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英語版 宣言行動計画

WCR/RCONF/TEHRAN/2001/L.1/Rev.1

2001年2月21日

オリジナル:英語

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議のためのアジア地域準備会議

二〇〇一年二月一九日~二一日 イラン・イスラム共和国 テヘラン

宣 言

前 文

われわれ、二〇〇一年二月一九日から二一日にかけてテヘランで開催された、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議のためのアジア地域準備会議に参加したアジア各国政府の代表は、

イラン・イスラム共和国政府に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議のためのアジア地域準備会議を迎えいれていただいたことへの感謝の意を表し、

地域の全政府の、あらゆる形態および現象の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と闘う意思と決意を強調し、

われわれの社会の不変的特徴である文化的多様性を誠実に受け入れることは、人類全体の進歩と繁栄にとって貴重な資産であることを再確認し、

あらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容、とりわけその最も残酷な形態を、世界から根絶する闘いを強化する必要性を繰り返し述べ、

各国各地域の特殊性およびさまざまな歴史的、社会的および文化的特殊性の意義を忘れてはならないが、一方で、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容のあらゆる行為と闘うために適切な方策および政策を採用するのは、その政治的、経済的および文化的制度に関係なく、国家の任務であることを認識し、

二〇〇〇年九月五日から七日までタイ、バンコクで開かれた、反人種主義・差別撤廃世界会議の準備のためのアジア・太平洋地域専門家セミナー「とくに女性と子どもに関する移住と人身売買」が出した結論および勧告に留意し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議の準備として、ストラスブール、サンティアゴおよびダカールで開催された各地域会議に関心をもって留意し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議の開催をとくに呼びかけている、人権委員会決議1997/74ならびに国連総会決議52/111を想起し、

一九七八年と一九八三年の二回にわたりジュネーブで開催された人種主義および人種差別と闘うための世界会議の結果を想起し、

国際社会の努力にかかわらず、三次にわたる「人種主義および人種差別と闘う一〇年」の基本目的は達成されておらず、今日に至るまで、なお数多くの人びとが人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者となっていることに深い懸念をもって留意し、

一九九三年六月の世界人権会議が採択した「ウィーン宣言と行動計画」は、とりわけ人種優越や排除の原則、あるいは人種主義の現代的形態や現象から生じる人種主義および人種差別の撤廃を、国際社会の第一義的目的と見なしていることをさらに想起し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容は人間の尊厳に反しており、はなはだしい人権侵害になることを強調し、

「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」(人種差別撤廃条約)、および、人種主義や人種差別との闘いに貢献するその他の関連する国際条約や宣言の重要性を力説し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の継続的で暴力的な発生と、特定の人種や文化が他よりも優れているという植民地時代に促進され実践された理論が、今日に至っても何らかの形で提起され続けていることに懸念をもって留意し、

あらゆる種類の人種差別および民族差別的な政策や慣行による過去の問題の適切で完全な解決は、そのような政策や慣行の再発防止や、人民および民族間の友好的で平和的な関係に貢献しうるということを心に留め、

より巧妙で現代的な形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容や、人種および民族差別あるいは優越を基礎にしたその他の思想や慣行の台頭を警戒し、

人類に対する侮辱であり人民および民族間の友好的で平和的な関係の妨害となる、人種、皮膚の色、世系(門地)、文化、言語あるいはナショナルおよびエスニックな出身を根拠にしたあらゆる種類の差別、排除あるいは優先を非難し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の現代的現象と闘うというわれわれの決意を再確認し、

常に尊重、寛容および相互理解を特徴としてきたアジアの全人民の歴史的、社会的および文化的貢献は、人類の共通遺産である世界の文明および文化的多様性を豊かにしてきたことを確認し、

二〇〇一年を「国連文明間の対話年」として宣言した国連総会の決定、ならびに、テヘランにおける二〇〇一年二月一七日の文明間の対話に関するアジア地域会議の開催を歓迎し、

国連総会の決議53/44による「平和の文化に関する宣言と行動計画」の採択と、「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化の一〇年(二〇〇一年~二〇一〇年)」を宣言する国連総会の決定を歓迎し、

すべての人民および民族共同体(nations)が、いかなる差別もなく、国内および世界の意思決定に平等に参加することの重要性を強調し、

他の大陸で暮らすアジアの共同体やマイノリティの一部に向けられた不寛容への懸念を表明し、

ナショナルおよびエスニックなマイノリティや人種的、文化的、言語的マイノリティの権利の保護と伸長の必要性と、それらマイノリティの社会的排除や疎外に反対する必要性を認識し、

すべての人びとが有している、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容のない社会に住む権利と、あらゆる形態の人種差別の撤廃のために迅速で重要で適切な措置をとる政府の義務を再確認し、

国連の植民地諸国人民独立付与宣言(一九六〇年)を想起し、

入植植民地化や外国の占領は、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の源泉であり、原因であり、形態であることを再確認し、

人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容は、依然として、武力紛争を含む数々の国内および国際紛争の根本原因であることへの懸念を表明し、

人種主義の源泉、原因、形態および現代的現象

1 すべての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳および権利において平等であり、それゆえ、いかなる人種優越主義も科学的に誤りであり、道徳的に非難されるべきであり、また社会的に不当かつ危険であり、いかにしても正当化されないことを再確認する。

2 植民地主義や奴隷制は、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の第一の源泉であり現象となってきたことを認識して、その慣行に関わってきたすべての国家は、植民地主義や奴隷制による人びとの深刻な苦しみや、植民地主義や奴隷売買の状況のなかで犯された凶悪な人種差別的行為を認める必要があることを認識する。

3 市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利の実現の文脈において、あらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容を非難する。

4 人権や基本的自由、すなわち、市民的、政治的、経済的、社会的および文化的権利と発展の権利の、大規模ではなはだしい侵害である人種や民族の優越、憎悪、差別、排斥の観念や理論を基礎にした、過去および現在の政策、慣行、宣伝および組織を、さらに非難する。

5 すべての形態や現象におけるファシズムの復活を強く非難する。

6 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容から起こる社会的暴力の行為および慣行をすべて非難する。

7 外国人が人種差別を受けたり、外国人は対抗者や競争相手、あるいは国内の繁栄や文化やアイデンティティに対する脅威とみなされる風潮を生みだす、一部の先進国間の政治および経済協定に助長された地域要塞の概念を拒否する。

8 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容から生じる経済的、社会的あるいは文化的不公正を認識し、これら害悪の根絶に向けた全面的で継続的な努力を呼びかける。

9 植民地搾取が発生原因の一部を負っている世界各地の貧困と経済格差は、人種差別的態度の持続に大きく貢献していることを強調する。

10 進行中のグローバル化は、全人類の発展と繁栄という目標達成を支える可能性をもったパワフルでダイナミックな力ではあるが、特定の国や集団を疎外しながらとくに人種差別的態度の維持や強化に寄与するような経済格差や文化的均質化など、逆方向の趨勢を防ぐために、それに正しく対処する必要性があることを認識する。

11 グローバル化によって地域間移住労働が増加したことを認識し、そのような南から北への移住労働に関する政策は、人種、皮膚の色、世系あるいはナショナルまたはエスニックな出身を根拠にした差別に基づくべきではないことを強調する。

12 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容との闘いの主要な資力となる経済的、社会的および文化的権利と発展の権利の実現のために、グローバル化の利益を最大限に活用できるよう協力することを決意する。

13 また、公正で、平等で、民主的で、包括的な国際秩序の形成にすべての集団および国が平等に参加することは、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容から解放された世界の実現に貢献することを認識する。

14 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に誘導された文化的あるいは文明的支配や押しつけに立ち向かえるよう、異なる文明や文化の間の理解を促す国際的努力を呼びかける。

15 文化や文明間の対話は、人間の営みのさまざまな領域における協力や相互繁栄を通して、寛容の文化と多様性の尊重を促進することを再認識する。

16 人種的優越を基礎にした思想は国際人権文書の内容や精神と矛盾し、地域および世界の平和と安全を危うくするというわれわれの確信を表明する。

17 人種、皮膚の色、世系、文化、言語、ナショナルあるいはエスニックな出身を基礎にした人種差別や排外主義の思想は、人種差別、外国人排斥そしてステレオタイプ化の温存、促進そして拡大の責任を負っていることを強調する。

18 人種主義、外国人排斥あるいは人種優越や差別の理論を基礎にした政治綱領や制度は、民主主義や透明で責任ある統治と相容れないものとして禁止されるべきであり、政府の政策が許している人種差別は人権侵害であり、人民の間の友好関係、国家間の協力そして国際平和と安全を危うくしかねないというわれわれの確信を表明する。

19 エルサレムを崇敬の都市および世界三大宗教の聖地として認め、外国の占領とその人種差別的慣行のすべてを、主にこれら三大宗教の大切な聖堂で終わらせるよう、国際社会の努力を呼びかける。

20 入植地の上に成り立つ外国の占領、占領地の継続的な支配のために人種差別を基礎にした法律、そして、完全な軍事封鎖の強化や市町村の孤立化などの活動は、国連憲章の目的と理念に完全に対立することを確認する。それは、国際人権法ならびに人道法の深刻な侵害、新しい種類のアパルトヘイト、人道に対する罪、大量虐殺の一形態、そして国際平和と安全への深刻な脅威である。

21 日々の生存のあらゆる側面にインパクトを与え、基本的権利の享受を妨害するような、パレスチナ人およびアラブ占領地区のその他の居住者に対する人種差別行為を、遺憾の念をもって想起し、この状況に対するわれわれの深い憂慮を表明し、パレスチナ人、ならびにイスラエルに占領されているアラブ地区のその他の居住者が受けている人種差別行為をすべて中止するよう呼びかける。

人種主義の被害者

22 人種的あるいは民族的優越、憎悪、あるいは、人種、皮膚の色、世系、文化、言語あるいはナショナルまたはエスニックな出身の差異の理論を基礎にした植民地主義、奴隷制あるいは民族浄化などの政策や慣行に影響を受ける個人、集団および民族共同体(nations)は、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者であることを認識する。

23 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者の市民的および政治的権利の完全な実現のために、政治・司法・行政機関へのより効果的なアクセスを含め、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)などの方策、プログラムおよび政策を国レベルで促進する必要性と、いかなる種類の人種差別もない司法へのアクセスを促進する必要性を強調する。

24 国家は、必要に応じ、特定の人種集団やそこに属する個人の完全で平等な人権および基本的自由の享受を保証するために、それら集団や個人の適切な発展と保護を確実にする特別で具体的な措置を、社会、経済、文化およびその他の領域でとるべきことを認識する。これらの措置は、いかなる場合も、目的が達成した後、結果的に、異なる人種集団に不平等な権利あるいは分離された権利を残すようになってはならない。

25 さらに、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容のすべての被害者の経済的、社会的および文化的権利の促進と保護のために、また、そうした集団に、彼ら/彼女らが住んでいる社会の繁栄と富を共有できる大きな機会をもたらすために、さらには、発展と科学および技術の恩恵がこれら被害者の生活の質の向上に効果的に寄与するよう保証するために、アファーマティブ・アクションを含む方策、政策およびプログラムを国レベルで促進する必要性を強調する。

26 文化的アイデンティティを維持して価値観と伝統を守る権利を含み、ナショナルおよびエスニックなマイノリティや言語的、人種的あるいは文化的マイノリティ、先住民族、そして移住者の人権の促進と保護の重要性を力説する。

27 「先住民族の国際一〇年」と、「ウィーン宣言および行動計画」の主要な目的に具体的な表現を与える国連システム内の「先住民問題常設フォーラム」の設置を歓迎する。

28 移住者に対する人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の表現および行為を非難し、社会および職場における彼ら/彼女らへの公正で正当で平等な処遇の必要性を強調する。

29 すべての国家には、外交関係および領事関係に関するウィーン協定のもとでの義務を、いかなる人種差別もなく、果たす必要があることを繰り返し述べる。

30 移住および市民権に関する法律の策定は当該国家の特権であるが、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に誘導された法律は、非難され、撤廃されるべきであることを認識する。

31 難民、難民申請者および国内避難民は、特定の状況において、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の現象に無防備であることを認識する。

32 財政支援を含め、世界のさまざまな地域における難民の状況に取り組むための国際的対応および政策は、当該の難民の人種、皮膚の色、言語、世系、文化あるいはナショナルまたはエスニックな出身の考慮によって導かれるべきではないことを繰り返し述べ、その文脈において、国際社会に対し、とりわけ発展途上国における難民の状況の解決に向けて、とくにそれらの人びとの避難の根本原因の除去を目指して、関係国家が要請しているように、経済的および財政的援助を通じて支援を提供するよう求める。

33 パレスチナ難民、および、戦争や占領国の人種政策によって家を離れざるをえず、帰還に関する法律が人種主義的であるために国や家に帰れない避難民の厳しい状況に深い懸念を表明し、国連総会決議、とりわけ一九四八年一二月一一日の総会決議194号により立証されたパレスチナ難民の帰還の権利を認め、この権利に基づき、それを行使する彼ら/彼女らの祖国帰還を求める。

34 占領下にあるパレスチナ人民に、攻撃、人種主義の行為、威嚇、生命・自由・自決の権利を含む基本的権利の否定に対する国際的保護を提供するという国際社会の責任を再度強調する。

35 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と、その他の形態の差別が結合した複合差別を受けている人びとのための方策、政策およびプログラムの綿密な作成に、特別な注意を払うべきことを認識する。

36 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容は、女性に対する攻撃的で特殊な扱い方にすでに表現されており、彼女たちの生活水準を低下させたり、複合的な暴力の形態を生み出したり、あるいは彼女たちの利益や人権の行使を制限したり否定する結果になっていることを認識し、この点において、国家は、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する方策やプログラムを作成する際に、この現象を考慮するよう求める。

37 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の実例は、女性や少女の売買および/あるいは性的搾取につながるということに懸念をもって留意する。

38 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者に、多数の子ども、少女および若者が含まれていることに懸念をもって留意し、子どもの福祉のための方策やプログラムの作成においてこの要因を考慮する必要性と、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する方策やプログラムの作成に子どもの最善の利益の原則を取り入れることの重要性を強調する。

防止と教育

39 教育は、社会の人種、民族、文化および言語の多様性の尊重を促進する鍵であり、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の拡大の防止に不可欠な民主的価値観の促進と保護にとって鍵であることを認識する。

40 教育は、人種主義や人種差別の防止や根絶、および子どもや若者を中心にした人権意識の高揚の主要な手段の一つであることを再確認し、その意味で、人種的なステレオタイプを永続化したり、外国人排斥を助長するような教科書を適切に改正する必要性を力説する。

41 植民地主義、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の過去および近年の歴史を教え、類似した政策や慣行の再発を防止する重要性と必要性を強調する。

42 さらに、あらゆる形態の人種差別を撤廃するために適切な予防措置を拡大させる必要性と、政府、国際機関、メディア、NGOそして市民社会が、そのような措置を発展させ、異なる人種および民族集団の間の信頼を構築する上で果たせる重要な役割を認識する。

43 人種主義的あるいは外国人排斥主義の個人あるいは集団による犯罪に対して、政府には、その権限内で、個人を防衛したり、個人の権利を保護する責任があることを再確認する。

44 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の宣伝に、インターネットなどの新しい情報技術が利用され、子どもや若者がこうした宣伝にアクセスをもっていることに深い懸念を表明する。

45 インターネットを含むこれら新しい情報技術の利用は、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容との闘いに貢献すべきであり、寛容と多様性尊重の促進にも利用されるべきであることを認識する。

46 一部の集団や組織が、印刷、視聴覚および電子媒体や、インターネットなどの科学的技術的進歩がもたらした機会を広範囲に利用し、世界の国々に人種憎悪を煽動する目的で人種差別や外国人排斥の宣伝を行っていることに、懸念をもって留意し、この点において、すべての政府にこのような煽動に対する必要な対策をとることを求める。

47 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する闘いにおいて、それら形態の差別に対する方策を提案したり、その実施において政府を支援するなど、市民社会が担える重要な役割を認識する。

48 また、若者の間での国際交流や対話は、異文化の相互理解や尊重を築く重要な要素であり、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の撤廃に貢献することを認識する。

49 人権や基本的自由の侵害を伴う人種差別や人種優越を基礎にしたあらゆる思想や慣行を、断固として非難し、すべての国家には、可能なすべての手段を使って、人種差別や人種優越を基礎にしたこれら思想、活動そして慣行をなくす義務があることを確認する。

救済/補償/賠償/人道法

50 植民地支配やその他の形態の外国支配あるいは外国占領、奴隷制、奴隷売買、そして民族浄化など、人種あるいは民族優位を基礎にした政策や慣行を遂行した国家は、そのような政策や慣行の被害者に対する責任をとり、賠償すべきことを認識する。

51 あらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対することを目指した厳しい法律、行政措置そして行動計画を採択して厳格に実施する必要性と、人種主義や人種差別のすべての行動に徹底的でタイムリーで中立な調査を実施して、法律にしたがって責任者を罰し、被害者に迅速で公正な補償を確保する必要性を認識する。

52 国内人権機関、オンブズパーソン、および人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と闘うその他の組織の重要性を認識し、そのような組織が存在しない所にはそれを設置する必要性と、それらが存在する国では、法律で定められているように、当局や社会全体がそのような機関に最大限の協力を提供する必要性を再確認する。

53 平和時でも武力紛争の時期でも、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に取り組む必要があることを再確認し、国家および国際社会は、武力紛争の期間はとりわけ警戒を怠らず、あらゆる形態の人種差別と闘い続けるべきであることに留意する。

54 人種において非差別であることが国際人道法の基本原則であることを想起し、武力紛争のすべての当事者に、この法律の中で規定されている人種的な区別を禁止しているルールを誠実に守るよう求める。

地域および国際協力/地域および国際文書

55 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する闘いを続けるアフリカの人民に、われわれの連帯を表明し、この非人間的な悲劇に国際世論を喚起するために彼ら/彼女らが払った犠牲と努力を認識する。

56 (a)人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する闘いの目的の達成、(b)これらの慣行を禁止した国際条約や文書の効果的実施、そして、(c)この点における国連および国家の義務の履行、これらを促進するためには国際協力が重要であることを想起する。

57 「世界人権宣言」および「ウィーン宣言および行動計画」の尊重と、人種差別撤廃条約や、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対して闘うその他の関連文書の締約国によるそれら条約の実施を促進するというわれわれの決意を繰り返し述べる。

58 人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対して諸国家が策定する世界的戦略は、国家、地域および国際組織、NGO、個人および地域社会の協力があってこそ成功するということを認識する。このような戦略の策定には、こうした差別の被害者の意見と要求を考慮すべきである。

 

行動計画

宣言の目的を現実的で実行可能な行動計画に置き換える緊急の必要性を認識し、われわれは世界会議に次のことを勧告する。

1 国家に、要求されている通り、優先課題として、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対して闘うことを目指した法律、政策および措置を採択するか、あるいは強化するよう求める。

2 国家、地域および国際組織、そして市民社会に、社会の多人種的、多文化的、多民族的側面の尊重を促進し、あらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と闘うために人権意識を広げるよう求める。

3 国家に、国内および国際レベルにおいて正義と平等を尊重し、とりわけ人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容におけるダブルスタンダードの政策を放棄するよう求める。

4 国家に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容を創出したり、永続化させたり、あるいはその一因となっている法律や規則を、要求されている通り、改正、廃止あるいは無効にするよう求める。

5 国家に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に基づく政治綱領や思想あるいは人種や民族の優越の理論に反対する厳重な法律を採用して、厳密に実施するよう求める。

6 国家に、必要であれば、国内人権機関、オンブズパーソン制度およびその他の組織を設立して強化し、自国に特有の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に関する問題に対処して、それら差別の被害者をその権限の領域において援助するよう求める。

7 国家に、インターネットなどの新しい情報通信技術を含め、すべての情報通信媒体を使った人種差別や外国人排斥のメッセージの伝達を公然と非難し、積極的に妨害し、禁止できる措置をとるよう要請する。

8 世界のメディアに、優越意識、人種憎悪の正当化およびあらゆる形態の差別の拡散を禁止して、全人民の間での相互尊重と寛容を促進するために、適切な協会や組織を通して、倫理行動綱領を確立して普及させるよう勧める。

9 国際舞台におけるすべてのアクターに、包容、正義と平等、相互理解そして尊重を基礎にした国際秩序を築き、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に基づく時代遅れの排除の理論を拒絶するよう求める。

10 国家に、関係する国際人権文書のもとで負っている義務に従い、民主主義への決意の確認として、あらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と闘って積極的に妨害できるよう、必要な立法、行政および司法の措置をとるよう求める。

11 締約国に、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約を完全に尊重して従うよう求め、まだ締約国にはなっていないすべての国家にこの条約に加盟するよう勧める。

12 国家に、移住者およびその他のナショナルおよびエスニックな集団あるいはマイノリティや人種的、文化的および言語的な集団あるいはマイノリティ、そして存在するならば先住民族の、初等教育や基本的なヘルスケアを含む基礎的な社会サービスへのアクセスを、いかなる差別もなく促進する国内プログラムを確立するよう求める。

13 世界会議に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者の、社会における不利な立場を是正する特別措置を、国家の検討を求めて提起するよう求める。

14 国家に、要求されているように、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者が、いかなる種類の人種差別もなく裁判や司法救済に効果的にアクセスできることを含め、それら被害者の権利を促進して保護するために、アファーマティブ・アクションを含んで、法律、方策、プログラムおよび政策を採用するよう要求する。

15 植民地あるいはその他の形態の外国支配や占領、奴隷制、奴隷売買、民族浄化そしてアパルトヘイトなど、人種あるいは民族優越に基づいた政策や慣行を遂行した国家に、それら政策や慣行の被害者となった国家、共同体および個人に対し、被害を受けた時期に関係なく、全責任をとり、迅速で、適正で、公正な補償および賠償を行うよう強く求める。

16 国家に、人種主義や人種差別の行為に対して、迅速で、適切で、公正な補償および賠償を受けることができる被害者の権利を保障するために、国内法の規定に基づき、必要な措置を採用するよう求める。

17 国家に、人道に対する罪になるあらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の撤廃に関する国際法、国際人道法、国際条約に従って、植民地あるいはその他の形態の外国支配や占領下にある人びと、とりわけ人種差別、民族的あるいは植民者の思想に基づいた占領の下にいる人びとに関して、人権基準の実施とあらゆる形態の人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の撤廃を保証する効果的な国際的措置をとるよう強く求める。

18 国家に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と、その他の形態の差別が結合した複合差別を受けている人びとの人権の促進と保護に、特別の注意を払うよう求める。

19 国家に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する国内行動プログラムの策定において、人種差別を被っている子ども、女性そして若者に保護を提供して、その状況に対処するよう求める。

20 国際機関に、委託された権限内において、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する闘いに貢献するよう求める。

21 国家に、あらゆる適切な手段を通じて、ナショナルおよびエスニックな集団や人種的、文化的および言語的集団のステレオタイプ化を防止し、人びとや出来事や歴史の記述は、頻繁に人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の被害者となっている集団に対する社会の見方に深い影響を及ぼすことを認識し、とりわけメディアにおいて、客観的でバランスのとれた記述を奨励するよう求める。

22 国家に、雇用や職業へのアクセスにおける人種差別的政策や慣行が存在しているならば、それを阻止して廃止するよう求める。

23 国家に、必要ならば、ナショナルおよびエスニックなマイノリティや言語的、人種的および文化的マイノリティ、先住民族、そして移住者の文化的アイデンティティを維持し価値観や伝統を守る権利を含めた人権を、促進して保護する政策を策定するよう奨励する。

24 国家、金融機関を含む地域および国際組織、そして市民社会に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容につながるようなグローバル化の側面に対処するメカニズムを発展させるよう奨励する。

25 国家に、人種、皮膚の色、世系、文化、言語あるいはナショナルまたはエスニックな出身を基礎にした差別をなしに、その国民、とりわけ子どもたちに、無料の初等教育への完全なアクセスを、差別なく、段階的に実現させることに全力を傾けるよう求める。

26 国家に、教育の力を利用して、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容と闘うために、適切ならば、研修プログラムを採用したり、教材を作るよう促す。この文脈で、国家に、人種的ステレオタイプを永続化したり、外国人排斥を奨励するような教科書や教材を適切に改正するよう求める。

27 国家に、相互理解、連帯、寛容および平和の文化の構築を培いながら、異なる民族、人民、集団の間の安定的で調和のとれた関係を促進するために、適切ならば、社会政策を策定するよう求める。

28 国家に、「平和の文化に関する宣言と行動計画」の実施と、「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化のための一〇年(二〇〇一年~二〇一〇年)」の目的を促進するよう求める。

29 国家に、適切な場合は必ず、政府間組織および国内機関と協力して、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に関する研修コースやセミナーを、検事、法執行官、司法関係者およびその他の公務員に向けて組織し促進するよう要請する。

30 すべての国家に、必要ならば、公的生活のあらゆる領域における人種差別に明確に反対し、人種差別を具体的に禁止する国内法および行政措置を採用して実施するよう求める。

31 すべての国家および関係する国際機関に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対して、さまざまな文化および文明間の相互理解を強化することを目指した、文化的教育的プログラムを開始して発展させるよう奨励する。

32 国家に、さまざまなナショナルおよびエスニックな集団や人種的、言語的および文化的集団の間に、多様性と包容を尊重する精神を広めるような情報を、メディアや学校のカリキュラムなどの適切な手段を通じて流布するよう求める。

33 文明間の対話に関するハイレベルの国際会議を、世界の全地域で交互に開催するよう勧告する。

34 文明間の対話のための国際財団を創設して、さまざまなナショナルおよびエスニックな集団や人種的、言語的および文化的集団の間の寛容と友好の促進につながる異文化間の対話と異文明間の利益交換の促進を目指した教育的、科学的および文化的計画を開始するよう勧める。

35 人権高等弁務官事務所に、その委託された権限内において、そして国家、専門機関、地域および政府間組織そしてNGOとの協議を通して、世界会議の目標と目的に関する意識向上のために、創造的で、安価で、効果的な情報戦略を提案するよう勧告する。

36 人権高等弁務官に、「人種主義に反対して、力を合わせて行動する国際年」に関して、スポーツ、文化、音楽、芸術および文学の各分野の適切な組織や、大学および国内機関を巻き込みながら、ハイレベルな世界文化会議を組織するよう要請する。

37 国連人権高等弁務官事務所に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に対する闘いに関する情報、とりわけ、国際および地域文書や国内法、さまざまな国や地域で実施されている教育的で予防的なプログラム、技術協力の機会、学術研究そして専門文書に関する情報を含んだデータベースを、ウェブサイト上に設けるよう要請する。

38 列国議会同盟に、会議の目的に関する国内議会での議論を奨励し、「人種主義に反対して、力を合わせて行動する国際年」の活動に貢献するよう勧める。

39 国家に、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に基づく社会暴力の問題に対処する政策を採用するよう奨励する。

40 国家に、多様性、多元的文化、寛容、相互尊重、文化的敏感さ、統合および包容の価値観の尊重を促進する大衆向けの情報キャンペーンを開始するよう求める。

41 国家、NGO、文化機関、通信メディアおよび社会のすべてのセクターに、人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容の撤廃に貢献するよう勧める。

42 国連総会に、この宣言と行動計画の完全な実施を包括的に検討するよう要求する。

 

【翻訳=ヒューライツ大阪】