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入管庁、永住許可ガイドライン改定案のパブコメを募集(9/3まで)-厳格化の方針

 出入国在留管理庁(入管庁)は8月4日、「永住許可に関するガイドライン改定案」を発表し、9月4日0時(実質3日)まで意見募集(パブリック・コメント)を開始しました。改定案は、日本人世帯の平均を上回る年収水準を求めたり、年金受給見込み額の要件を高くするとともに、「国益」に関する要件を明確にするなど現行のガイドラインより著しく厳格化した内容です。経済的資力がある一部の外国籍住民をのぞいて永住資格への道が閉ざされるのではとみられています。ガイドラインは10月に改定され、2027年4月から施行される見込みです。
 入管法に基づく現行のガイドラインは、(1)素行が善良、(2)独立の生計を営める資産または技能を有する、(3)日本の国益に合致する、という3要件が示されていますが、細部にわたる基準は定められていません。一方、改定案では、とりわけ独立生計要件と国益要件に関して以下のように厳しい内容になっています。

<独立生計要件>
・収入:世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達している(基準の引き上げ)
・年金:将来の受給見込額が上記の年収水準で30年間厚生年金に加入していた水準に達している
<国益要件>
・考え方:積極的かつ具体的に永住者が日本に利益をもたらす必要があることを明記
・公共の負担とならないこと:独立生計要件を求められていない日本人・永住者・特別永住者の配偶者等や難民であっても、負担となるおそれがあれば消極評価
・日本語能力: B1相当(自立した言語使用者、日本語能力試験(JLPT)でN3レベル)
・日本の制度などの理解:理解が乏しい者は消極評価
・子の就学:義務教育期間の学齢期に子どもを就学させていなければ消極評価
<その他>
 日本人・永住者の配偶者等は、日本に原則10年在留という要件の特例として、これまで婚姻期間3年かつ在留期間1年で永住許可の申請が認められていましたが、それぞれ5年と3年に延長するとしています。改定ガイドラインの施行は2027年4月からとしているものの、収入に関する条件は2026年10月施行としています。
 
 改定案では、収入に関して、具体的な金額水準は示されていないものの、厚労省の国民生活基礎調査によると、2024年の全国の平均所得金額は約575万円です。これを所得金額階級別に相対度数分布でみると平均以下の世帯は約62%です。すなわち、「日本人世帯の平均収入を上回る水準」は、日本の過半数の世帯より高い水準にあたります。また、これまで年収約300万円で許可されていたことから、2倍近い収入水準が求められることになります。

移住連など市民団体、ガイドライン改定案に反対声明
 ガイドラインの改定案を受けて、NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)は8月7日、多くの外国籍者に「事実上、永住への途を閉ざすものであり、多民族・多文化共生社会に真っ向から反するものである」と反対し、撤回を求める声明を発表しました。声明は、ガイドライン案が成立すれば、他の在留資格の審査の厳格化、在留期間更新・在留資格変更手数料の大幅な引き上げ(「永住許可」は1万円から20万円に)とあわせて、多くの外国籍者が不安定な法的地位にとどまるか、日本での在留を諦めることを強いられると述べています。そして、永住許可の厳格化は、日本から活力を奪う結果をもたらすと警告しています。
 また、「STOP排外主義!近畿弁護士有志の会」は7月28日に発表した「反対声明」では、「ガイドラインの厳格化は、日本で暮らす外国籍住民の幸福追求を著しく阻害し、人としての尊厳を傷つけるものと言わざるを得ない」と批判しています。そして、「今の日本社会にガイドラインの急激な厳格化を必要とする理由は見出しがたく、改定案は目的の正当性と手段の適切性のいずれも満たさない」と述べています。

「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン案」に関する意見募集も
 入管庁は、永住許可のガイドライン改定とあわせて、2027年4月から「永住資格取り消しのガイドライン」も新たに設定する方針です。取り消し事由となる「故意に税金や社会保険料の支払いをしない」「在留カードの携帯・提示など入管法上の義務違反」といった具体的な事例や考え方を示し、同じく9月3日までパブコメを募集しています。

<出典>
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&Mode=0&id=315000140
永住許可に関するガイドライン改定案に係る意見募集について(出入国在留管理庁、2026年8月4日)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html
永住許可に関するガイドライン(2026年2月24日改訂)出入国在留管理庁
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000141&Mode=0
永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン案に係る意見募集について(出入国在留管理庁、2026年8月4日)

https://migrants.jp/news/voice/20260807.html
【団体賛同受付中】永住許可に関するガイドラインの厳格化に強く反対し、撤回を求める声明 (移住者と連帯する全国ネットワーク、2026年8月4日)
https://x.com/stophaigai/status/2082113862913142822
永住許可に関するガイドラインの厳格化に反対する声明 (STOP排外主義!近畿弁護士有志の会、2026年7月28日)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2024/10/925.html
永住資格取り消しを盛り込んだ改定入管法に懸念を示した人種差別撤廃委員会の書簡に、日本政府が「改正入管法の規定は適切」と回答(9/25)-移住連が批判の声明
(ヒューライツ大阪、2024年10月11日)


(2026年08月18日 掲載)