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日本政府、第3回UPRの勧告に対して見解を発表(2018年3月1日付)

 国連人権理事会は2017年11月14日、日本の人権状況の定期審査を行いました。この審査は、UPR(普遍的・定期的審査)と呼ばれ、2006年の国連人権理事会の創設に伴い新たに作られた制度です。約4年に一度のペースで、国連加盟国193ヵ国すべての国の人権状況が審査されます。2017年の審査は、日本にとって3回目の審査で、106ヵ国から合計217の勧告が出されました。その勧告に対し、2018年3月1日付で日本政府が見解を発表しました。
 日本政府に対して多く出た勧告と、それに対する日本政府の見解は以下の通りです。

◆勧告に対する日本政府の見解(views)は次の4通りでした。
・フォローアップすることを受け入れる(Accept to follow up)
・一部、フォローアップすることを受け入れる(Partially accept to follow up)
・留意する(Note)
・受け入れない(Not accept)


①死刑廃止について
・死刑廃止:パラグアイ、ポルトガルなど5ヵ国
・死刑廃止を定めた自由権規約第二選択議定書の批准:アルゼンチン、モンテネグロ、ドイツなど9ヵ国
→受け入れない

②死刑の執行停止の導入:イタリア、ノルウェーなど30ヵ国
→受け入れない

③国内人権機関(National Human Rights Institution)の設置について
チリ、コロンビア、クロアチア、マレーシアなど30ヵ国
→フォローアップすることを受け入れる


④人権条約に付随する選択議定書(個人通報制度など)の批准について
・社会権規約選択議定書の批准:ポルトガル
・女性差別撤廃条約選択議定書の批准:ボスニア・ヘルツェゴビナ、ジョージア、パナマ、トーゴ、トルコ、ブラジル
・拷問等禁止条約選択議定書の批准:ジョージア、チリ、デンマークなど10ヵ国
 →フォローアップすることを受け入れる

⑤移住労働者権利条約の批准:エジプト、トルコ、インドネシアなど12ヵ国
 →フォローアップすることを受け入れる

⑥技能実習制度について
・労働基準違反を是正する具体的な措置を取ること:ポルトガル
・妥当な賃金と安全な労働環境を確保することによって、差別のないディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を確保すること:タイ
・技能実習制度の監督の強化:英国
→フォローアップすることを受け入れる

⑦差別禁止について
・包括的な差別禁止法の採択及び実施:ドイツ、オランダ、コートジボワールなど17ヵ国
 →留意する
・ヘイトスピーチの禁止:ロシア、サウジアラビア、シエラレオネなど6ヵ国
 →留意する

・在日コリアンに対する差別や嫌がらせを許容する国の政策及び規則の廃止:北朝鮮
 →受け入れない(そのような政策及び規則は存在しないため)
・部落民及び先住民族(アイヌ、琉球)などマイノリティへの差別の防止措置:ペルー、パラグアイ
 →一部フォローアップすることを受け入れる
 (日本政府はアイヌ民族のみを日本の先住民族として認めているため)


・LGBTIの権利保護:
a) LGBTIの権利保護/促進のための差別禁止法の実施:米国、ホンジュラス、メキシコ、アイルランド
 →留意する
b) 性的指向及び性自認に基づく差別に対する措置:ニュージーランド、コロンビア
 →フォローアップすることを受け入れる
c) 同性婚の承認:スイス、カナダ
 →一部フォローアップすることを受け入れる(国レベルでの同性婚の承認は、日本の家族法制に多大な影響を及ぼすため)

・障害者権利条約の実施、障害者の状況向上のための措置:ラオス、ニュージーランド、シンガポールなど8ヵ国
 →フォローアップすることを受け入れる
  ただし、「自由を奪われた障害者の安全及び個人の統合性を守るために、障害者権利条約第14条に関する委員会のガイドラインを順守することを含め、同条約の義務を完全に履行すること」というニュージーランドによる勧告に対しては、一部フォローアップすることを受け入れる(ガイドラインには法的拘束力がないため、ガイドラインの順守を除いて受け入れる)

⑧ジェンダー平等の推進について
・ジェンダー平等の促進/男女共同参画基本計画の実施:ミャンマー、バーレーン、インドネシアなど19ヵ国
 →フォローアップすることを受け入れる

⑨「高校無償化」について
・朝鮮学校の「高校無償化」:北朝鮮
 →受け入れない
・「高校無償化」を国内の全ての学校に拡大すること:ポルトガル
 →留意する
・マイノリティの子どもが差別されることなく教育を受ける権利を確保すること:オーストリア
・全ての人に就学への完全なアクセスを確保すること:パレスチナ
 →フォローアップすることを受け入れる

⑩慰安婦問題について
・慰安婦問題の被害者に対する謝罪や補償:北朝鮮と中国
 →受け入れない
・将来世代が、慰安婦問題を含む歴史の真実を学ぶこと:韓国
 →留意する

⑪福島原発事故の被災者の権利保護について

・被災者への支援の継続:オーストリア
・被災者への国内避難民に関する指導原則の適用:ポルトガル
・被災者の最高水準の心身の健康に対する権利の尊重、医療サービスへのアクセスの保証:ドイツ、メキシコ
 →フォローアップすることを受け入れる

⑫ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)の策定について
・ビジネスと人権に関する国内行動計画の作成:アルジェリア、エジプト、ハイチ、ケニア
・海外業務における人権尊重の考慮:アルジェリア
 →フォローアップすることを受け入れる

⑬メディアの独立について
・メディアの独立性を確保するための包括的措置:ロシア、米国、オーストリア、ベラルーシ
 →受け入れない

         (構成:稻田亜梨沙・ヒューライツ大阪インターン)

<出典>
第3回UPR日本政府審査・勧告に対する日本政府見解(2018年3月1日付)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000326823.pdf(外務省)


<参考ページ>
・国連人権理事会の普遍的・定期的審査(UPR)作業部会で日本の人権状況審査‐217の勧告(11月14日・16日)[ヒューライツ大阪]
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2017/11/upr218111416.html
・国連人権理事会の日本政府審査(UPR)の結果文書、外務省のサイトに翻訳掲載(2018年1月)[ヒューライツ大阪]
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2018/01/upr20181.html


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