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G7に向けてLGBTQ+の人権保護と議論促進を求める「Pride7 サミット2023」が開催されました(3/30)

 G7の開催に当たってはこれまでも各国政府から独立し、国際社会におけるステークホルダー(市民団体、非営利団体、企業等)によって構成されるG7オフィシャル・エンゲージメント・グループが存在し、それぞれのアジェンダがG7の議題となるよう、各国首脳に対する働きかけが行われてきました。既存のオフィシャル・エンゲージメント・グループには例えばジェンダー平等を求めるW7(Women7)、市民社会の声を届けるC7(Civil7)、ユースの声を届けるY7(Youth7)などがあります。そこに今回新たに、LGBTQ+に関連する政策提言を行うエンゲージメント・グループとしてP7(Pride7)が立ち上がった形です。P7の実行委員会は、当事者団体を含むLGBT法連合会、マリッジフォーオールジャパン、ヒューマン・ライツ・ウォッチで構成されています。

 実行委員会は今回の立ち上げの背景について、LGBTQ+の人権に関して、日本がG7の日本を除いた6ヶ国に比べ大幅に遅れている現状があるとしています。日本にはLGBTQ+についての差別禁止法がなく、それどころか、「LGBT理解増進法」ですら「差別は許されない」という文言について、与党内で「行き過ぎた運動や訴訟につながるのではないか」「自分は女性だと主張する男性が、女湯に入ることを要求するようなケースが生じかねない」「『差別は許されない』という一文が入ると、法律の目指すところが『寛容な社会』とは意味がちょっと変わってくる」といった意見が出て議論が紛糾、成立の見通しが立っていません。また、政府高官や政治家による差別的発言も絶えず、荒井首相秘書官は性的マイノリティ、同性婚に関して「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」「認めたら、日本を捨てる人も出てくる」と発言し、更迭されたばかりです。これに関しては、エマニュエル米大使が主導して、日本を除くG7各国とEUの駐日大使が連名で、性的マイノリティの権利を守る法整備を求める書簡を岸田首相宛に、取りまとめたほどです。

 P7サミット当日は、日本を除くG7全ての国と、オランダ、メキシコ、オーストリア、オーストラリアの大使が出席し、経済、労働界、オフィシャル・エンゲージメント・グループからも発言がありました。加えて、グローバルサウス(発展途上国)も含む10ヶ国の当事者・支援者団体も参加し、各国の現状を共有しました。政治家の出席も多く、開会には首相補佐官としてLGBT理解増進担当である森まさこ参議院議員があいさつ。「多様性が尊重され、すべての人々がおたがいの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした生活を享受できるよう、しっかりと取り組み、国の内外に示し、丁寧に説明していきたい」などと述べました。その後、自民党、公明党、立憲民主党、共産党、社民党、国民民主党、れいわ新撰組、日本維新の会など与野党から議員があいさつしました。

 一連のあいさつの後、差別禁止法、婚姻平等、法的性別認定等を含むコミュニケ(提言)に関する議論が完全非公開で行われました。コミュニケは4月中に公開し、各国政府に提出することが各エンゲージメント・グループの目標とされています。

(ヒューライツ大阪 嘱託研究員 福田和子)

参考
「Pride7サミット2023 概要」
https://www.marriageforall.jp/pride7/
「レポート:P7サミット」
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/features/2023/59.html


(2023年04月26日 掲載)