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国際刑事裁判所規程の「侵略の罪」に合意

 国際刑事裁判所(ICC)規程の締約国は、11日、ICCが取りあげることのできる犯罪として、集団殺害、人道に対する罪、戦争犯罪と並ぶ4つ目の犯罪、侵略の罪について、定義とICCの管轄権の行使の条件に関して合意しました。

 ICC規程は2002年に発効し、現在、コンゴ民主共和国、中央アフリカ、ウガンダ、スーダンに関する事件が付託され、戦争犯罪、人道に対する罪などで公判も開始されています。

 侵略の罪については、定義、管轄権行使の条件について規程が発効した後に決めることになっており、締約国間で検討が進められてきましたが、5月31日から6月11日までウガンダのカンパラで開催されたICCのレビュー会議で、侵略の罪に関してICC規程を改正する決議が採択されました。

 改正によると、侵略の罪は、国家の政治的、軍事的行動を実質的に支配、または指揮することのできる地位にいる人による、性質、重大性および規模によって国連憲章の明らかな違反であると判断される侵略行為の計画、準備、開始、または実施とされています。侵略の行為とは、一国の主権、領域や政治的独立に対して、あるいはその他にも国連憲章に反するような軍事力の行使とされ、具体的に、一国の領域に対する軍事力による攻撃、侵攻、あるいはそれに続く占領、併合、一国の領域に対する砲撃、爆撃、あるいは兵器の使用、一国の港湾、沿岸の封鎖、ある国に別の国に対する侵略を行うためにその領域に使用を認めることなど、1974年の国連総会決議3314にあげられた行為が列挙されています。

 ICCは、締約国の付託により、またはICC規程15条に基づく検察官の職権による捜査開始により、侵略の罪に対して管轄権を行使することができる、という規定も加えられることになりました。その場合、検察官が侵略の罪について捜査する合理的な根拠があるという結論に達した場合、安全保障理事会がその行為を侵略行為と決議したかどうかを確認しなければなりません。ただし、安保理に通知後6ヶ月内にそのような決議がない場合、ICCの予審裁判部の許可により、捜査を行うことができるとしています。いずれの場合も、侵略がICC規程の非締約国の国民により、または領域において行われた場合、あるいは侵略の罪に関する管轄権を認めない旨宣言している締約国の国民によって行われた場合は、管轄権は行使されません。米国、中国、ロシアなどはICC規程を批准していません。(日本は2007年に加入。)

 一方、安保理の付託によっても侵略の罪に関する管轄権を行使することができます。同じように締約国の付託や安保理の付託による管轄権の行使を認める他の罪について、ICCの締約国ではないスーダンのダルフール地方の状況について、安保理の付託により、バシール大統領などに逮捕状が出されています。

 決議では、ICCの侵略の罪に関する管轄権の行使は30カ国の締約国がこの改正を受け入れた1年後以降に起こった行為に対して、2017年1月1日以降、改正に必要な締約国数による決議を経た後に認められるとしています。そのため、ICCが侵略の罪を取りあげるのは2017年以降になります。

 そのほか、戦争犯罪にあたる行為として、非国際的武力紛争における死亡または健康に重大な被害をもたらす毒や有毒兵器の使用、窒息性または有毒なガス、液体、物質や装置の使用、体内で展開などする弾丸の使用を加える改正も決議されました。(6月15日)

 
参照:
Review Conference of the Rome Statute concludes in Kampala6月12日付ICCプレスリリース http://www.icc-cpi.int/menus/asp/reviewconference/pressreleaserc/review%20conference%20of%20the%20rome%20statute%20concludes%20in%20kampala
レビュー会議決議(ICC)http://www.icc-cpi.int/Menus/ASP/ReviewConference/Resolutions+and+Declarations/
国際刑事裁判所(ICC)ローマ規程検討会議(結果の概要)(外務省)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/icc/rome_kitei1006.html
 
参考:
「日本が国際刑事裁判所規程に加入」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(07年7月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2007/07/post.html
「国際刑事裁判所が初めて容疑者を起訴」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(06年9月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2006/09/post-21.html
 


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