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国際人権ひろば No.88(2009年11月発行号)

特集:「移住」の視点からみる韓国・済州島スタディツアー Part5

済州スタディツアー

号外版:「済州島スタディツアー2009」(8月25日~8月28日)の感想文

佐藤温
京都女子大学現代社会学部3回生

 済州島に関する知識、まったくなし。恥ずかしながら、ヒューライツ大阪で行われた事前学習会において初めて済州島の歴史を知った。おそらく今回のツアーで私以上に韓国・済州島に関して無知な参加者はいなかっただろう。まずは「知る」ことから。済州島での4日間は新たな発見の連続であった。
 この旅で一番驚いたことは済州島の性別役割分業の仕方だ。済州島の女性は子育て、家事、仕事を一手に担っており、男性は「家の中でだーらだらして、仕事しない」そうだ(4日目、民族村の案内をして下さったガイドの女性がおっしゃっていた)。思い返せば道中、畑仕事をしていたのも女性、定食屋さんをしきっていたのも女性であった。
 1日目に訪れた海女博物館でも、島の経済を支えてきた女性たちの文化を垣間見ることができた。働きながら子守りをするためのゆりかごや、海から上がった女性たちが火で体を温めた岩場の模型が展示されていた。働きながら子育てをすることが当たり前のため、お互いの子育てを助け合うコミュニティも自然と形成されたという。
 日本はといえば「男が外に出て働き、女は家の中で家事・育児をする」という考えが強い。現状では、女性が仕事・子育てを両立することは未だに困難である。私は前期の間「どうしたら仕事をしながら子育てができるのだろう」ということを課題に「女性の就労と育児の変遷」について学んできた。済州島の女性の文化をさらに詳しく勉強すれば、課題に対するヒントが得られるかもしれないと感じている。
 済州島での4日間、長いようであっという間に過ぎて行った。今回のツアーでは自分の無知さを思い知る機会が多く、まずは「知る」ところからスタートせねばならないと感じている。今まで自分が触れ合うことのかかった歴史、知識、人物、文化等々多くの出会いを大切にし、今後に生かしていきたい。