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国際人権ひろば No.88(2009年11月発行号)

NEWS IN BRIEF

人権理事会、「人権教育世界プログラム」 第2段階(2010~2014年)を決議

 国連人権理事会の第12会期が2009年9月14日から10月2日まで開催されていましたが、「人権教育のための世界プログラム」の第2段階について、高等教育と、あらゆるレベルにおける教員、 教育者、公務員、法執行官、軍関係者の人権研修に重点を置くこととする決議が採択されました。第2段階は2010年1月から2014年末までの5年間とされました。
 「世界プログラム」第1段階は、初等・中等教育(日本では小学校から高等学校)における人権教育の推進に焦点をあてて、2005年1月から当初3年の期間限定で始まり、 実施のための行動計画(注)がつくられていました。最終年の2007年に、2009年末までに延長することが決議されていました。
 今回の決議では、まだ初等・中等教育に人権教育を取り入れていない国に、行動計画に基づいて人権教育を実施することを促すとともに、 各国に対して第1段階に関する評価報告を作成することも求めています。これらの報告は第1段階のもとで設置された、国連諸機関調整委員会(UNIACC)でまとめられ、最終報告が作成されます。
 決議は、国連人権高等弁務官事務所に対して、第2段階についてもユネスコなど他の関連する国連機関や NGO などと協力して行動計画をつくるよう要請しています。
 消息筋によると、実際に第2段階の行動計画の骨子ができ、内容が固まるのは2010年になってからではないかとみられています。
 「人権教育のための世界プログラム」は、「人権教育のための国連10年」(1995年~2004年)が修了した2004年12月、国連総会で、人権教育の積極的推進を継続するために採択されました。
 また、人権理事会が設置した、ガザ地区での紛争に関する事実調査団の報告も第12会期で審議されました。報告は、2008年12月から2009年1月に起こった軍事行動に関して、イスラエル側、 パレスチナ側双方に人権法や人道法の違反があり、戦争犯罪にあたり得る行為もあったことを指摘しました。さらに、人権理事会がこの報告を安全保障理事会、国際刑事裁判所の検事に提出する、 安全保障理事会がイスラエルに重大な人権法、人道法の違反に関して捜査を行うよう求めるなど、国連機関に対する勧告、イスラエルに対する封鎖解除、交戦規則の見直しなどの勧告、 パレスチナ側に対する人道法の尊重、政治犯の釈放などの勧告をしています。この報告に関する決議案は、イスラエルなどからの反対意見が出された結果、採択は持ち越されました。
 しかし、その直後の10月15日~16日に開催された「パレスチナ被占領地域および東エルサレムにおける人権状況」を審議する特別会期において、この報告を支持する決議案が採択されました。
 また第12会期では、女性に対する差別について、国内に残る性別に基づく差別を行う法律を廃止し、政治的、経済的、社会的意思決定の場への十分で平等な参加を確保することなどを求める決議や、 人権と安全な飲料水、および衛生について、排水処理など衛生面での不備に対応する国や地方の行動計画などを求める決議、食糧の権利の実現を妨げる政策を見直すことを求める決議などが採択されています。
 また、6月にクーデターが起きたホンデュラスについて、人権の尊重と民主主義、法治主義の回復を求める決議、ミャンマーについて、アウンサン・スーチーさんや他の政治犯を解放し、 2010年の総選挙への参加を可能にすることを求める決議を採択しています。

(注)世界プログラムの行動計画の日本語訳は、ヒューライツ大阪のウェブサイトに掲載しています。
https://www.hurights.or.jp/archives/promotion-of-education/-1-20052007.html