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ISO26000

概要

 ISO26000は、国際標準化機構(ISO)から2010年11月に発行された社会的責任の国際規格「Guidance on Social Responsibility」です。2001年にISO内で検討が始まってから10年近い議論を経て策定されました。
 ①CSR(企業の社会的責任)ではなくSR(組織の社会的責任)であること、②認証を目的とした規格ではなくガイダンス規格であること、③産業界、労働、消費者、NGO、政府、有識者の各社会セクターの議論によるマルチステークホルダープロセスにより、最終的には99か国・42組織の広範な参加のもと、先進国と途上国のバランスやジェンダーバランスもとりながら策定されたこと、が大きな特徴となっています。
 日本では、2012年3月にほぼ同内容の「社会的責任に関する手引 JISZ26000」としてJIS規格化されていますが、他の国でも、認証規格化も含め、独自の国内規格としているところがみられます。
 「説明責任」「透明性」「倫理的な行動」「ステークホルダーの利害の尊重」「法の支配の尊重」「国際行動規範の尊重」「人権の尊重」からなる7つの「原則」と、「組織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「公正な事業慣行」「消費者課題」「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」からなる7つの「中核主題」が、「ステークホルダーエンゲージメント」「組織全体への統合(integration)」とともに、内容の骨格をなしています。
 世界人権宣言、国際人権規約、ILO中核的労働基準をベースにしながら、「社会的責任の原則」と「中核主題」に「人権」が含まれていますが、その内容には、策定過程において、のちに国連「ビジネスと人権に関する指導原則」として定式化される「保護・尊重・救済(protect/respect/remedy)」枠組みの大きな影響があったとされます。組織の活動の「人権侵害リスク」に対処するための「人権デューディリジェンス」も重要なポイントです。
 

関連リンク

(1)「ISO26000 - Social responsibility」(ISOウェブサイト)
(2)「日本工業標準調査会(JISC)」JIS検索(JISZ26000の閲覧が可能)
   1:「JIS規格番号からJISを検索」に「Z26000」と入力
   2:次画面の規格番号「JISZ26000」をクリック
   3:次画面のZ26000PDFリンクをクリック
 

 ISO26000サイトへのリンク
   日本工業標準調査会の検索サイトへのリンク

 

「国際標準化機構が社会的責任ガイダンス規格ISO26000を発行」(ヒューライツ大阪ウェブサイト「ニュースインブリーフ」2010年11月)

 

原文にみるキーワード(JISZ26000による)

■「人権」
「組織は、人権を尊重し、その重要性及び普遍性の両方を認識すべきである。組織は、次の事項を行うべきである。
- 国際人権章典に規定されている権利を尊重し、可能な場合は、促進する。
- あらゆる国、文化及び状況において不可分に適用されるこれらの権利の普遍性を尊重する。
- 人権が保護されていない状況では、人権を尊重するための措置をとり、このような状況を悪用しない。
- 法又はその施行によって人権が適切に保護されていない状況では、国際行動規範の尊重の原則を守る。」(4.8 原則:人権の尊重)

■「デューディリジェンス」
「人権を尊重するため、組織は、デューディリジェンスを用いて、自らの行動又は自らと関係のある他者の活動から発生する人権への、現実の又は潜在的な影響を特定し、これらを防止し、これらに対処する責任を負っている。・・・人権に特定すれば、デューディリジェンス手順は、その組織の規模及び状況に適した形で、次のような要素を含むべきである。
- その組織内の当事者及びその組織に密に関連している当事者に有意義な手引を示せるような、その組織の人権方針
- 既存の及び提案されている活動が人権にどう影響するかを評価するための手段
- その組織全体に人権方針を統合するための手段
- 優先順位及び取組みに必要な調整を加えられるよう、長期にわたってパフォーマンスを追跡するための手段
- 自らの決定及び活動のマイナスの影響に対処するための行動」(6.3.3 人権に関する課題1:デューディリジェンス)

■「差別」
「差別とは、平等な取扱い又は機会均等を無にする結果をもたらす区別、排除又は優先傾向をいい、その動機は合法的な根拠ではなく偏見に基づいている。違法な差別の根拠には、人種、皮膚の色、性別、年齢、言語、財産、国籍若しくは出身国、宗教、民族的若しくは社会的出身、カースト、経済的背景、障害、妊娠、先住民族の出自、労働組合への加入、政治的所属、又は政治的見解若しくはその他の見解が含まれる(ただし、これに限定されない。)。最近の違法な差別の根拠には、配偶者の有無、家族状況、個人的関係、HIV/エイズへの感染の有無などの健康状態も含まれる。差別の禁止は、国際的な人権法の最も基本的な原則の一つである。」(6.3.7 人権に関する課題5:差別及び社会的弱者)

 

他の文書との関連

 ISO26000が発行されたのは2010年。1999年に提唱された国連グローバル・コンパクトとも、とくに「人権」をめぐって深い関連性があります。
 国連グローバル・コンパクトとISO26000との関連性については、「An Introduction to Linkages between UN Global Compact Principles and ISO 26000 Core Subjects」を参照。

 

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