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国際人権ひろば No.93(2010年09月発行号)

ヒューライツ大阪からのお知らせ

「外国にルーツを持つ子どもの権利」をテーマに2回の学習会を開催

   ヒューライツ大阪は、「外国にルーツを持つ子どもの権利」をテーマとした学習会を7月と8月に開催しました。第1回目は7月17日、中国出身で大阪府立布施北高等学校教諭の孟方(モンファン)さんを講師に、「中国出身・中国帰国者の子どもの教育をめぐる課題」に関して、第2回目は8月7日に、川崎市をベースに活動する NGO「カラカサン~移住女性のためのエンパワメントセンター」の鈴木健さんを講師に招き、「外国人母子家庭の子どもの現状と支援」に焦点をあてた内容の学習会でした。
 孟方さんは、英語教員として教壇に立ちつつ、「多文化理解教室」(実際に場所としての教室も運営)を担当し、外国にルーツを持つ生徒などの生活指導や進路指導に取り組んでいます。中国出身の子どもたちの現状、ならびにその子どもたちの日本の学校や社会における統合の課題について報告いただきました。
 布施北高校では、大阪府教育委員会が導入している入試制度のひとつである「中国帰国生徒及び外国人生徒を対象とした入学者選抜」を行っていることから、中国をはじめとする外国にルーツを持つ生徒が多く学んでいます。学習会の当日には、10名の中国人生徒が参加し、入学前と後の自分たちの感情の変化をカードに書いて参加者に示してくれました。
 一方、NGO の「カラカサン」の鈴木さんたちは、ドメスティックバイオレンスの被害女性のための相談活動、暴力による被害からの回復、経済的・社会的および精神的自立に向けた支援、暴力のない共生社会を目指した教育・啓発活動などに重点をおいて活動しています。2010年3月には、調査報告書「移住(外国人)母子家庭の子どもの実態と支援に関する調査-DV や虐待などの暴力にさらされた子どものケア」をまとめています。学習会では、この調査を手掛かりに、虐待などを受けた子どものエンパワメントに向けた学習支援や家庭訪問などの地道な活動について報告を受けました。
(構成:藤本伸樹)