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ワークショップ「外国ルーツの人たちの気持ちを体感しよう」を開催しました (7/29)

 ヒューライツ大阪はNPO法人おおさかこども多文化センターとの共催で、多様性教育ファシリテーターとしてBridge Projectの代表を務める内山唯日(うちやまゆいか)さんを招き、ワークショップ「外国ルーツの人たちの気持ちを体感しよう」をドーンセンターで7月29日に開催しました。

 前半はトランプを使った異文化コミュニケーションを体験するゲーム「バーンガ」を行いました。このゲームは無言で行うことで言語が通じない状況をつくり出すほか、認識の摩擦を引き起こすいくつかの仕掛けがありますが、これは外国から日本に来て間もない人が経験する戸惑いやもどかしさについて想像するヒントとなります。ゲーム中にどんな気持ちを抱いたかを言葉にしていくと「思ったことがあっても表現できないもどかしさ」という声や「もういいや、疲れた」という感想、ほかにもイライラや焦り、自分が間違っているのではないかという不安などが多く出てきましたが、ジェスチャーで伝え合うことが楽しかったという感想もありました。

IMG_0029.JPG                     (バーンガ実施の様子)

 後半は内山さん自身の経験からミックスルーツ当事者としてのアイデンティティの葛藤についてお話しいただき、外国ルーツの人たちが日常的に経験する「チクチク」するような経験(マイクロアグレッション)について、それが起きたときにどんな介入ができるのかロールプレイを通して意見を出し合いました。マイクロアグレッションの多くは無自覚な思い込みや決めつけから悪気がなく発せられる一瞬のできごとだったりするために、実際に受け手に与えるストレスや嫌だという気持ちが過小評価されやすく放っておかれがちですが、そのような経験が日常的に頻繁に積み重なることで実は深刻な影響があることが分かっています。

IMG_0041_Roleplay1.JPG            (ロールプレイについて説明する内山さん)

 ロールプレイを行うにあたって、内山さんはそれが(マイクロアグレッションをした)相手を責めるためではなく、関係を良くしていくためであることを強調しました。マイクロアグレッションの発信者、受け手、傍観者に分かれて、発信者の立場の人は指摘されたときにどのように向き合ったら良いのか、受け手の立場の人はどのような気持ちになるのか、傍観者の立場の人はどんな介入の仕方が関係を良くするために有効なのか、それぞれの立場を経験して得た気づきを持ち寄りディスカッションすることでより多彩な意見が出てきました。

 参加者からのアンケートでは「楽しく学べた」とワークショップそのものを楽しんで参加できたという声のほか、「自分自身の言動について振り返ることができた」、「気づきを促されるワークショップだった」など自分自身の振る舞いについて気づきを得たという感想がたくさんありました。また、「マイクロアグレッションに出会ったときに対処しやすくなりそう」、「学校現場でつかえそう」という実践に結びつく感想や、「外国ルーツの方の気持ちに少し気づくことができた」というワークショップのテーマである「気持ちの体感」につながる感想も寄せられました。
 参加者は50名でした。