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国際人権ひろば No.94(2010年11月発行号)

号外版:「ジュネーヴ・スタディツアー2010」(9月12日~9月18日)の感想文

ジュネーブ・スタディツアーに参加して

関 めぐみ
大阪府立大学人間社会学研究科大学院

 
 参加したきっかけは、ゼミの先生からチラシを頂いたことだった。国連に行き、人権問題を学ぶという魅力的なツアーに惹かれ、その日のうちに申し込んだ。国際機関について、人権問題について、ましてヒューライツ大阪についても何の知識もなかったが、「おもしろそう」だという理由だけで参加させていただいた。そのため、出発前に「国際機関の人権活動入門編」というタイトルで、事前学習を行っていただいたのはありがたかった。基本的な組織の構造、内容から、元国連職員としての体験談など、また、旅行についての注意事項等、出発前に知っておくべき情報を知ることができ、旅行についての不安についても解消された。
 長時間のフライトではあったが想像以上に快適で、乗換えやスイス上空からの山々の景色も楽しむことができた。街の中にも緑が多く、建物のベランダには花が飾られ、様々なところに国旗とジュネーブ市の旗がはためいており、色彩が鮮やかだった。国連に初めて訪れた際には、建物の前にある“BROKEN CHAIR”というオブジェに目を奪われた。私の卒業論文が地雷問題についてだったこともあり、その存在や、その場所に置かれている意味などを考えさせられた。入念なセキュリティーチェックの後、実際に国連の中に入ると、「国際機関」というだけに身構えるような雰囲気かと思いきや、数々の美術品があり、美しい庭があり、お土産物屋さんが入っていたりと予想外に開けた空間だった。会議を傍聴した際も、建物内を案内していただいた時も、今世界中で起こっている問題という「現実」から、あまりにもかけ離れているのではないかという気持ちがした。カフェテリアのボリューム満点のランチを食べながら、飢餓について考えることに疑問を感じた。しかし、IMADR(反差別国際運動)で働く白根さんから、何よりも「現場」を大切にしているというお話を聞くことができ、NGOの声の重要性を感じることができた。世界の約束が作られる場をこの目で見ることができたことは、私にとって非常に貴重な経験となった。
 その他、OMCT、ILO、市役所など、個人の旅行では経験できないことや、アール・ブリュット美術館でのアウトサイダー・アートの見学など、毎日が充実していた。日本に帰ってきてからも、新聞等で国際機関の動きや、その他人権に関わる問題に注目するようになった。このスタディーツアーで学んだことを忘れずに、「自分に何が出来るか」を考えていきたい。
 このツアーを通して出会えた皆様、たくさんの刺激をありがとうございました。