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2.国内人権機関Q&A

(3)人権侵害であるかどうかは、裁判所が判断すべきではないでしょうか。

 人権侵害に限らず、なんらかの被害を受けた人が最後の砦とするのは裁判所です。ですが、人権侵害を受けた人が裁判に訴えることについては、いくつかの乗り越えがたい壁があります。

 第一に、裁判には時間とお金がかかるということです。解決までに何年もかかるとなれば、人権侵害の状態がそれだけ続くことになりますし、何年もかけて裁判で争ったとしても、自分の望むような判決が出ない場合もあります。第二に、裁判では原告、この場合は人権侵害を受けたとして訴える人が、相手方のそうした行為が人権侵害であったことを証明しなければならないということです。普通の一般市民にとっても裁判で勝つだけの有力な証拠を集めることは非常に大変なことですが、高齢者や子どもなど自分だけの力では証拠集めが難しいような人の場合、それは一層難しいはずです。第三に、仮に裁判で勝てたとしても、それによって救済されるのは、原則としてその訴えた本人だけであり、同じような被害を受けている人が救済されることにはならないということです。第四に、人権侵害を受けた側にとってはどれほど苦痛であり、ひどい行為であったとしても、現在の法律や制度で違法でなければ、裁判に勝つことは難しいと言わざるをえません。裁判の第一の判断基準は、その時点で有効な法律などに反しているかどうかであり、たとえ日本が批准をしている国際人権法からすれば違法な行為であっても、裁判でその違法性が認められるとは限らないからです。

 現在がそうした状況であることを考えると、裁判所にすべてを任せてしまうと、多くの人が泣き寝入りを強いられることになるでしょう。時代が変われば、人権侵害に当てはまる言動も変わっていきます。そうであれば、裁判所よりも柔軟に人権侵害問題を解決できるような組織をつくっておくことは、誰もが住みやすい社会にするために非常に有効な対策であるはずです。そして、人権機関によって救済される事例がでれば、それは社会にとってもよい教訓となり、再発防止につながったり、人権教育として効果があることも期待できます。

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