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人権教育プログラムの発展に向けたさらなる支援の強化を

国連 東北アジア人権教育トレーニング・ワークショップ開催
1999年12月4日 韓国・ソウル

昨年12月4日~6日、学校における人権教育のトレーニングワークショップが国連の技術協力資金を得るものとして初めてソウルで開催された。ヒューライツ大阪は「アジアの学校における人権教育」研究事業の延長線上にこのワークショップをサポートしてきた。ワークショップには、韓国、中国、モンゴル、日本の政府代表の他、国連のワークショップ・ガイドラインに基づいてNGOも参加した。朝鮮民主主義人民共和国については、メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官より招聘されたが、代表者は送られなかった。

トレーニングワークショップの目的と内容

 前回号のヒューライツ大阪メッセージでもお知らせした通り、ワークショップの目的は以下の5点が掲げられた。

1) 学校における人権教育の共通理解を深める

2) 他国の経験から学び、既存の学校システムと人権教育を有効に統合させる戦略を討議する

3) 学校における人権教育のキーとなる要素、東北アジア地域・国内レベルの優先課題を明らかにする

4)人権教育における政府、国内人権機関、教育機関、NGO間の東北アジアレベルでの協力を促進する

5) 学校における人権教育の国内、東北アジアレベルの計画づくり

また、参加者は以下の4つの具体的問題について討論した。

1) 東北アジア以外のアジア・太平洋地域の人権教育の経験

2) 東北アジアの学校教育システムと人権教育の機会、阻害要素、焦点をあてるべき領域

3) 学校における人権教育の構成要素

4) 今後の活動

 ワークショップは、南アジア、東南アジア、太平洋地域(スリランカ、フィリピン、ニュージーランドなど)における既存の人権教育の経験に関する情報を交換することから始められた。ワーキンググループ(作業部会)は、教員トレーニング、カリキュラム開発、課外活動、人権教育の政策、教室でのニーズという5つのテーマに分かれてもたれた。

「ソウル宣言」が指摘する現状と課題

 今回のワークショップで出された「ソウル宣言」は、東北アジアの学校における人権教育プログラムの現状をわかりやすく伝えている。

 経済的、政治的状況の変化を見れば教育の改革のためのはっきりとした環境がある、つまり、民主化と経済発展は適切な人権教育プログラムを社会に適応させる力になっていること。また、人権を教えるための学校カリキュラムの変革に、人権尊重の伝統的文化的価値の活用も見られることが述べられている。また、人権教育プログラムの発展において、社会の様々なセクターの関わりが認識されたこと、教育省(文部省)は、生徒、親、地方自治体、大学、研究機関、NGOそして人々と共に、人権教育推進に努めていることなどを指摘している。

 宣言は既存のプログラムの様々な問題点もまた指摘している。学校カリキュラムに人権が体系的に統合されていない点、採用前または採用後の教員研修において人権に関して学べるコースが不十分な点、また、人権教育の財政的支援が欠如しているといった点である。

 「ソウル宣言」はまた、人権教育の教員トレーニング、カリキュラム開発、課外活動、政策づくり、教室でのニーズ、今後の取り組みに関して勧告をしている。勧告は概して政府の支援を強めることを奨励している。教育の様々なレベル(学年)や活動でカリキュラムの一部に人権を含めること、教員を支援すること、保護者や地域に根ざした組織(NGOを含む)と連携すること、適切な政府機関と密に協力すること、アジア・太平洋の地域機関や国連からの支援を得ることなどの重要性を強調している。

 このトレーニング・ワークショップは、韓国教育省が現地主催者となり、UNESCO韓国委員会とヒューライツ大阪の後援で開催された。アジア・太平洋地域から数人がワークショップのファシリテーター役として招待された。開会セレモニーでは、キム・ダクチョン韓国教育省大臣、P.N.バグワティ・アジア・太平洋地域人権アドバイザー、ヘルガ・クレイン国連人権高等弁務官事務所職員、カン・タイジュン・ユネスコ韓国委員会事務局長、そしてキム・ドンフン・ヒューライツ大阪所長が演説を行った。

(この文章はニュースレター第29号からの抜粋です。)

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