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国連人権理事会の普遍的・定期的審査(UPR)作業部会で日本の人権状況審査‐217の勧告(11月14日・16日)

 国連人権理事会は11月16日、日本の人権状況の定期審査で各国から出た勧告をまとめた報告書案を公表しました。
この審査は、UPR(Universal Periodical Review=普遍的・定期的審査)と呼ばれ、2006年の国連人権理事会の創設に伴い新たに作られた制度です。約4年に一度、国連加盟国193カ国すべての人権状況が審査されます。日本にとって3回目となる今回の審査は、人権理事会のUPR作業部会によって11月14日ジュネーブで行われました。
 
UPR作業部会による審査
UPR作業部会には国連加盟国すべてが議論に参加できますが、NGOは傍聴することができます。NGOからの情報提供は、作業部会の前に書面提出でなされるか、非公式に開かれる事前の集まりで行われました。
審査の基礎となる情報文書は、被審査国の政府が提出した報告書、被審査国に関する国連条約監視機関などによる報告、関連する国連公用文書を編集した文書、NGOなどが人権高等弁務官事務所に提出した情報を要約した文書です。
 
日本の人権状況審査106カ国の代表から勧告
今回、UPR作業部会の日本の人権状況の審査は、日本政府代表による報告書(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000297320.pdf)の説明から始まりました。 第二回目の審査以降の動き、とくに前回審査で出された勧告をどのように法的、制度的進展に生かしてきたかが述べられました。
障害者権利条約の批准(2014年)、国際的な子の奪取の民事上の側面に関するハーグ条約に加入(2014年)、国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約および同人身取引議定書に加入(2017年)が挙げられました。さらに、勧告を受けて行ってきた施策などについての説明が政府代表によって行われました。
 
それに続いて106カ国の代表から合計217の勧告が出されました。非常に多岐にわたる勧告のなかでも、死刑の執行停止、死刑の廃止を求めるもの、国内人権機関の設置を促すもの、いくつかの人権条約に付随する選択議定書(個人通報制度などに関するもの)の受諾を促すもの、移住労働者権利条約の批准を促すもの、ヘイトスピーチをはじめとするさまざまな差別に対処するための立法や施策を促すもの、人身取引犯罪対処の強化を求めるもの、ジェンダー平等や女性のエンパワメントを推進するための立法や施策を求めるもの、女性に対する暴力への対処の強化を求めるもの、子どもの保護、福祉施策推進を求めるもの、障害者の権利促進を求めるもの、福島原発事故の被害者の人権保護を求めるもの、ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)の策定を促すもの、マイノリティや先住民の人権保護を求めるもの、などについては複数の国々から勧告が出されました。
UPR作業部会は、11月16日に報告書案(A/HRC/WG.6/28/L.12)を採択しました。この報告書は次回(2018年2月~3月)の人権理事会に提出されることになります。
(白石理・ジュネーブより)

(2017年11月17日 掲載)