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用語の説明

条約の締約国

 さて、国連で採択された主な31の国際人権条約のうち、日本が批准・加入をしているのは14条約です。条約が成立し、ある国がその「締約国」となるには、次のような手続きがあります

採択・・・各国代表者が集まって話し合い、国際条約の内容に合意し、調印すること。 人権条約の場合、国連総会の決議で、条約案を採用します。

署名・・・条約の内容が確定したとき、国家の代表者が、条約の趣旨や内容を公式に確認し、基本的な同意を表明することを指し、その証拠として「記名」します。なお、条約の内容は、署名によって確定し、それ以降は修正することはできません。

批准・・・国が、署名した条約について、その条約に拘束されること(そこに書かれた内容を守ること)への同意を最終的に表明すること。その手続きは、各国の憲法の規定に従って行われます。日本では国会の承認が必要です。加入・・・条約に参加する一形式。すでに効力が発生している条約に対して、後から条約に拘束されること

 さて、批准・加入によって、ある「人権条約」の締約国となるというのは、どのような意味があるのでしょうか。
 国際人権条約は、二国間で結ばれるような条約(たとえば日米安保条約)とは違う性質を持っています。二国間条約では、当事国だけが拘束され、それ以外の第三者は無関係です。しかし国際人権条約は多国間条約で、国際社会全体で尊重されるべき、いわば人権の「グローバル・スタンダード」です。国際人権条約の締約国となることは、その国の政府が、「自国の国民と、自国領域内に住むすべての人に、その条約にもりこまれている諸権利を保障すること」を国際社会に約束することを意味します。 たとえば、日本は自由権規約を批准していますが、このことは、日本が日本の領域内にいるすべての人に、この基準を適用するということを、この条約の締約国になっているすべての国々に対して約束していることと同じです。

このページは、阿久澤麻理子・金子匡良『人権ってなに? Q&A』解放出版社 2006年を元に作成。

(阿久澤麻理子)