人種差別撤廃委員会(CERD)は12月2日に「日本による第12回から第14回までの報告書提出に先立つ質問リスト(LOI)を採択し、12月5日にCERDのウェブサイトに公表しました。
CERDは今回のLOIを作成するにあたり、2025年8月下旬をめどに市民社会組織に、人種差別撤廃条約の実施状況に関する情報を求めていました。CERDは、これまでの報告書の審査や、他の条約機関の総括所見、市民社会組織からの情報などをもとにLOIをまとめました。
今回のLOIは、様々な課題を、人種差別撤廃条約の1条(人種差別の定義)、2条(差別撤廃義務)、4条(人種主義に基づく差別と扇動の禁止)、5条(法律の前の平等)、6条(人種差別に対する救済)、7条(人種差別い対する闘いと教育)の条文に当てはめ、日本政府に、方針や施策に関する説明を求めています。全体で61パラグラフあります。
CERDがLOIで対象としている権利の主体は、在日コリアン、移民(労働者、女性、子ども)、難民・庇護希望者、アフリカ系住民などの外国籍者、無国籍者、アイヌおよび琉球/沖縄の人々を含む先住民族、被差別部落出身者などです。これらの人々の生活、就労、教育、言語、医療・保健、社会保障、在留などをめぐる政策課題に関して、政府に具体的な説明を求めています。また、外国ルーツの人たちに加えてマイノリティの人々に対するヘイトスピーチへの対応の詳細情報を求めています。
さらに、人権諸条約機関による日本報告書審査で必ず取りあげられる、国内人権機関の設立、包括的な反差別法の制定、個人通報制度の受け入れに関する進捗状況についても説明が求められています。
これらの設問に対して、日本政府は回答を送付するよう要請されており、その回答が人種差別撤廃条約についての第12回から第14回合同の日本政府報告書となります。
<出典>
https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=2793&Lang=enhttps://tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=2793&Lang=en
CERD- International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination
116 Session (17 Nov 2025 - 05 Dec 2025)
List of issues prior to reporting (LOIPR) Japan
(2025年12月09日 掲載)