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2011年度事業計画

もくじ
I 基本方針
II 個別事業概要

I 基本方針

財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)は、1994年7月に設立されて以来、次の四つの目標を掲げて活動してきた。①アジア・太平洋地域における人権の伸長を図る、②国際的な人権伸長・保障の過程にアジア・太平洋の視点を反映させる、③アジア・太平洋地域における日本の国際協調・貢献に人権尊重の視点を反映させる、④国際化時代にふさわしい人権意識の高揚を図る、である。

2009年度から、大阪府、大阪市、堺市からヒューライツ大阪が毎年受けていた補助金が廃止され、大阪府、大阪市からの派遣職員が引き揚げられたことをうけて大幅な経費削減、組織体制と事業の全面的見直しを迫られた。今後のヒューライツ大阪のあり方について理事会に対して提案するために、2010年7月にあり方検討委員会を立ち上げ、その作業部会で事業活動と財政的な持続可能性について検討し、2011年2月、理事会に対する報告書をまとめた。そこでは、これまで蓄積してきた知識と経験をもとに、大阪府民・市民をはじめ、日本社会そしてアジア・太平洋地域における人権理解と人権保障の推進に更に貢献するためにヒューライツ大阪のあるべき姿が提案された。2011年度の事業計画は、その報告書で示された将来ビジョンと提案を反映している。

理解されていない本当の人権を伝える使命を持つヒューライツ大阪
日本で、そして大阪では、人権がよく理解されていないのが現状である。ヒューライツ大阪が伝えるべき人権は、世界のどこでも、誰にでも、そしていつでも認められる人権、言葉を変えて言えば、「人権の国際基準」あるいは「普遍的人権」である。
ヒューライツ大阪は、大阪で、日本全国で、そしてアジア・太平洋地域で、人権がよりよく理解され、尊ばれるために、国の内外で、人権とは何かということを、インターネット、研修、講演、情報提供、レファレンス、広報など、あらゆる機会をとらえて伝えていく。人びとが人権を理解し、その大切さを認めるようになれば、やがて行政、国の政策、法律、制度などに人権尊重を反映することができるようになり、より良い社会が生まれ、国が内政と外交で人権尊重を考慮するようになると期待できる。また、未だに地域人権保障制度が確立していないアジア・太平洋地域でも、南北アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ地域と並ぶ人権保障制度が生まれる可能性も高まるであろう。
ヒューライツ大阪は、特定の人権問題を訴える運動に直接関わるのではなく、情報を集め整理し、伝える活動に力を注ぐ。具体的には、大学や研究機関とは異なる視点、すなわち人権を実際に役立てる視点からの情報収集と発信である。また、ヒューライツ大阪だけではできない事業活動を、経験を積んだNGOや各団体と協力して進め、そのためのネットワーク作りには特に力を注ぐ。
人権は、難しいもの、役に立たないものではなく、生活の場で実践していくべきものである。人権は、人を大切にするためにはどうしても必要なもの、社会を良くしていくためにはなくてはならないものである。これからもヒューライツ大阪は、人権をできるだけ多くの人びとに理解してもらえるように、わかりやすく、動画などを使ったインターネット・ウェブサイトによる人権情報の発信や、府民・市民・企業に、府民講座などのあらゆる機会を通じて、「人権の国際基準」を伝えていく。また、専門的な人権情報や資料を求める人たちにも十分応えられるウェブサイトの充実にも努める。
人権の仕事は、効果が見えにくいと言われるが、人権のための息の長い活動、努力が、社会を良くし、国を良くする原動力になる。ヒューライツ大阪は、本当の人権、一人の例外もない、すべての人のための人権を、それが多くの人びとに理解され、受け入れられるまで伝えていく。それがヒューライツ大阪の人権情報センターとしての使命である。

「アジア・太平洋そして世界につながる大阪」のための貢献
グローバル化時代の今、大阪は、日本・アジア・太平洋、そして世界と、経済、社会、文化などいろいろな分野、生活の場で、従来以上に密接に繋がってきている。人権の分野においても同様である。ヒューライツ大阪はこの観点から、これまでもアジア・太平洋地域で人権に取り組む組織、研究機関、大学などと連携して、人権教育の推進をはじめ、人権をこの地域に根付かせるための事業を展開してきた。今後ますます、アジア・太平洋、そして世界との関わりは深くなっていくなか、人権をベースにした相互理解と交流が一層必要となってくると考える。これは、ほかの組織にはできないヒューライツ大阪による大阪府民への貴重な貢献である。

大阪府民・市民・企業等への還元
ヒューライツ大阪は、大阪府民・市民・企業等への還元として、世界に通用する人権の正しい理解を広げる事業、そして本当に人びとが必要とする、人びとの役に立つ人権教育・人権啓発事業、人権情報サービスを実施する。事業については常に府民・市民・企業のニーズを重視し企画に取り入れることを原則とする。

2011年度の重点事業
ヒューライツ大阪は、その目標に沿ってこれまで主に3つの分野にわたる事業をおこなってきた。2011年度は これまでの事業を更に精査して、府民・市民が必要とすることに応えるという観点から重点を置くべき事業を選び企画した。 

1 インターネットを駆使した情報収集、検索、発信

ヒューライツ大阪は、人権情報センターである。何よりもまず、よりよい、効果的な人権情報サービスを追及し、実現していく。そのために、インターネットを駆使し、ウェブサイトを充実させる。「見やすく、わかりやすく、見つけやすく、役立つ」人権情報を、対象者や目的に応じて分類して提供する。情報検索により、可能な限りの有用な人権情報やデータが得られるようにし、タイムリーな情報、ニュース性のある情報、ニュースレター、論文、国際的な人権情報や資料にもアクセスできるようにする。アジア・太平洋地域をはじめ、世界の読者にとっては、英語での配信はこれからも重要であり、英語版ウェブサイトの一層の充実に努める。
ウェブサイトは、常時、内容を更新し、デザイン、利便性の改善をするために、これまで出版などに向けられていた人材や予算をできる限りここに集中する。『アジア・太平洋人権レビュー』など出版物は発行を中止し、ニュースレター「国際人権ひろば」(日本語)と「Focus」(英語)はインターネットにアクセスできない人たちにも配慮して印刷配布を継続する。

2 人権の国際基準の普及促進と広報活動

 様々な専門家グループ、団体、企業、行政職員、学生生徒、などを対象に行ってきた講演や学校、大学での授業、講義などの人権教育、人権啓発のための活動は、今後も重点事業として組織化、強化していく。これに加えて、人権教育、人権研修などの企画を提供し、依頼者のニーズに的確に応えることで事業を広げていく。
また、ヒューライツ大阪の主催または他の団体との共催による、セミナーや研究集会、シンポジウム、講演会、イベントを開催して、人権啓発、広報活動に努める。広く市民を対象とするものについては、わかりやすく親しみやすい企画を心がける。
国内の人権団体、人権活動家、専門家との協力、協働によって、ヒューライツ大阪が持たない経験や知識を得、育むことが可能となり、ヒューライツ大阪の事業の強化につながる。同じようにヒューライツ大阪もこれらの団体や個人に対するサポートをより効果的にできるようになる。そのような理由で協働企画には積極的に取り組んでいく。
具体的には、日本で多文化社会が人権を基盤として形成されることを目指す企画、人権教育推進のために、公務員、社会教育、学校教育の担当者を対象にした研修、ワークショップなどの企画、企業が人権を基盤とした企業活動を推進するために「企業の社会的責任(CSR)」に取り組む企画、ジェンダー問題を含む、様々の差別や人権侵害問題を人権の国際基準から明らかにして取り組む企画などである。

3 アジア・太平洋地域、国際社会における人権保護、促進に貢献する事業

 ヒューライツ大阪は、これまで、アジア・太平洋地域での人権促進活動を重要な事業の一環として位置付けてきた。特に「人権教育のための国連10年」と「人権教育世界プログラム」の枠組みの中で、国際的な協働プロジェクトに取り組み、成果を上げてきた。今後も人権教育に関する事業を続けながら、それを発展させる形で、人権の国際基準の国内受容の課題、若者の人権研修・ワークショップに取り組んでいく。
更に、アジア・太平洋地域でヒューライツ大阪が果たせる役割を再検討し、現在進みつつある東南アジアでの人権保障制度の動向に注目しながら、アジア・太平洋地域の団体や大学、人権センターなどとの協力関係を推し進める。

「国連の特殊協議資格」の活用
 ヒューライツ大阪はアジア・太平洋地域における人権教育の普及活動で、日本ではじめて「ユネスコ人権教育名誉賞」を受賞するなど国際的活動を評価されて、2009年に国連の特殊協議資格を得た。これによって国連人権理事会、人権条約機関などの会議に参加して発言することができる団体として、最新の生情報等を国内はもちろんアジア・太平洋地域にも発信することが可能となり、国内の人権団体や国際人権NGO 諸団体との協力、協働をさらに強化することができるようになった。この活動の一環として、国連の人権機関が日本の人権状況の審査をするときや日本政府に対する勧告を出すときなどには、併せて、関係団体と連携し、報告会やセミナーなどを適時開催する。
国際的な会議参加は、ヒューライツ大阪の事業にとって重要なものに限って積極的に考慮する。特に、アジア・太平洋地域で行われる会議については、この地域の人権NGOとの協力関係を強化するためにも、参加を積極的に考慮する。 

ヒューライツ大阪の会員・支持層の拡大と財政基盤の強化
ヒューライツ大阪では、研修・啓発事業、受託研修事業、出版事業などで、一定の収入を得ているが、これまで、事業で利益を出すことはできず、経費のすべてを事業収入で賄うことはできなかった。大阪府、大阪市、堺市からの補助金が廃止された2009年度以降は、不足部分を基本財産の取り崩しで補てんすることによって収支の均衡を図ってきた。しかしながら、基本財産を取り崩すのは一時的な例外的対策であり、今後は従来以上に収入をあげる工夫・努力が必要であることは言うまでもない。そのための会員数の増大と新たな支援者(寄付金)の獲得が急務であり、国内外の助成金の獲得、研修受託事業や有料連続講座の開催などに努める。

 II 個別事業概要

1 情報収集・発信事業        4,846千円

①情報収集・整理事業       894千円

 アジア・太平洋の人権の状況や人権教育、人権についての理解を府民、市民に広く伝えるために、このテーマに関する日本語と英語の資料を中心に収集し、登録・配架して、資料コーナーを訪れた府民・市民の利用に供する。また人権教育を実施する教育関係者の参考資料とする。特に、ヒューライツ大阪の重点事業に関わる資料を積極的に収集・公開し、そのテーマに関心のある府民・市民の理解・関心を一層深める。
 事務所移転後の閲覧スペースや経費などの配分を勘案し、資料収集・目録業務の見直しを行う。他図書館が所蔵していない人権資料の記録保存などの社会的使命も考慮しつつ将来計画を立てる。また、東日本大震災においての外国人被災者など災害弱者支援に関する情報収集・発信にも努める。

②ウェブサイトの日本語と英語のコンテンツの充       2,692千円

  「情報センター」としての使命を果たすための有力なツールとしてウェブサイトを通じての情報発信が重要である。信頼性のある正確、迅速な情報提供をすることで、府民・市民をはじめ学生や若者がさらに人権に対する関心を深めることができ、専門家に対しても有益な情報を提供できるように一層のコンテンツの充実をめざす。英語のウェブサイトは、基本的にはアジア・太平洋地域の団体・個人が利用者であり、アジア・太平洋地域の人権情報が主なコンテンツになるが、世界的規模を意識してこうした情報を伝えることになる。また、「見やすく、わかりやすく、見つけやすく、役に立つ」をキーワードに、静止画・動画活用の可能性の追究やウェブ・デザインの更なる改良をおこなう。さらに、できる限り視覚障がいのある人のためのバリアフリーをめざし、関心のある様々な層がウェブサイトを活用できるように努める。これによってウェブサイトへのアクセス増をめざし、ヒューライツ大阪の認知度を高めるとともに、人権教育の共通理解を各層に拡大する。

③重要な国際会議に積極的に参加(アジア、国連関連など)       600千円

 国連、人権機関、アジア地域のNGOなどが主催する国際会議に積極的に参加して、国際社会における人権に関わる情報収集・ネットワークの強化に努める。その情報をウェブサイト、ニュースレターなどを通じて発信し、アジア・太平洋へつながる大阪への貢献を高める。

④移住労働者の受け入れをめぐる議論と人権保障に関する情報収集    560千円

 外国からの移住労働者や結婚移住者、留学生、またその家族が大阪をはじめ日本において増加している中で、彼ら/彼女たちが労働、教育、医療、住宅などさまざまな生活局面において直面している人権の課題と、その解決に向けた取り組みに関する情報を収集するとともに、移住者・移住労働者の人権が保障されるためにはどのような政策や制度(移民政策)が必要なのかについての議論を、学習会やウェブサイトを通じて市民にわかりやすく紹介していく。また、そうした情報を、多民族・多文化共生社会の推進をテーマとする受託研修の際に活用する。

⑤国内の会議参加、団体訪問を積極的に推進       11千円 (0千円)

 最新の信頼できる情報収集の蓄積、ネットワーク強化のため、国内の会議参加、団体訪問などを積極的に行う。それによって、ウェブサイト、ニュースレターなどを通じた情報発信の充実とヒューライツ大阪の認知度を高める。

 2 調査・研究事業        4,300千円

①アジアの若者のための人権トレーニング事業準備作業(日本の若者を対象に試験的な講座を開催)   500千円

 アジア・太平洋地域での人権促進活動の一環として、人権教育世界プログラムの枠組みの中で推進してきたアジア地域での人権教育のとりくみを発展させる形で、次世代を担う「アジアの若者のための人権トレーニング」事業を次年度以降に実現するための準備作業として、まず日本国内の若者を対象にした試験的な講座を開催するが、そのために人権教育関係者と早い時期に会合を持ち、経験と現状を議論しながら今年度の講座の内容を作る。実施時期は、9月頃に2日間程度の週末プログラムを企画する。こうした取り組みを通じて、日本国内とアジアの人権教育の取り組みがつながり発展する機会を作る。そして、次年度から日本を含めたアジア・太平洋地域の若者に人権トレーニングを提供することで、次世代の育成を図り、国際社会における人権保護、促進に貢献する。

②東北アジア人権教育の促進ためのワークショップ開催(大阪)と資料冊子の作成(各国の教育専門家に依頼)   1,500千円

 2009年度に発行した“The State of Human Rights Education in Northeast Asian School Systems: Obstacles, Challenges, Opportunities”をフォローアップする形で、人権教育を教え学ぶための資料作りを進める。この資料集は、北東アジアにおいてすでにある資料や経験に基いて作成されるもので、この地域事情をふまえ日本を含め、モンゴル、韓国、中国、台湾、香港特別行政区などの人権教育の専門家に執筆を依頼する。その執筆草稿をもとに、この地域の教育の現場で最大限活用できるよう検討する会合として、人権教育関係者や特に教員研修担当の教員を含めたワークショップを大阪で開催する(英語)。なお経費の一部を国連に助成申請する。

③「人権と企業の社会的責任」に関わる研修パンフレット試行版の改良と完成版の作成、販売促進   2,200千円

  前年度に続いて、人権の国際基準の普及促進のために、とりわけ企業を対象にした事業に取り組む。国連グローバル・コンパクト推進の動きやISO26000発行の流れの中で、日本の企業活動においても人権の尊重が注目されつつあるが、人権についての正しい理解が企業の中で深まっているとはいいがたい状況がある。そうした現状をふまえて企業内の研修用のパンフレットの作成をすすめてきた。前年度のパンフレットを実際に企業研修で試行し、改良をして完成版を作成するとともに、このパンフレットを活用した研修、パンフレットの販売促進に積極的に取り組む。この事業を通じてアジアともつながりが深い企業が、人権についての理解と重要性を認識し、企業活動に反映する契機とする。またヒューライツ大阪の認知度を高め、収益につながるようにする。

④企画運営委員会の運営   100千円

 センターの事業に関する助言を得るため、企画運営委員会を開催しているが、ヒューライツ大阪の将来ビジョンをふまえ、企画運営委員会の機能を含めてヒューライツ大阪の今後の事業展開等を議論する。

3 研修・啓発事業        2,880千円

①「5・7調で読む社会権規約」   80千円

 日本が加盟する人権諸条約の報告審議にあわせて条約と国内での権利状況に関する情報・知識を広めようとする取り組みの一貫として、次に報告が予定される社会権規約の権利に関して、5・7・5調の「川柳」を募集し、入選作をウェブサイトで公表する。役員、会員、関係者にも協力を募り、積極的に広報を行い、応募につなげるとともに、選考委員会を設置し、入選作を決定してもらう。社会権規約の権利について知る機会を提供するとともに、人々の生活に関連した人権条約に関するウェブサイトのコンテンツとする。

②国際シンポジウム「子どもはいったい『だれのもの』?~国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約を考える」(仮)の開催(関西アメリカンセンター助成金)   1,000千円

 国際結婚の破綻に伴い、子どもを一方の親から奪取して自国に戻るといった国境を越えた争いが近年顕在化している。そのような事態に対処するために「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約」が採択されている。日本人が奪取に関わるケースも多く報告されているなかで、この条約を受け入れていない日本は、欧米各国から強く加盟するよう要請を受けていることから、日本政府による検討が本格化している。しかし、帰国した日本人女性には、夫からのDV被害を訴える事例も多く報告されている。
 国際シンポジウムは、6月頃の開催を予定し、日米の研究者を招いて、子どもの最善の利益を念頭に置きながら、「ハーグ条約」、そして子どもの親権・監護権について考えていく。

③人権を考える写真展と「トークのひろば」(仮称)の開催   650千円

 ヒューライツ大阪の特長である国際的な情報、とりわけアジアとの関わりを生かして、
写真の持つインパクトによって、府民・市民に人権をわかりやすく考えてもらうために、アジア各地の人権の課題を取材しているフォトジャーナリスト等の写真展を開催する。写真展開催中に、テーマに合わせて講師を招き「トークのひろば」を開催する。こうした事業を通じて、参加者は、アジアの人権を考えると同時に日本社会の人権についても考える機会とする。こうした事業を通じて人権の国際基準を地域社会に普及促進する。

④インターン受入・人材養成事業   100千円

 国内外の人権活動家・研究生・大学院生・大学生などのインターンを受け入れ、ヒューライツ大阪の人的なネットワークの拡大を図るとともに、ヒューライツ大阪の事業活動に関わる機会を設け、専門的貢献と実務経験の蓄積の場を提供する。この事業を通じて、人権に関わる人材育成に資するとともに、ヒューライツ大阪の情報の受発信のコンテンツの充実にもつながる。

⑤韓国スタディツアー「女性への暴力を考える釜山・ソウルの旅」(仮称)(大阪府男女共同参画財団と共催、大阪府立大学女性学研究センター協力)   200千円

 2007~2009年に移住女性など多文化共生のテーマで実施した日韓プログラムの継続の要望があり、2011年度は、(財)大阪府男女共同参画推進財団との共催で「女性に対する暴力」をテーマに、関西を中心としたNGO、女性センター関係者、学生、関心のある市民を対象に、韓国スタディツアーを8月下旬頃に実施する。現地NGO訪問だけではなく、スタディツアーのプログラムの一環として、大阪府立大学女性学研究センターが、日韓の研究者や現場に関わる人たちの意見交流を促進するためのワークショップを協力開催する予定である。この事業をすることで韓国のNGO、研究機関とのネットワークを強化し、日本のNGOに交流の機会を提供する。また、DVをはじめとする女性に対する暴力の取り組みの現状・政策について情報収集し、日本語・英語で発信する。さらに、事業を通じてヒューライツ大阪の支援者を増やす機会とする。

⑥府民・市民対象の人権講座(「これは知っ得人権講座2011」(仮称))等の開催   470千円

 過去2年間、大阪府人権室との共催で、人権擁護士養成講座を兼ねる形で、府民・市民対象の人権講座を開催してきたが、この経験を基礎にして人権の国際基準について学ぶための、府民・市民にわかりやすい講座を開催するなど、府民・市民対象のタイムリーで重要な人権の課題を知る講座を開催する。この事業を通じて、地域社会のレベルで人権教育の国際基準の普及促進を図るとともに、ヒューライツ大阪の認知度を高める。また収益事業として位置づける。

⑦ワン・ワールド・フェスティバル等への参加    80千円

 毎年、関西地方の国際協力・国際交流団体が一堂に会して交流するイベントであるワン・ワールド・フェスティバルなど、取り組みの趣旨が合致し、参加することで、ヒューライツ大阪の認知度が高まるなどの成果が期待されるイベントについては、積極的に参加や関わりを追求する。2011年度は、プログラム参加を予定し、府民・市民に知られていない人権の秀作映像や人権の国際基準を効果的に伝えるワークショップなどを企画する。

⑧自治体、NGO/NPO、学校関係、その他様々な団体等との協力・共催事業の推進   300千円

 ヒューライツ大阪の趣旨と合致する講座などの事業を、各団体との協力や共催によって積極的に推進することで、企画内容の充実と新しい層との出会いを期するとともに、ネットワークを強化し、ヒューライツ大阪の認知度を高める。5月に、昨年度事業で発行した『アジア・太平洋人権レビュー2011』の執筆者を中心に招いて、(財)とよなか国際交流協会と共催で「外国にルーツをもつ子どもの権利」(仮題)をテーマにフォーラムを開催する。この事業を通じて、出版物の宣伝も行い、ヒューライツ大阪の認知度を高め、収益にもつなげる。

4.広報・出版事業        2,614千円

ニュースレター日本語「国際人権ひろば」及び英語「FOCUS」の発行   2,214千円 

 国際的な人権の潮流、人権に関する最新情報を国内外に広く紹介するとともに、ヒューライツ大阪の事業と会員をふくめた支援者を定期的に結ぶ情報発信媒体として、ニュースレターを発行する。「国際人権ひろば」は年6回2000部、「FOCUS」は、年4回500部発行する。「FOCUS」は、郵送とともに電子ファイル(PDF、HTML)化し、国内外に発信する。印刷版ニュースレターは、部数や発送費に制限があることから、インターネットにアクセスできないところに配慮しながら発送先を適宜、見直す。また、日英のニュースレターの記事は、ウェブサイトにデータとして蓄積し、府民・市民から国内外の専門家までのニーズに応えるコンテンツとして一層活用されることをめざす。

”Human Rights Education in the Asia-Pacific(アジア・太平洋における人権教育)”(英語)Vol.3の出版   400千円

 アジア・太平洋地域の人権の伸長というヒューライツ大阪の目的に沿って、毎年、この地域の人権教育の経験報告を出版している。3年前からはアジアだけではなく太平洋地域を含め、学校教育だけではなく生涯教育などノンフォーマル教育のとりくみも対象としている。この事業を通じて、アジア・太平洋地域の人権教育の経験に関する情報が継続して蓄積され、情報量が豊かになっていく。この情報には、冊子とウェブサイトの2つの方法でアクセスすることができる。

5 情報サービス事業        520千円

①会員制度の見直し、会員募集パンフ作成、会員の拡大   250千円 

 ヒューライツ大阪の支援者を増やし、安定した収入を確保する必要性にせまられているが、『人権レビュー』の発行の停止など従来の会員への特典が変わることもあり、会員制度を全面的に見直し、新たな会員制度で、会員拡大を図る。

②受託研修の積極的な広報   30千円

 これまでは、依頼があれば受託してきたが、今後は、ウェブサイトや広報ちらしなどで、積極的に、受託研修を引き受けることを広報し、地方公共団体、府民・市民、NPO/NGO、企業、教員、学校など様々な組織、個人を対象に、ヒューライツ大阪として応じることができるテーマの研修を受託する。

③世界人権宣言など人権の基準を伝える出前授業を積極的に推進(学校・教職員対象)   10千円 

 「だれにでも、いつでも、どこでも同じ人権」のはじまりである世界人権宣言について、中学生・高校生にわかりやすく伝える授業案などを開発し、積極的に学校現場に出向いて、生徒対象に、人権の理解の基本となる世界人権宣言の出前授業を行う。また教職員研修にも積極的に提案する。この事業を通じて、人権の国際基準の理解が教育現場に広がり、ヒューライツ大阪の認知度が高まる。

④情報・研修などについて国内外からの相談、見学訪問    230千円

 ヒューライツ大阪が蓄積する資料・情報や研究・研修に関する相談に積極的に対応し、必要に応じて適切な人権関係機関を紹介するなどの情報サービスに努める。また会員に対して、人権啓発・研修の企画に関する相談も積極的に進める。学校関係の見学希望について、会場の確保が可能であれば可能な限り対応する。

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