三重県が職員採用にあたり国籍要件の復活を検討していることに対して、「三重県職員の国籍条項復活の撤回を求めるネットワーク」と大学研究者有志が2月16日に県庁を訪れ、検討の撤回などを求めるそれぞれの意見書を提出しました。同日は、県が判断材料の参考とする「みえ県民1万人アンケート」の締め切り日でした。
三重県では職員の採用試験において、1999年度から国籍要件を撤廃し、「公権力を行使」する一部の職種を除いて外国籍者も受験できるようにしてきました。しかし、一見勝之県知事は2025年12月25日の会見で、これを見直し、外国籍の職員採用を取りやめる方向で検討する考えを明らかにしました。
それに対して、地元の団体により「ネットワーク」が組織され、国籍要件の復活は、2022年に施行された「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」の理念に反しているなどとして撤回を求める「共同意見書」への賛同を2025年末から募り、190団体が賛同しました。
また、愛知県立大学教員の山本かほりさんなどの呼びかけによる研究者有志の意見書には414人の賛同が集まりました。同意見書は、「県民1万人アンケート」の対象が日本国籍に限られる選挙人名簿から抽出されることや、アンケートの設問が適切でないなどの問題点を指摘し、アンケートの中止を求め、少なくとも結果を集計すべきでないと訴えています。
アンケートは外国籍職員の採用に関してだけでなく、県政の様々な課題について問うもので、結果は5月以降に公表される見通しです。
三重県議会で議員が慎重な議論と議会への丁寧な説明を求める(2/17)
2月17日の三重県議会で、総務地域連携交通常任委員会委員長の芳野正英議員は、慎重な議論と議会への丁寧な説明を求める概要以下のような報告を行いました。
「外国籍職員の採用を一律に取りやめることは、三重県が取り組んできた多文化共生の推進を阻害するおそれがあることから、慎重な議論が必要です。
外国籍職員の採用の是非を検討するにあたって、第4回『みえ県民1万人アンケート』に、外国籍職員の採用にかかる問が設けられたけれど、委員会において設問の内容が『差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例』と矛盾するのではないかという議論や、社会全体に大きな影響が出るような大きな事案について、議会への十分な報告もなく公表されたことに対し、検討の進め方にも課題があったのではないかという議論がありました。
県当局には、多文化共生や人権を所管する部局とも連携しながら、慎重に議論を行うとともに、議会に対し検討過程を含めて適宜丁寧な説明をするよう要望します」
一見知事は現時点で撤回を表明していません。
三重県庁前で国籍要件復活方針の撤回を求め、第3回目のスタンディングをする「三重県職員の国籍条項復活の撤回を求めるネットワーク」(1/30)
三重県庁前で国籍要件復活方針の撤回を求め、第5回目のスタンディングをする「三重県職員の国籍条項復活の撤回を求めるネットワーク」(2/13)
<出典>
https://www.pref.mie.lg.jp/MOVIE/glive102198.htm
三重県議会中継 定例会(2月17日)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2026/01/3113.html
三重県の職員採用での国籍要件復活の検討に、地元3団体が撤回を求める会見(1/13)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
(2026年02月19日 掲載)