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住居に対する権利に関する特別報告者、「再定住に関する指導原則」を発表(3/4)

 適切な住居に対する権利に関する特別報告者であるバラクリシュナン・ラジャゴパル氏は、「再定住の過程は人権をまもるものでなければならない」と述べ、新たに策定した「再定住に関する指導原則[1]」を人権理事会に提出しました。

 特別報告者は、「立ち退きや強制移動の後の再定住は非常に大きな課題であり、世界的に見てもその対応は十分とは言えない」と述べ、「立ち退きや強制移動そのものには、当然ながら一定の注意が払われることが多いものの、人々が生活の場から引き離されることになった後に何が起こるのか、あるいは何が起こるべきなのかという点は、しばしば見過ごされている」と指摘しています。

「この指導原則の目的は、国際法、政策、実務におけるこの空白を埋め、立ち退きや強制移動を余儀なくされたすべての人々の再定住において、人権基準に則った解決策を確保することにある」と特別報告者は述べます。

 特別報告者による今回のテーマ別報告書は、再定住に関する初めての包括的な人権基準となる指導原則を提示するとともに、法的解説も付しています。これらは、再定住の過程およびその結果が、人間の尊厳、平等、参加、非差別を尊重するものであることを確保すると同時に、より公正で公平かつ人権基準に則った住宅および土地のガバナンス制度の構築に寄与することを目的としています。

 再定住に関する包括的なデータは限られているものの、入手可能な証拠によると、計画が不十分であったり実施が適切でなかったりする再定住が、しばしば壊滅的な結果をもたらしてきたことを示しています。そこには、生計手段の喪失、社会的ネットワークの崩壊、そして長期的な住居の不安定化などが含まれています。

 一方で、紛争、災害、気候変動の影響、そして開発圧力や開発事業などにより、安全かつ適切な再定住を必要とする人々の数は急速に増加していると特別報告者は述べます。

 特別報告者は、「国家は、そもそも立ち退きや強制移動を回避し、防止することを最優先にしなければならない」とし、「土地の取得、収用あるいは収用権の主張が、強制移動や再定住を招くおそれがある、あるいは実際にそれにつながる場合には、国際人権規範および基準を厳格に遵守することを前提としなければならない。また、それを単に『公共の利益のためである』と宣言するだけでは正当化することはできない」と述べます。

 「再定住が避けられない場合には、それは人々の生活条件を悪化させるのではなく、むしろ改善するものでなければならず、また、安定した居住権、サービスへのアクセス、生計手段、開発による利益の分配、そしてコミュニティの生活を保障するものでなければならない」

 この指導原則は、再定住の過程のすべての段階において、国家、国際機関、企業および非国家主体[2]に指針を提供することを目的としています。また、特別報告者がこれまでに総会および人権理事会に提出した再定住に関する二つのテーマ別報告書の知見を基礎とし、それらを統合したものとなっています。

「私は、国家、国際機関、企業および非国家主体に対し、この指導原則を立法、政策枠組み、そして実務運用に組み込むよう求める。この指導原則は、再定住が剥奪ではなく、コミュニティ主導の発展の機会となることを確保するための実践的な道筋を示すものである。そして、世界中で再定住の実務とその結果を改善するための具体的な行動を促す契機となることを期待している」

【出典】

Special Rapporteur on housing launches Guiding Principles on Resettlement

https://www.ohchr.org/en/press-releases/2026/03/special-rapporteur-housing-launches-guiding-principles-resettlement


[1] https://docs.un.org/en/A/HRC/61/43

[2] 指導原則において非国家主体(Non-State actors)とは、「武装集団、事実上の統治当局、または領域に対する支配を行っている、あるいは強制移動や再定住に関わる権利に影響を及ぼす能力を有する民間主体を含む。これには、非営利活動や資金提供の仕組みを通じて影響力を行使する主体も含まれる」とされます。

(2026年03月12日 掲載)