は、12月16日(日)「刑罰として人の命を奪うことー京の刑場跡を歩いて考える」です。定員を超えたので、参加申込は締切りました。ご了承ください。