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国連専門家ら:日本軍「慰安婦」サバイバーへの正義・真実・賠償がいまだ実現していない状況に深刻な懸念(3/6)

 3月6日、国連の専門家ら[1]は、第二次世界大戦中に大日本帝国陸軍によって設置・管理された「慰安婦」制度のサバイバーに対する正義が依然として実現されていない状況について、深刻な懸念を表明しました。

 「約80年が経過した現在もなお、サバイバーとその家族は、真実・正義・賠償、そして記憶の継承に対する権利を否認され続けている」

 「慰安婦」制度のもとでは、20万人もの女性や少女が、人身取引、強かん、性奴隷状態にさらされたほか、恣意的な自由の剥奪、強制失踪にも遭ったケースも報告されています。韓国、中国、オランダ、東ティモール、インドネシア、フィリピンなどを出身とするサバイバーの多くはすでに亡くなっており、現在生存している人々も高齢となっています。

 「2015年の日韓合意など、この問題に対処しようとするこれまでの取り組みは、サバイバーを中心に据えた正義を実現するには至らなかった」と専門家らは指摘しています。

 「国家には、サバイバーが正義と賠償にアクセスできるよう確保する義務がある。外交的合意が個人による責任の追求に取って代わったり、それを排除したりしてはならない」

 さらに専門家らは、サバイバーたちの出身国の政府にもまた、彼女たちが正義と救済にアクセスできるようにする明確な義務があることを強調しています。

 専門家らは、「この問題に関する私たちの書簡に対して複数の国から回答が寄せられたことは歓迎するが、サバイバーたちには積極的かつ継続的な支援が必要であることを改めて強調する」とし、「これには、法的援助やその他の実務的支援の提供、関連記録の保存および適切な場合の機密解除、さらに責任追及を前進させることを目的とした外交的努力が含まれる」と指摘しています。

 専門家らはまた、複数のサバイバーおよびその家族が、自国の裁判所および日本の裁判所で訴訟を提起していることにも言及し、「このような取り組みは、重大な人権侵害について認定し賠償を確保するための正当な手段として、奨励され支援されるべきである」と述べています。

 「主権免除は、戦争犯罪および人道に対する罪についての責任追及を免除する根拠として用いられるべきではない」

 専門家らは日本政府に対し、サバイバーたちの正義、賠償、そして完全かつ効果的な救済への権利を認め、それを履行するよう求めており、これには、公式の謝罪、十分な補償、そして再発防止の保証が含まれます。また、教育資料、記念碑、追悼行事などを通じて歴史の記憶を保存することの重要性を強調しています。

 「高位の公職者が残虐行為を否認したり、サバイバーやサバイバーが主導する団体、研究者、ジャーナリストに対する嫌がらせを行うことは、責任追及と救済に向けた努力を著しく損なうものである」とも専門家らは述べています。

 「サバイバーたちは、承認、謝罪、そして救済を得るために何十年も待たされてきた。私たちは、関係するすべての国に対し、これ以上遅れることなく行動するよう求める」

 国連専門家らは、日本、韓国、中国、インドネシア、東ティモール、オランダ、フィリピンの各政府とこの問題について連絡を取り合ってきたとしています。

【出典】

Justice, truth and reparations long overdue for survivors of so-called 'comfort women' system: UN experts

https://www.ohchr.org/en/press-releases/2026/03/justice-truth-and-reparations-long-overdue-survivors-so-called-comfort-women


[1] 声明を発表した国連専門家らは以下の通りです。

女性および少女に対する差別に関する作業部会
クラウディア・フローレス(議長)、イヴァナ・クルスティッチ(副議長)、ドロシー・エストラーダ=タンク、ハイナ・ルー、ローラ・ニイリンキンディ

女性および少女に対する暴力に関する特別報告者
リーム・アルサレム

強制的または非自発的失踪に関する作業部会
ガブリエラ・チトローニ(議長報告者)、グラジナ・バラノフスカ(副議長)、アウア・バルデ、アナ・ロレナ・デルガディージョ・ペレス、モハメド・アル・オバイディ

人権擁護者の状況に関する特別報告者
メアリー・ローラー

人身取引(特に女性と子ども)に関する特別報告者
シボーン・マラリー

真実、正義、賠償および再発防止保証の促進に関する特別報告者
ベルナール・デュエム

子どもの売買、性的搾取および性的虐待に関する特別報告者
ママ・ファティマ・シンガテ

現代的形態の奴隷制に関する特別報告者
小保方 智也

(2026年03月12日 掲載)