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大阪市の施設でのヘイトスピーチ団体の集会に、抗議多数(3月13日)

ヘイトスピーチ団体による二つの集会
 大阪市で1月に制定され、部分的に施行されている「ヘイトスピーチへの対処に関する条例」に対して人種差別扇動を続けるグループのメンバーたち(主催者側)が3月13日、大阪市の施設2カ所を利用して集会を開きました。
 同日午前中、「在日特権条例に抗して日本人を守る講演会」と題した講演会が平野区内で開かれました。施設前にはヘイトスピーチを行う可能性がある団体・個人に市の施設を使用させるべきではないとして、部落解放同盟や市民団体など200人以上が集まり抗議を行いました。周辺は住宅街であることを考慮して、横断幕やプラカードを掲げながらの静かなアクションとなりました。主催者側のメンバーのみ入場が認められましたが、参加者は10数名にとどまりました。
 午後、主催者側は東住吉区の施設に移動し、「大阪市ヘイトスピーチ規制条例と表現の自由のあり方について」と題する公開討論会を開催しました。主催者側があらかじめヘイトスピーチへの対抗行動に取り組んでいる市民グループのC.R.A.C.(対レイシスト行動集団)などに参加を呼びかけていたことから、抗議する側は、討論に参加する人たちと、会場前での抗議行動の二手にわかれました。

かみ合わなかった議論
 討論会には合計70人ほどが参加しましたが、抗議する側が圧倒的多数を占めました。主催者側は、大阪市の条例が「在日特権」であること、自分たちの行動は「政治主張」であることを主張しました。それに対して、抗議する側からスピーカーとして呼ばれていたC.R.A.C.の創立者の野間易通さんが、主催者側の主張の根幹とする「在日特権」をはじめとする誤った認識を一つひとつ論破していきました。
 在日コリアンの歴史および現状認識について主催者側とヘイトスピーチに反対する側とのあいだで立脚点が全く異なることから、3時間の議論はほとんどかみ合わなかったものの、主催者側の中心スピーカーであった瀬戸弘幸さんは、条例が在日コリアンのみの立場にたった内容ではないと諭された結果、今後「在日特権条例」と呼ぶことをやめると述べるに至りました。
 討論会の最後は双方の怒号が飛びかい緊張した状態になったことから、主催者側は警察にエスコートされながら会場を去りました。

条例施行後の課題
 今回の集会を企画した人物は、2009年から10年にかけて行われた京都朝鮮第一初級学校襲撃事件、徳島県教職員組合事務所乱入事件などで執行猶予付きの有罪判決を受けるとともに、2011年の水平社博物館前差別街宣事件で損害賠償を命じられるなどの背景があり、現在も差別主義的な活動を続けています。
 それに対して、条例制定のために活動してきた「いっしょにつくろう!大阪市ヘイトスピーチ規制条例」や部落解放同盟大阪府連など市民団体が、市の施設の使用させるのは、条例の趣旨や人種差別撤廃条約に反するものだと大阪市に利用許可を取り消すよう求めていました。しかし、大阪市は憲法が保障する表現の自由の観点などから拒むことは難しいと判断を示していました。
 条例は2016年7~8月をめどに完全施行される見通しですが、市の施設の使用制限に関しては盛り込まれていないことから、ヘイトスピーチが目的だと見込まれる集会であっても市施設の利用を拒否するといった事前規制をめぐる課題を今後も残しています。

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大阪市平野区の施設前で講演会に抗議する人たち
 

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大阪市東住吉区の施設前で講演会に抗議する人たち
 

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公開討論会のもよう。左から2人目が野間易通さん、3人目が瀬戸弘幸さん

<参考>

http://togetter.com/li/949370
【大阪】ヘイトスピーチ常習者による公共施設使用に200人以上がサイレントカウンター 2016/3/13(午前の部)

http://togetter.com/li/949372
【大阪】大阪市ヘイトスピーチ対処条例をめぐる討論会 2016/3/13 

https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2016/02/219.html 
市民グループ、ヘイト団体への大阪市の施設使用許可の取り消しを要請(2月19日)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ


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