MENU

ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします

交差性・複合差別を考える講座 「『多様な性』の多様性に気づく」を開催しました(11/17)

 ヒューライツ大阪は、11月17日、原ミナ汰さんを講師に迎え、交差性・複合差別を考える講座「『多様な性』の多様性に気づく」をオンラインで開催しました。原ミナ汰さんは、NPO法人共生社会を作る性的マイノリティ支援全国ネットワーク代表、(一社)相談・社会福祉全国協議会代表理事をはじめ、当事者として性的マイノリティの支援・相談活動の活動に長年、関わってきました。そして自身をXジェンダー/ノンバイナリーであると紹介しました。女の子として生まれた原ミナ汰さんは、小さいときから女性であることに違和感を感じていましたが、完全に男性であるということでもなく、男か女かという二分法ではわけられないのが自分だといいます。それがXジェンダー/ノンバイナリーということです。そうした性的マイノリティをめぐる言葉の定義やキーワード、原ミナ汰さんが携わっている活動の紹介から話がはじまりました。

 相談事業に関わっては、共著で『性的マイノリティサポートブック』(編著:共生会SHOWA,かもがわ出版、2021年)を出版したり、厚生労働省の助成事業である電話相談「よりそいホットライン」やLINEアプリによる相談窓口「つながるにじいろonライン」(愛称「つなにじ」)などに携わっています。性のあり方の4要素として、「性自認(自認する性)」「性的指向(好きになる性)」「性別表現(表現する性)」があり、さらに「登録・管理する性」があるという説明がありました。最近SOGIE(ソジー)という言葉を聞くことがありますが、これは「性的指向」「性自認」「性別表現」の英語の単語の頭文字を取ったものです。原ミナ汰さんは、誰を好きになるかだけではなく、「惹かれる」「惹かれない」とその度合いも大事であり、性自認を「もつ」も大事、「もたない」も大事であると強調しました。
 また、負の烙印、レッテル貼りである「スティグマ」、そして「クローゼット」(自己開示していない状態)と「カミングアウト」(自己開示している状態)とアウティング(本人の許可なく言いふらすこと)についての説明の中で、誰かに性的マイノリティであることをカミングアウトされた時、その個人情報のどの内容をどの範囲の人にまで言ってもいいのか必ずゾーニングする必要があり、当事者の同意なければアウティングであると指摘しました。
 続いて、原ミナ汰さんが自身のライフ・ストーリーを通じて、60代の今まで性的マイノリティであるだけではなく、性被害に遭ったり、また日本の学校に適応できないなど様々な生きづらさを抱えながらサバイバーとしてまさに生き延び、運動に飛び込んで人生を切り開いてきたことを語りました。お話の中で、命にかかわるような危機的状況をくぐってこられたこと、かつての女性運動の中では居場所が見つけられなかったこと、同性のパートナーとの出会いがあり、自身が生んだ娘さんを時に悩みつつパートナーと一緒に育てたことなど、ドラマのような人生の深い話を聞かせていただきました。

 質問では、性的マイノリティ当事者から自身の家族へのカミングアウトの経験が語られたり、子どもたちが性的マイノリティである自分をなかなか理解してもらえないという声が寄せられたりしました。また、同性愛であっても、ゲイとレズビアンは社会的状況に違いがあるのではないかという質問に対し、日本社会のジェンダー格差の反映でやはり経済的な状況がかなり違うことが挙げられました。さらに、ゲイよりもレズビアンの人たちのほうがよりカミングアウトしにくいのではという質問に対しては、その背景として、レズビアンに対する性差別的な攻撃のほうがひどいからではという分析があり、やり返さないと思われる人に矢が向けられる傾向が強いのでは、という指摘がありました。最後に、原ミナ汰さんから、社会は性的マイノリティに対して以前に比べると少しづつ良い方向に変化しているが、性別違和やジェンダーのことばかりが焦点になりがちなため、性的マイノリティの人たちの内面や人との関係性の悩みにもっと耳を傾けたいと言います。性別違和と性指向・恋愛(恋愛をしない人がいるということも含め)指向の話を両輪としてとらえ、特に孤立しがちな10代の若い人の相談を丁寧に受けとめたいという熱い思いを語りました。
 当日37名の参加者、後日配信視聴者数は20名でした。
報告サイト用.png