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国際人権ひろば No.106(2012年11月発行号)

「地域に学ぶエンパワメントと参加―モッポ(木浦)&ソウルへの旅」(8/29-9/2)の参加者からの感想をアップしました。


「君はゆくのか~そんなにしてまで~

梁英子(ヤン・ヨンジャ)  

2つの台風のため,1日早くても遅くても飛行機が飛ばなかったという絶妙の日程での実施であった。暴風雨の中ソウルから木浦へ半島をバスで南下した初日は,「君はゆくのか~そんなにしてまで~」という歌のフレーズが頭に浮かんだ。しかし、帰途では「そんなにしてまでやって来て,本当に良かった!」と思った。

 

8月29日全南女性センター全景.jpgのサムネール画像

8月31日儒達山で記念撮影.jpgのサムネール画像

木浦では,行政の女性施策への意気込みを示す巨大な「全南女性プラザ」と「木浦女性連帯」の民間の地道な活動を見聞,ダイナミックな韓国の女性パワーが地方でも躍動していた。

 とりわけ木浦女性連帯のチェ会長から「抽象的スローガンよりも目に見える小さな変化をめざして、肯定的・代案的・普遍的メッセージを声にして,まず自分たちが求めることを できるだけ楽しみながら」等々, 異なる組織が連帯するために心がけてきたことを伺い、大変参考になった。
 ソウルで訪問した「ソウル女性労働会」の付設機関であり、社会的企業育成法による社会的企業「ナヌムグァ トルボム(わかちあいとケア)」では、ユン・ヘリョン
代表が法制度による実利的なメリットの数々よりも「働く者の誇り」を大切にできる点が重要と語っておられたのが印象的だった。国が社会的企業を支援する韓国の制度について、これからも注目してゆきたい。

 貴重な現地情報が「てんこ盛り」のツアーだったが、グルメ本には載らない木浦の麦飯定食、ソウルの海鮮ピビンパの味も忘れられない。
 最後に、「どうやってこのような参加者を集められたのですか」と韓国の見学先で尋ねられたという個性豊かな「旅の仲間」の面々も忘れられない。 人とつながり,楽しみながら社会を変えてゆくために,今回の濃密な旅で得たことを日々の暮らしに生かし, 大切に育ててゆきたい。

 

 

これぞ韓国の女性によるエンパワメント

日本大学女性協会 大阪支部  永井 由美子

「今韓国へ行くと日本人に石が飛んでくるよ」とまわりに脅かされての韓国スタディツアーへの出発でしたが、「石」ではなく「温かい誠実なおもてなしの心、女性が女性のために力を貸し、ともに生活向上を目指すグループとの出会い、聖公会大学NGO大学院での衝撃的な韓国側からの事例報告と意見交換」という貴重な、目から鱗の体験が飛び込んできました。木浦の美しい落ち着いた佇まいと古い歴史街はしばらく滞在したくなるような魅力があります。

「戦争と女性の人権博物館」では従軍慰安婦に関する資料が展示されており、実際に何が起こっていたのか知ることのできる資料館でソウルに今年開館しました。

2012-08-30 17.59.jpgのサムネール画像

もちろん同行の素晴らしい仲間との超おいしい韓国料理を囲んでの楽しい交流も忘れられない思い出となりました。韓国で出会った皆さまお一人おひとりに感謝。深謝。

 

 

 

ただの対等の人として今後も参加したい

伊藤公雄 

女性ばかりの『旅団』に男一人ということでしたが、慣れていることもあり(「女の なかに男が一人」状況は、ここ20年ほど、いやになるほど経験していますので)、妙な男性とご一緒のツアーよりもかえって気を遣わずに過ごせました。台風直撃下の(翌日の快晴のツアーも含めて)モッポ(木浦)のツアーもすごく有意義でした(おいしかった)し、ソウルでの「戦争と女性の人権博物館」、ソウル市立歴史博物館の特別展示「在日同胞100年の夢」(いわゆる「在日朝鮮人」への目配りがあった点など、時代の変化を感じました)も、すごく興味深いものでした。「名誉女性」(奇妙な呼称ですが)ということではなく、男性参加者として(もちろん男女にかかわらずただの対等の人として)、今後もあれこれご一緒したいものです。  

 

2012-08-30 18.57.jpg

 

 

 

 

確かに気持ちは伝わりあった

周藤由美子 

このツアーに参加したのは初めてでした。夏休み期間とはいえ、忙しい仕事をしていたり、学校も始まっていたりで、「ツアーに参加するために徹夜で仕事を片付けてきた」「職場の同僚に無理を言ってきたのでお土産を奮発しなければならない」などと語られる参加者の様子に、このツアーに参加する皆さんのモチベーションの高さを感じました。

参加してみて「このツアーでなければ行けない」現場に行くことができたことや、毎日参加者のわがままな胃袋を満足させる美味しい食事に、なるほど!と納得しました。

私は「韓国の女性たちの運動のパワーから学びたい」という動機で参加したのですが、韓国の「進んでいる」側面だけでなく、「運動の原点に立ち戻ろうとしている」側面や、「こんなにひどい実態がまだまだあるのか」と愕然とするような側面にも触れることができ、大変得るところがありました。韓国語がしゃべれればもっと話せるのに、と自分の不勉強を棚に上げて思いながらも、同じ時間を共有して、確かに気持ちは伝わり合ったように感じることができました。

9月1日聖公会NGO大学院で発表する周藤さん2.jpg

 

また、オプション(「戦争と女性の人権博物館」と「ソウル市立歴史博物館」の特別展示「在日同胞100年の夢」)の見学が、いずれもその展示に至る歴史や意味合いなどを考えると、本当に画期的な取り組みだなあと思い、このタイミングで行けてよかったです。最後に、ツアー全体を通して、コーディネートや通訳など関わって下さった皆さんの人柄が素晴らしく、こういった暖かさもこのツアーの魅力なのだろうなあと思いました。参加できてよかったです。ありがとうございました!