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国際人権ひろば No.90(2010年03月発行号)

ヒューライツ大阪の報告

参加型人権教育センター 平成21年度「コンパス・セミナー」開催-ヨーロッパ評議会人権教育マニュアル『コンパス(羅針盤)』を中心に

(朴君愛・ヒューライツ大阪)

(財)人権教育啓発推進センターとの共催で、2月19日~20日に、ヨーロッパ評議会・参加型人権教育センター「コンパス・セミナー」を piaNPO で、開催しました。 
 ファシリテーターを担った福田弘・聖徳大学大学院教授は、人権教育マニュアル『コンパス(羅針盤):学校教育・生涯学習で使える総合マニュアル』(原題:Compass : a manual on human rights education with young people)の翻訳者であり、また文部科学省によるはじめての人権教育のガイドライン「人権教育の指導方法等の在り方について」(第3次とりまとめ)作成にあたり、「人権教育における指導方法等に関する調査研究会議」の座長として関わってきました。今回は、コンパス・セミナーをはじめて体験する人を対象に公募し、近畿地方を中心に31名が参加しました。

なぜ、日本で『コンパス(羅針盤』なのか?

 ヨーロッパ評議会が世界の他地域に先駆けて、70年代から人権教育の推進に積極的に取り組んできましたが、その成果が国際社会のレベルで、「人権教育のための国連10年」(1995-2004)とそれに続く「人権教育世界プログラム(2005-)」の取り組みにつながったことが説明されました。『コンパス(羅針盤)』は、ヨーロッパ評議会青少年・スポーツ理事会により2000年から開始されたプログラムがベースになって、2002年にヨーロッパで刊行されたものです。ヨーロッパ各国はもちろんのこと、日本を含めた各言語に翻訳されて世界で活用されています。一冊の中に人権の理論と人権教育の進め方、実践的な49のアクティビティがコンパクトに紹介されていますが、福田教授は、講義とともにアクティビティのいくつかを日本の社会・文化に合うようにアレンジして紹介しました。

日本の人権教育の推進のために

 講義の内容は、人権教育の国際的動向から指導者に求められるものまで多岐にわたりました。日本の人権教育に関わっては、文科省の「第3次とりまとめ」のポイントを説明しながら、人権教育の知識的側面、価値的・態度的側面、技能的側面はそれぞれが大事であり、また相互に関連しているという指摘があり、こうした学びを「自分の人権を守り、他者の人権を守るための実践行動」につなげることの重要性が語られました。
 今回のセミナーも、安心して参加するために自由に発言することを保証しよういうことからはじまりました。ワークショップタイプの人権研修を記録するのは容易ではなく、また参加数も限られます。学ぶ機会を得た人たちが、これを活用して経験を重ね、日本での人権教育の担い手と正しく人権を理解する人が増えることを願います。