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用語の説明

障害者権利条約

障害者権利条約とは? 基礎の基礎 

◎はじめに~「障害者権利条約」と聞いて、難しそうだと思うあなたへ~
 
 障害者権利条約のこと、ご存じですか? 今このサイトを見てくださっている方は、「聞いたことあるけど、中身はよく知らない」という方が多いのではないかと思います。
 日本政府は2014年1月、ついに「障害者権利条約」に批准しました。(批准=「条約の内容に見合う国内法を整備したり、他の必要な措置をとって実施していくことを国際社会に約束した」)。とはいえ、そのニュースはテレビや新聞でもほとんど報道されていません。まだまだ知られていないし、知っていても自分には関係ないと感じる人も多いでしょう。条約を批准したからといって、障害のある人が日常感じている暮らしにくさ(街の中の段差、偏見、無理解など)が急に変わるわけではない。「批准? だから何なの?」という声があるのは当然のことです。
 このサイトは、「障害者権利条約」のことを多くの人に知ってもらいたい、とりわけ障害のある人、関わりのある人(支援者、仕事や活動で関わっている人、家族など)にはぜひ知ってもらいたいという動機から作られています。 なぜなら、条約について知ることで勇気づけられることが(きっと)あるし、たくさんの人が知ることこそ現実を変えていく力になると思うからです。

crpd.jpg 国連アドホック委員会での政府代表団 

→ 「3 なぜ障害者権利条約ができるのは遅かった(2006年)のか?」を参照。

(文:松波 めぐみ 監修:金 政玉)

  • 1 どんな条約ですか? また 「障害者の権利」って何でしょうか?
    •  障害者権利条約とは、どんな条約でしょうか。いろんな説明の仕方がありえます。ここでは次のように言ってみます。

      *************************************************************************************
      ・ 「障害のある人を、”保護の対象”から、”権利の主体”へ転換することを宣言するもの」

      ・ 「障害のある人が、障害のない人と同等に、社会のあらゆる場面に参加して尊厳をもって生きていけるように、『社会』の方(制度や物理的環境、価値観など)を変えていこうという考え方」(*)に基づいて、すべての人が享受すべき(しかし障害者が享受できていない)権利について具体的に書かれているもの」
      *************************************************************************************

      (*)この考え方を「障害の社会モデル」といいます→「4 障害の社会モデルって?」

       一つめは、障害者といえば「誰かに保護される人」「福祉サービスを受ける人」という日本社会に根強いイメージに対して、転換を迫るものです。障害のある人は、何かをしてあげる対象ではなく、一人の人間として権利をもっている。その当たり前のことを確認しています。

       二つ目は、障害のある人が平等な権利を守られるようにするには、「社会」のあり方を変えていく必要がある、という明確な価値観がベースにあることを示しています。

       そして、障害者権利条約というからには、具体的な「障害者の権利」がたくさん書かれているのですが、それは「障害者だけに与えられる権利」という意味ではありません。「誰もがもっているはずなのに、実際には障害者がほとんどもつことができなかった権利」は何なのかを明らかにして、それを「実現すべき権利」として、いわば一覧表にしたものが権利条約なのです。

      *どんな「権利」があるかは、「5 いったい何が『障害者の権利』なの」も参照。


       「障害者がほとんどもつことができなかった権利」とはどういうものだと思いますか?
       たとえば、重度障害があって介護が必要な人は、本人の希望とかかわりなく、自宅から遠く離れた施設に入所させられてきました。一般に、これは「仕方がないこと」と思われて、「地域で生きる権利を侵害されている」とはみなされませんでした。しかし障害者権利条約第19条(地域で暮らす権利)に照らせば、これは権利侵害なのです。「地域で暮らす」ということは、障害のない人にとっては当たり前すぎて、「権利」だと意識する必要もないことでした。しかし、障害者にはそれが叶わないことで、社会参加の権利を根こそぎ奪われてきました。そこで声をあげて運動をはじめた障害者が存在し、障害者自身による何十年もの運動を経て、「地域で生きること」が人間の「権利」として定められるようになったのです。

       同じように、聴覚障害者が(手話通訳や文字を通して)必要な情報を受け取る権利も、車いす利用者が公共交通機関を使って移動する権利も、かつては「権利」とは考えられていなかったものです。このように見ていくと、これらは何も「障害者だけの特権」などではないことがわかると思います。

       現にさまざまな権利を奪われている人がいるからこそ、その不平等を是正するために、「障害の有無にかかわらず、すべての人が平等に守られるべき権利」を定めたというわけです。
  • 2 障害者権利条約の本文が読みたいんだけど?
    •  障害者権利条約の全文(政府の公定訳)は、ウェブサイト上で簡単に読めます(→ 外務省HP 2014年1月30日 http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000899.html)。しかし文章はやはりかたく、決して読みやすいとはいえません。

       批准する前から、障害者団体であるJDF(日本障害フォーラム)が公表していたものが参考になります。
      → http://www.normanet.ne.jp/~jdf/shiryo/convention/30May2008CRPDtranslation_into_Japanese.html
      (この仮訳の一部を論文等で引用する場合は、「川島聡=長瀬修 仮訳(2008年5月30日付)」であることを明記してください。)

       政府訳では「インクルージョン」が「包容」とされたり、「アクセス」や「コミュニケーション」等がむりやり日本語にされていたりします。これは様々な事情によるものですが、障害者団体が訳したものも適宜参照されるとわかりやすいでしょう。
  • 3 なぜ障害者権利条約ができるのは遅かった(2006年)のか?
    •  クイズです。1948年の世界人権宣言には、「障害者」について、どんなことが書かれているでしょうか?  「うーむ」と首をひねってしまったでしょうか。

       答えは、「ひとことも触れられていません」。人種、性などによる差別を行ってはならないことが書かれていますが、障害者のことは出てきません。世界人権宣言は「宣言」だから法的拘束力はなかったのですが、その後できた「国際人権規約」(1976年発効)でも出てきません。日本国憲法でも、同様です。

       国際社会では、弱い立場におかれて人権を侵害されやすい人たちのために、「女性差別撤廃条約」「子どもの権利条約」など、いろんな人権の条約が策定されてきました。けれど、障害者については、21世紀の最近まで条約がありませんでした。作ろうとする試みは1980年代にあったのですが、挫折しました。
      (→コラム「年表」参照)

       なぜだと思われますか? 社会が障害者に冷たかったから? 確かにそれはあるかもしれません。おそらく、一般論として「障害者にも人権がある」ということに反対する人はいないと思います。でもそれは、理念でしかありませんでした。障害者は保護(慈善、福祉)の対象であって、障害のない人と比べて人生の機会や社会参加を大幅に制限されても、それは「人権」の観点から考えられることではなかったのです。別の言い方をすれば、「障害はないほうがいい」とみなされて、「人並み」の能力があることを前提に人権が考えられていたために、世界人権宣言をはじめとする「人権」でいうところの「人」には、障害者が入っていなかったのです。

       「障害者の権利」を具体的に定めていくためには、長い歴史が必要でした。この間の大きな変化は2つあります。まず障害者運動の中からうまれた「障害の社会モデル」が時を経て洗練され、国際的に承認されていったことです。これなしには「世界共通のルール」を定めていくことは不可能でした。

       もう一つは「障害者自身の参加」の重要性が認められたことです。従来は、障害者についての法律、障害者の処遇、障害者の制度・・・がすべて、多様な障害者を抜きに、専門家や関係者によって決められていたのです。”私たち抜きで私たちのことを何も決めないで!”Nothing about us, without us!“ は、条約が国連で審議される中で、国際的な障害関係のNGOから発信された世界共通のスローガンでした。2002年から始まった国連の特別委員会では、障害NGOの参加はもちろん、各国政府の中にもたくさんの障害当事者が入りました。
  • 4 「障害の社会モデル」って?
    •  そもそも「障害って何ですか?」と聞かれたら、どう答えますか。

       今の日本社会でも、常識的には、「見えない、歩けない」「知的能力が低い」など、個人の心身の欠陥のことを”障害”と呼んでいます。だから不便なのだ、と。(これを「障害の医学モデル」といいます。問題解決のためには、治療はリハビリテーションで身体の機能を高めることが一番とされます。)

       しかし、そうではない”障害”の考え方がうまれてきました。

       「見えなかったり歩けなかったり、難しいことがわからなかったりする人たちのことを排除して、あたかも健常者だけしかいないかのようにして、社会をつくりあげてきてしまった。そんな健常者中心の社会のあり方こそが、社会的障壁物理的なバリアも、制度の問題も障害のある人を結果として排除している慣行や偏見等も含みます)をつくっている。これこそが”障害”だ」という考え方です。こうして、障害者が経験する差別や困難の原因を、「個人の心身の機能における欠陥」ではなく、「社会環境(社会の中の障壁)」に求める考え方、これが「障害の社会モデル」です。

       具体的なシーンを思い浮かべましょう。「ひとりの車いす利用者Aさんが、B駅で乗車できなくて困っている。なぜか?」という問いがあったとします。「Aさんは車いすに乗っている、つまり歩けないから、(階段しかない)B駅は無理なんだ」と答えるのが「医学モデル」です。Aさん(の身体)に問題があるとされます。

       それに対して、「B駅にはエレベーターが設置されておらず、階段で駅のホームに行くしかないことは大きな問題だ。だからAさんのような人は困るのだ」と、B駅のあり方について目を向けるのが「社会モデル」です。そもそも駅は誰もが使えるようになっているべきだという認識があります。

       問題の解決策も、医学モデルであれば「Aさんがリハビリをして、歩けるようになること」が第一。社会モデルなら、「エレベーターの設置」(および駅員の適切な対応)が何より求められます。

       もちろんこれは単純な例ですが、ともかく「足で歩いて階段をあがれない駅があること」自体が問題であり、変えていくべきだと考えるのが「社会モデル」であり、もっと言えば、Aさんが排除されたり、過剰な努力を求められたりするのは不当だと考えるのが「社会モデル」です。

       「障害の社会モデル」は、障害者運動の中からうまれた新しい「障害」観であるとともに、国際社会における共通ルールとして合意され、障害者権利条約全体を貫く基本概念となっています。
  • 5 いったい何が「障害者の権利」なの?
    •  3.で述べたように、障害者権利条約は、抽象的な理念ばかりが書かれているわけではなく、障害者がどんな「権利」をもっているのか(正確にいうと、「障害者がもっている権利」というより「すべての人がもっているはずの権利」ですが)[i]を述べているからこそ、大きな意味があります。
       
       「権利」は、とても具体的なものです。一つひとつの権利のどれもが大切で、締約国(=批准した国)は守る義務があるのです。
        以下は、条文の一部をわかりやすくしたものです。

      第2条(手話は言語)
       ろう者(聞こえない人たち)が使う「手話」は一つの言語であり、音声言語と対等です。手話を使う人は、社会生活において必要な時に手話通訳が保障されなければなりません。

      ○第2条(障害に基づく差別)
       障害があることを理由に入店させない、乗車を拒む、受験させない・・・それはもちろん差別です。しかしそうした差別(不利益取り扱い)を禁止するだけでは、社会の中で平等に暮らすことはできません。社会的障壁を少しずつとりのぞいていくために、ある障害者が、平等に何かをするため社会環境の方を少し変える(たとえばお店の入口にスロープをつける、駅にエレベーターを設置する、点字での受験を認める)ことを「合理的配慮」といいます。障害者から「合理的配慮」を求められた側は、過度の負担がない限り、配慮に努めることが求められます。もし、合理的配慮を拒む(話し合いもしない、できるのに配慮しない)とすればそれは「差別」です。

      第3条(基本原則-尊厳、自己決定、インクルージョン、アクセシビリティなど)
       一人ひとり、誰もが大切な人間として認められます。自分のことは自分で決めることができます。どんな障害のある人も、社会の一員として社会に完全に参加できるように、社会はすべての人を受け入れます。どんな障害があっても、情報を得たり交通機関を利用したりすることができます。

      第6条(障害のある女性)
        障害のある女性(女子)は、二重の差別を受けています。暴力や虐待を受けやすかったり、障害のある男性と比べても貧困に陥りやすかったりします。国は、この現実を認めて、障害のある女性(女子)の人権を守っていくための対策をとらなければなりません。

      第9条(交通/情報アクセシビリティ) ※アクセシビリティ=利用できること
       私たちは行きたいときに、行きたいところへ、電車・地下鉄・バスなどを使って、安心して移動する権利があります。建物や道路、電車やバスなどは、誰もが使いやすいものであるべきです。
       視覚や聴覚に障害がある人も、必要な情報を、自分に合ったやり方で、受けとることができます。

      第11条(危険から守られる権利)
       地震、津波、台風などの災害があった時、国は私たちの安全を守らなければなりません。

      第12、13条(司法へのアクセス) 
       誰でも、公平な裁判を受ける権利があります。コミュニケーションに必要な支援も受けられます。

      第15条(拷問やひどい扱いの禁止)
       私たちは、警察でも刑務所でもどこでも、拷問やひどい扱いを受けたり、心をひどく傷つけるようなことを言われたりすることはありません。

      第16条(搾取、暴力、虐待の禁止)
       私たちが家庭、施設、学校、職場などで、搾取されたり、セクハラを含めた暴力、いじめ、虐待などを受けたりすることがないように、国はしっかりと対策をとらないといけません。もし搾取や暴力や虐待を受けてしまったら、体の傷や心の傷がなおるよう支援を受けられます。

      第19条(地域で自立して生活する権利)
        どんな障害のある人も、障害のない人と同じく、地域のなかで暮らす権利があります。「どこで、誰と暮らすのか」を自分で選べるし、入所施設や病院での生活を強制されることがあってはなりません。自宅、アパートやマンション、グループホーム、どこでも住めるし、必要な支援を受けながら暮らすことができます。

      第20条(移動の権利)
       私たちには移動する権利があります。好きな時に、自分で選んだ方法で、自由に出かけられるようにします。必要な支援も受けることができます。

      第21条(情報へのアクセス)
       私たちは、自分が伝えたい方法で自分の考えを伝え、自分がわかりやすいかたちでいろんな情報を知る権利があります。

      第23条(家族をもつ権利)
        私たちは、障害のない人と同じく、結婚したり子どもをもったりする権利があります。子どもをもつために必要な情報を得たり、子育てをするのに必要な支援を受けたりすることもできます。

      第24条(インクルーシブな教育を受ける権利)
        私たちは、どんな障害をもっていても、家の近くの普通学校に通って、みんなと一緒に勉強したり遊んだりすることができます。また、一人一人に合った教材(たとえば点字の教科書)が必要だったり、学校内の移動に助けが必要だったりしたら、ちゃんとその支援が受けることができます。

      第27条(労働の権利)
        私たちには、働く権利があります。私たちはいろいろな人と一緒に働く権利、自由に仕事を選ぶ権利があります。他の人と平等に働くことができるよう、必要な支援を受けることもできます。

      第29条(政治参加の権利)
        私たちは、政治に参加する権利があります。選挙のとき自分で候補者を選んで投票したり、立候補したりすることができます。投票所は誰でも入りやすくなっていなければなりません。

      第30条(文化、レクリエーション、スポーツなどの権利)
        私たちは、さまざまな文化(テレビ、映画、本、演劇など)を楽しむ権利があります。いろいろな人が参加しているスポーツやレクリエーションに私たちも参加できるようにします。
  • ◎おわりに ~もっと詳しく知りたい人のために(本の案内、団体へのリンク)~
    •  ここで書いたことは、障害者権利条約を知っていく、ほんの入口です。日本国内では、障害者権利条約が既に発効(2014年2月19日)されていますが、それを実質的なものにしていくには、私たち市民の力が必要です。あなたにできることが、きっとあります。
       興味をもった方は、以下で紹介する冊子や本、Webサイトを利用して、どんどん学んでいってください。
       このページも今後、さらに充実させていく予定です。

      ◎もっと詳しく知りたい人のために(本の案内、団体へのリンク)
      ・(社福)全日本手をつなぐ育成会 『わかりやすい障害者の権利条約-知的障害のある人の権利のために-』  ●育成会HPより購入可http://www.ikuseikai-japan.jp/books/books03.html
      *イラストも豊富で、わかりやすい。
      ・JDF『みんな違ってみんな一緒! 障害者権利条約』(冊子) 
        *条約のポイントをわかりやすく解説。
      ・JDF『私たちの社会を変えるために 国連障害者権利条約特別委員会 元議長 ドン・マッケイ講演録(2009.1 JDFセミナーより)』(冊子) 
        *条約策定の特別委員会議長をつとめたマッケイ氏の講演。非常にわかりやすい。
      ●いずれも問合先:日本障害フォーラム(JDF)TEL03-5292-7628 FAX03-5292-7630


      ・DPI日本会議編、東俊裕監修 『障害者の権利条約でこう変わる Q&A』(解放出版社) 
       *Q&A形式で、「合理的配慮とは?」「教育はどうなる?」など条約のポイントを解説。
      2007年刊だが、現在でも十分読む価値はある。

      ・長瀬修・川島聡・東俊裕編 『障害者の権利条約と日本 ―概要と展望』生活書院(初版は2008年、2013年に増補改訂版) *詳しく学びたい方へ。改訂版では最新情報もカバーしている。

      ・福祉新聞社『障害者権利条約で社会を変えたい』(冊子)
        ●問合先:福祉新聞社(tel:03-3581-0431、fax:03-3581-0433)
        *それぞれの条文についてどんな変化が期待できるのか、さまざまな障害者団体の人らが解説。
         国連総会で権利条約が採択(2006年12月)され、2007年7月に日本政府が条約に署名した後に書かれたもの。

      <団体のリンク> *障害者権利条約を学ぶ上で有効と思われるところを選んでいます。

      ・JDF(日本障害フォーラム) *啓発冊子も
      http://www.normanet.ne.jp/~jdf/

      ・DPI(障害者インターナショナル)日本会議
      http://www.dpi-japan.org/

      ・JD(日本障害者協議会)
      http://www.jdnet.gr.jp/

      ・財団法人 日本ろうあ連盟  *手話をめぐる最近の動きなども
      http://www.jfd.or.jp/

      ・社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会 *啓発冊子も
      http://ikuseikai-japan.jp/

      ・DPI女性障害者ネットワーク *「障害女性」の問題について様々な情報あり
      http://dpiwomennet.choumusubi.com/

      ・ノーマネット(障害者情報ネットワーク) *総合的な情報サイト
      http://www.normanet.ne.jp/

      ・立命館大学「生存学」のサイト *さまざまな資料あり
      http://www.arsvi.com/index.htm
  • コラム1 障害者権利条約関連年表
    • 1948年 世界人権宣言   
      1981年 「国際障害者年」
      1987年、89年 障害者の条約策定の提案があったが失敗(イタリア、スウェーデン)
      1993年 「障害者の機会均等化に関する基準規則」採択(国連総会)
      2001年12月 メキシコ政府の提案により、国連総会にて、障害者権利条約案を検討するための特別委員会設置が提案される。 
      2002年~2006年 特別委員会(第1回~第8回)
      2006年12月 国連総会にて、「障害者権利条約」が採択される
      2007年9月 日本政府が条約に署名
      2009年12月 日本政府批准に向けて、障害者制度改革が開始される
      2011年7月 「改正・障害者基本法」の成立
      2013年6月   「障害者差別解消法」の成立
      同 年12月 国会で条約の批准が全会一致で承認される
      2014年1月20日 日本政府が条約批准の寄託書を国連に送付したことによって締約国となる(国では141番目)
      同年  2月19日 寄託書送付日から1か月後に国内発効
  • コラム2 「障がい」?「障害」?
    •  近年、行政文書などで「障がい」という表記を見かけることがあります。これは、「障害」という字、特に「害」には「被害、有害」などマイナスの意味があり、「嫌がる人もいるだろうから、ひらがなでソフトなイメージにしよう」という動機から来ています。
       しかしこのサイトでは「障害」という字を使っています。なぜでしょうか? それは、本文でも説明しているとおり、「障害」の新しい考え方(=障害の社会モデル)と関係があります。 →4 「障害の社会モデル」って?
       障害者権利条約のベースでもあるこの考え方では、障害者が差別されたり生きづらかったりするのは、社会のなかの障壁(段差など物理的バリア、障害のない人だけを前提としたルール、偏見等)に原因があると考えます。つまり、障害者権利条約には、現に差別や不利益をうんでいる「障壁」(=現に障害となっているもの)が社会の中にあることを直視することを呼びかけていく考え方が入っています。具体的な障壁を直視してこそ、一つ一つなくしていけるからです。
       だから、直視すべき社会の「障害」をひらがなにして、ソフトなイメージにしても、問題の本質をぼやかすことにしかなりません。障害者の権利擁護に関わっている人たちの多くは、あえて「障害」という字を使い続けているのは、そのためです。
  • コラム3 なぜ条約を学ぶ必要があるの?
    •  「条約」は、平等な社会にしていく上での国の責務をはっきり謳っています。日本政府が、批准する前に法律を改正したり(障害者基本法)、新たに作ったり(障害者差別解消法)したのはそのためです。
       つまり、日本が条約に批准したということは、「バリアだらけ、不平等な社会を変えていきます。」と政府が私たちに約束したことを意味します。国際社会にも約束しています。
       私たちは、政府がこの約束を守るように見張り、もし政府が守っていなかったら「約束違反!」と言って、改善を求めていくことができます。しかし、私たちが条約を知らないままであれば、何が約束違反かもわかりません。ぜひ、障害者権利条約について学んでみましょう。

       もう一点、障害者権利条約を多くの人が学ぶ意義として、「障害者が地域で堂々と生きていくこと」に肯定的なメッセージが込められていることを挙げたいと思います。条約の基本理念に「多様性の尊重、差異の祝福」があります。誰もが自分らしく生きる権利があり、まだまだ不十分な社会だから、その時その時に必要な変更や調整(「合理的配慮」)を求めていってよいのだ――という権利条約の考え方が広まることは、障害者を(また家族や支援者を)力づけ、後押しすることになるでしょう。

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